Lotus Notes
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Lotus Notes(ロータスノーツ)とは、IBMが発売しているグループウェアソフトパッケージの名称。もともとは、「Lotus 1-2-3」などのアプリケーションで知られていたロータス社が開発・販売していたものであるが、ロータス社のIBMによる買収に伴い、IBMが扱うこととなって現在に至っているものである。
電子メール・掲示板・データベース・スケジュール管理などの機能を備える。大企業・防衛省・自衛隊でも採用・普及しており、特に都市銀行での普及率は100%である。それまではシステムの活用といえば大型コンピュータからの数値データの還元帳票が中心であったのに対し、Lotus Notes では、掲示板機能による非数値データの共有、あるいは電子会議室機能、が特に注目された。
1996年にはWWWベースでのNotesの利用を可能にするNotes 4用のアドオンとして「Web Publisher」がリリースされた。この機能はサーバーの管理するデータをバッチ処理でHTMLに変換するものであったが、この機能はダイナミックにHTMLを生成する方式へ進化し、次バージョンのNotes 4.5からNotes Server本体に統合されたため「Domino」(ドミノ)と名称が変り、現在では「Lotus Notes」がクライアント、「Lotus Domino」がサーバという関係になっている。
Lotus 1-2-3で使われたマクロ言語であるLotus Scriptが利用可能であり、現在で言うところのリッチクライアント的な要素を先進的に持っていた。
Notes/Dominoは、オープンシステム向けのパッケージにもかかわらず、オフコン上のCOBOLアプリケーションと同じように、レガシーマイグレーションの対象になっている。これは、Lotus社が、Microsoftとのシェア争いの中で、Notesを低機能で旧式なグループウェアソフトの段階から、泥縄式の機能拡張をしてしまったがゆえである。
もともとベンダの介入無しにユーザ部門だけでグループウェアシステム構築が出来ることを目的としていた。しかし高度な機能が求められたために、SIerに依存する開発が必要な拡張機能を多く含むようになった。Webブラウザをクライアントソフトとして利用できるサイボウズ Officeや普及率の高いOutLookをクライアントとして利用できActive Directoryとの連携が容易なMicrosoft Exchange Serverが主な競合製品である。このような製品に対し、NotesのPIM機能を限定的に使用できる「Domino Web Access」などの製品も出ている。
現在、稼動しているバージョンの(おおむねR5が多いようだ)サポート期限切れを契機に、6や7へのバージョンアップを行うか、他のシステムへの乗換えを行うか、検討する企業も出てきている。