PC-DIY
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PC-DIY(ぴーしーでぃーあいわい)は、キルタイムコミュニケーションが発行していた自作パソコンユーザー向けパソコン雑誌。
PC-DIYは1997年11月より季刊でスタートし、後に隔月刊→月刊→隔月刊→月刊と頻繁な刊行スケジュールの変更があった。創刊から約6年間発行され2003年3月末発売のPC-DIY5月号にもって休刊となった。
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[編集] 創刊経緯
国民パソコンとも呼ばれたNECのPC-9800シリーズがDOS/V規格のパソコンに取って代わられ、より安くパソコンを入手するために自作することが認知されつつあった時代に、よりマニアでコアな自作パソコンユーザーのためにPC-DIYが創刊された。 というのは建前で本音は、グループ会社であるマイクロマガジン社(当時はマイクロデザイン)が発行していた「パソコン批評」が広告を掲載しない方針をとっていたため、(発行元である現マイクロマガジン社は、台湾にグループ会社を持っていたこともあったので)当時元気のあった台湾系パソコンパーツメーカーをはじめとするパソコン関連企業の広告出稿を狙って創刊されたのが真相のようである。だが、あまりに貧弱な誌面構成(当初カラーページが8ページ程度しかなかった)や、発行部数の少なさなどが原因でその期待にこたえることはできなかった。
なお、タイトルについては台湾で発行されているパソコン雑誌「PCDIY!」を参考にしたとされている。
[編集] 誌面の特徴
創刊当初は非常にマニアックでテクノロジを重視した誌面構成であったが、創刊当初の技術に詳しいメンバーが続々と去った。そして、編集スタッフが次々と変わっていく中で、パソコンすらまともに触ったことがないスタッフまでも参加せざるを得ない状況になる。そのため誌面内容は次第にテクノロジというよりは、面白おかしくといったものになっていった。その最たるものが、休刊まで続いた「ハイエンド系お笑い自作雑誌」というキャッチフレーズだろう。
また、決められた予算内で目的のPCを自作するという「ビストロDIY」では、当時では考えられない予算設定であったためジャンクパーツや中古パーツを多用した無謀なPCの製作をはじめ、ダンボールやファミリーコンピュータ、はては干物を筐体にした改造PCなど、とても使える代物ではない破天荒な自作パソコンが満載の内容だった。
このほかに、パソコン雑誌としては珍しくマンガの連載があったのも特徴だ。瑠沢るかによる「パソコントラブルマンガ」(単行本:パソトラ)をはじめ、いくつかのマンガの連載があった。ただし、「パソコントラブルマンガ」以外はその質も内容もあまりにレベルが低く、単行本として発売されたのは「パソトラ」だけだった。
[編集] 休刊
人気連載だったパソコントラブルマンガの休載や誌面のマンネリ化などによって発行部数が下がり続けた。そこでグループ雑誌であるパソコン批評のように、本音でパーツを評価する辛口批評などを掲載していくが失地回復には至らなかった。また、部数減少に歯止めがかからず不振が続いている状況であったにもかかわらず、編集部内の不祥事も発生し、売り上げ不振も重なり最終的には休刊に追い込まれることになった。 休刊の原因として、末期にnvidia製品やIntel製品などのメーカーに対する辛口批評が休刊の一因のように語られているがまったくのガセである。編集部へ圧力をかけたメーカーは確かにあったが、それは台湾の某メーカーであり、また休刊には一切関係ない。
[編集] 主だった連載
- ビストロDIY
- パソコントラブルマンガ