KS鋼
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KS鋼(けーえすこう、KS steel)は、コバルト・タングステン・クロム・炭素を含む鉄の合金、磁石鋼。
1916年、東北帝国大学の本多光太郎と高木弘によって発明され、それまでの3倍の保磁力を有する世界最強の永久磁石鋼として脚光を浴びる。KSとは、本多らに研究費を給した住友吉左衞門(住友グループの前身・住友総本店店主)のイニシャルである。1931年に東京帝国大学の三島徳七がKS鋼の2倍の保磁力を有するMK鋼を開発し、15年間守り続けた世界最強磁石の座を譲り渡したが、本多らは1933年に再び世界最強となる新KS鋼を発明した。KS鋼の出現から20年余り、日本の磁石は世界最強であり続けたことになる。