530運動
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530運動(ゴミゼロうんどう)とは「ゴミを捨てない」「自分のゴミは自分で持ちかえる」ことによって、「美しく住み良い、環境にやさしいまちづくり」を推進する運動で、1975年(昭和50年)に愛知県豊橋市が始め、全国に広がった運動とされている。
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[編集] きっかけ
豊橋の登山家が、市内の公園、遊歩道などにゴミがあふれている現状を憂い意見を述べたことから始まった。豊橋市はそれを受け止め、1975年7月に530運動推進連絡会が設立され、同年11月には初の一斉の「530(ゴミゼロ)運動」が行われる運びとなった。この運動は、ゴミゼロという明解で親しみやすい呼び名が功を奏し、次第に全国に広まっていった。1975年に530マークが公募により制定され、530(ゴミゼロ)の歌も作られた。 毎年5月30日にはこの530(ゴミゼロ)にちなみ、全国各地でゴミ拾いを行う行事が開催され、環境意識を高める場となっている。
[編集] ごみ持ち帰り運動の発祥 尾瀬
尾瀬で、昭和47年(1972年)全国にさきがけて「ごみ持ち帰り運動」が実施された。平成18年で35回を数える。豊橋市の主張する530(ゴミゼロ)運動は、この尾瀬の山中清掃が原型と思われる。名称は異なるが、中身はまったく一緒である。
尾瀬「ごみ持ち帰り運動」は、環境庁、尾瀬保護財団、国立公園協会、福島県、群馬県、新潟県によって行われている。
ごみ持ち帰り運動においては、東京都、神奈川県、金沢市、大分県、滋賀県、福井県、富山県、鳥取県、栃木県など。
[編集] ゴミ問題の現況
豊橋市のゴミゼロ運動は、単にゴミ拾いをするというだけのもので、ゴミを捨てる人間が存在することが前提条件になっている、そのため、捨てる側の良心に訴える形で、ゴミポイ捨て禁止条例と看板を設置している自治体も多い。ゴミを削減するためには、資源リサイクルやゴミの分別が必要であり、環境首都という名乗りをしている自治体もあり、豊橋市のゴミゼロ運動とそれに倣った行動は既に下火である。また、他都市と比較して、豊橋市内が特別美化されているというわけでもなく、豊橋市民・豊橋ナンバーがゴミのポイ捨て禁止・美化清掃に特別評判がいいというわけではない。
あえて、GW明けでゴミの回収処理が完了している5月30日に、ゴミを拾う意味はなく、ゴミゼロの語呂合わせというだけである。アキカン・ペットボトル等飲料系ゴミの増加する夏場や、落ち葉であふれる秋~冬に、ゴミ拾いをしているわけではない。
[編集] 組織
530運動推進連絡会
初代会長 野澤東三郎
二代目会長 神谷邦雄