AMD K8L
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
K8L(けいはちえる)はAMDが開発を行っている80x86およびAMD64系のCPU設計である。現在AMDの主力アーキテクチャである"K8"をマルチコア向けに改良したものである。
目次 |
[編集] 開発背景
もともとのロードマップにはK8の先に高IPCのK9やK10などが計画されていたが、消費電力の問題で計画変更となり、従来のK8コアを拡張してコア数を増やすという手法で対処する方向性に変更された。インテル社のIntel Core 2などに対抗して開発されている。
[編集] 製品概要
AMDのサーバおよびメインストリーム向け製品としては、初めてL3キャッシュが搭載され(ただし、廉価版のコアには搭載されない)、インテルが次期Core2シリーズに搭載される予定のSSE4から一部の命令を除去したSSE4A命令が追加される見込みにある。HyperTransport LinkはVersion 3.0変更されているが、現在のHyperTransport Link 1.1(2GHz)相当での動作となる。また、ソケット形状が変更されるが、Socket AM2+とSocketAM2、Socket F+とSocket Fにはそれぞれ互換性がある。
[編集] 第一世代K8L各製品仕様
Barcelonaコアは2007年第2四半期に出荷が予定されており、そのほかも順次出荷が予定されている。なお、コアのコードネームはBarcelonaを除いて、全て恒星の名から取られている。なお、製造プロセスルールはいずれも65nmになる見込み。
[編集] Barcelona
サーバー用途のCPUコアのコードネームで、現行のOpteron相当のラインアップ位置となる。現行のClovertown世代のXeonおよびKentsfield世代のIntel Core 2 Quadとは違い、シングルダイのクアッドコアで、2MBの共有L3キャッシュが搭載される見込み。
なお、マルチプロセッサ向けの製品にはSocket F+が、ユニプロセッサ向けの製品にはSocket AM2+が採用される見込み。
[編集] Agena
主にPC用途のコードネームで、基本的な仕様はBarcelonaに準ずる。名称は不明だが、一部ではAthlon 64 X4となる可能性があると言われている。
[編集] Agena FX
基本的な仕様はAgenaに準ずるが、Athlon 64 FX-7x同様、Quad FXに対応したもの。現行のAthlon 64 FX相当のラインアップになる見込み。なお、こちらはAgena、Kuma、Rana、Spicaとは違い、Socket F+が採用される見込み。
[編集] Kuma
デュアルコアで、2MBの共有L3キャッシュが搭載され、現行のAthlon 64 X2相当のラインナップ位置になる見込み。
[編集] Rana
基本的にKumaから共有L3キャッシュが除かれたもので、現行のAthlon 64 X2またはSempron相当のラインナップ位置になる見込み。
[編集] Spica
シングルコアでL3キャッシュを持たない。現行のAthlon 64またはSempron相当のラインナップ位置になる見込み。
[編集] 関連項目
AMDのCPUリスト |
---|
生産終了: Am2900, Am29000, Am286, Am386, Am486, Am5x86, K5, K6, K6-2, K6-III, Athlon, Duron, Sempron (Socket A版) 生産中: Athlon 64, Sempron, Athlon 64 FX, Athlon 64 X2, Turion 64, Turion 64 X2, Opteron, Geode 計画中: K8L, K10, Fusion |
カテゴリ: 新製品 | コンピュータ関連のスタブ項目 | マイクロプロセッサ