Tcpdump
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tcpdumpとは、コマンドライン上で利用する一般的な計算機ネットワーク調査ツールである。 tcpdumpにより、利用者はコマンドを実行した計算機がつながっているネットワーク上を流れるTCP/IPなどのパケットを横取って、表示させることが出来る。 このプログラムは開発当時にローレンス・バークリー研究所ネットワーク研究グループに所属していたVan Jacobson、Craig Leres、Steven McCanneによって書かれた。
tcpdumpはほとんどのUNIX風オペレーティングシステム上で動作する。 たとえば、BSD系Unix、Solaris、Linux、HP-UX、AIX、Mac OS Xなどで動作する。 これらのシステムでは、tcpdumpはpcapライブラリ上に構築されている。
Windowsにも、WinDumpというソフトウェアがある。 これは、tcpdumpをWindows上で動くようにしたものである。
Unix系オペレーティングシステムやその他の多くのオペレーティングシステムでは、 tcpdumpを使うにはスーパーユーザーになる必要がある。 なぜなら、tcpdumpはプロミスキャス・モードを利用するからである。
tcpdumpを使うときには、 いくつかのフィルターを出力に適応して見ることが出来る。 こうすることで、大量の通信が行われているようなネットワークでもより簡単にパケットの調査をすることができるようになる。
[編集] tcpdumpの主な利用方法
- ネットワーク通信を行うプログラムのデバッグを行うため。
- ネットワーク設定の確認のため。具体的には、必要なルーティングが正確に行われているかを調べ、問題を特定するのに使うことができる。
- 他の利用者や計算機の通信を横取り、表示するため。telnetやHTTPのようなプロトコルはネットワークに平文で情報を流すため、ルーターやゲートウェイの管理者はtcpdumpを用いてログインIDやパスワード、URLなどの様々な情報を得ることが出来る。
[編集] 参考
- WiresharkとはGUIのフロントエンドを持った同様のツールであり、様々なフォーマット、ソート、表示方法に対応している
- EtherealはWiresharkの元になったプログラムである
- snoopはSolaris上で利用できる同様のプログラムである
- Packet sniffer