M-Bahn
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M-Bahn(Magnet-Bahn)は、ドイツで開発された磁気浮上式鉄道である。
[編集] 概要
低速で短距離間の中量軌道輸送を担うために、旧西ドイツで1973年に開発が始まった。1975年には実験線も敷設し、その後トランスラピッドの開発にも加わっているAEG社も開発に加わる。1987年、旧西ベルリン市内のグライスドライエック駅とケンパープラッツ駅の間約1.6kmの実用線を建設を開始。1989年から旅客輸送を始めた(運賃無料、無人運転)。使用された車両は全長12mで車重約9t。最大乗車人数は130人。1991年7月に事業認可を得てベルリン交通局に引き渡された。しかしベルリン再開発のため1992年2月に閉鎖され、路線も撤去される。この間に運んだ旅客数は約300万人。現在車両はGerman Track Inc.の博物館に展示されている。
しかし、実用化に向けた開発・売り込みは続いており、ブラウンシュバイク工科大学のキャンパス内に全周1.3kmの実験線が建設された。日本では神戸製鋼所がAEG社と技術提携を行い、日本国内での売り込みを行っている模様である。
[編集] 構造
浮上は強力な永久磁石による磁気吸引方式。乗客が乗降するたびに車両に加わる荷重が変化するが、永久磁石の場合、浮上力を制御するには、この磁石以外の力で浮上量を変化させる必要がある。M-Bahnでは、軌道に垂直に接する案内車輪により浮上量を変えることで制御している。またこの案内車輪には荷重の一部も加わるため完全非接触ではない。しかし大部分は磁気浮上力で支えるため磁気浮上式鉄道の範疇に入っている。
また推進力は、リニア同期モータ方式で得られる。