Sendmail
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sendmailはUNIXで古くから使われてきたメールサーバソフトウェア。
現在では、ほぼSMTPが標準の座を勝ち取っているが、1980年台から1990年台にかけて、数多くの企業や研究機関により、様々な電子メールプロトコルと、それらを実装した独自仕様の電子メールシステムが乱立していた。 sendmailは、それらの乱立する各種プロトコルを相互変換し、橋渡しする目的で登場したのがはじまりで、電子メールプロトコルよりも底層に位置する通信プロトコルも、現在インターネットの普及により一般的になったTCP/IPだけでなく、パソコン通信が主流であった時代のuucpなど、様々なものに対応している。 また、その柔軟性の代償としてセキュリティーホールが多く見つかっている。
特に設定ファイルが複雑で、通常はまず mc ファイルという m4 マクロ言語で記述してから実際のファイル (cf) を生成する。
その複雑さとセキュリティーホールのできやすさを改善するために、いくつか代替のメールサーバも開発されている。
尚、SendmailにはOpen Source版と商用版があり、商用版ではimap/popサーバを構築することのできる Sendmail Advanced Server という製品がある。
商用版では設定方法にGUIを利用でき、GUI上から設定内容を反映することができる。
柔軟性と引き換えに設定方法の複雑さが増しているため、 商用サポートや商用版により複雑さを取り除くオプションが 用意されているとも言える。
商用版では、メールの送信速度も改善されている。
また、新たにまったく構造を作り直した次世代の sendmail として Sendmail X が開発されていたが、 こちらは Postfix とほぼ同じ構造であるため、存在意義が疑問視されている。
SendmailではMilterAPIをサポートしているため、 Milter APIで作成されたプラグインを容易に利用することができる。
有名なOpenSource Milterとしてはspamassassinが あり、商用Redhat系製品では標準的に用意されている。
スパム対策、ウィルス対策、コンプライアンス対策、メールアーカイブなど、Milterによって実現可能な領域が広がっている。
商用の製品としては Mailstream Managerという製品を 導入することで商用のMilter プラグインを利用できる。