3増し符号
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3増し符号(3増しコード; excess-three code, excess-3, XS-3)は、二進化十進表現(BCD)の一種で、10進数字各桁を、以下のようにその数に3を足した4ビットの2進数で表記する方法をいう。
10進 | 2進 | 10進 | 2進 |
---|---|---|---|
0 | 0011 | 9 | 1100 |
1 | 0100 | 8 | 1011 |
2 | 0101 | 7 | 1010 |
3 | 0110 | 6 | 1001 |
4 | 0111 | 5 | 1000 |
例えば、
- 123410 = 0100010101100111excess-3
である。ここで10は10進数を、excess-3は3増し符号を示す。
通常のBCDに対する3増し符号の利点は次のとおりである。
- ビットを反転させるだけで10進数の減基数の補数(9の補数)が得られるため、減算に便利である。
- 最上位ビット(MSB)が410以下で0、510以上で1となるので、四捨五入に便利である。
- すべてのビットが同時に0になることがないので、断線などによる信号途絶との区別に利用できる。
3増し符号は、ENIAC・UNIVAC Iなど最初期の計算機で内部表現に採用されたが、最近はあまり使われていない。
[編集] 参考文献
JIS X 0005:2002 情報処理用語(データの表現) 05.07.02
雨宮好文 『現代電子回路学[II]』 オーム社、1980年、229頁。 (ISBN 4-274-12750-8)
本項の表は『Wikipedia英語版』の「Excess-3」の項(16:10, 7 September 2006 UTC版)からの翻訳である。