US-VISIT
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US-VISITとは、アメリカ合衆国政府が2004年1月5日より行っている新たな出入国管理システム。 正式には「US-VISIT(Visitor and Immigrant Status Indicator Technology)プログラム」と呼ばれる。
同プログラムでは査証(ビザ)を所持して米国に入国する渡航者に対し、指紋のスキャン(機械による自動読み取り)や顔写真の撮影による個人情報を含めた出入国手続を行う。
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[編集] 入国管理システム
[編集] 対象者
現在、アメリカに入国する外国人を対象として実施している。 同プログラムにおける審査免除者は:
- A-1, A-2, C-3, G-1, G-2, G-3, G-4, NATO-1, NATO-2, NATO-3, NATO-4, NATO-5, or NATO-6 の各ビザ保持者。
- 14歳未満の子供
- 79歳以上の人々
- 国務大臣又は国土安全省長官により免除された者
- 台湾におけるE-1ビザ保持者
- カナダ国民の一部
- メキシコ国民の一部
となっている。
[編集] 対象となる空港・海港
現在US-VISITプログラムによる入国管理は115の空港、15の海港、及び50の国境管理ポイント(陸路)で実施されている。2005年12月31日までに、全ての陸路における入国ポイントで実施する予定である。
[編集] 入国管理システムの流れ
各空港・海港・国境における入国審査場において、従来通りのパスポートの検査及び質問の際、審査官の指示に従い左人差し指、右人差し指の順番で指紋スキャナーによって指紋のスキャンをする。その後、デジタルカメラによって顔写真が撮られ、終了である。
[編集] 出国管理システム
[編集] 今次試験運用の時期・対象となる空港・海港(2005年10月1日現在)
US-VISITプログラム下における出国管理(指紋スキャン・顔写真撮影)は、9月1日より空港は既に運用されているボルチモア国際空港、シカゴ・オヘア国際空港に加え、アトランタ、ダラス、デンバー、デトロイト、ニューアーク、フィラデルフィア、フェニックス、サンフランシスコ、サンフアン、シアトルの10カ所、海港はロサンゼルスのロングビーチとサンペドロ、及びマイアミ海港の3カ所。
[編集] 同試験運用の対象者
2005年9月1日より、これら15の空港・海港を利用して出国する米国ビザ所持者が対象となり、9月30日からは短期旅行者など、査証免除プログラムにて入国した人が出国する際も対象となる。
[編集] 出国管理システムの流れ
これら15カ所での運用はあくまで試験的であり、8月3日から90日間の試験期間後、米政府が本格運用の決定を行うこととなっているが、当面は以下の3つの内いずれかの方法で出国管理の試験運用がなされる予定。
- 自動端末機のみ
- 航空会社のチェックインカウンター又は端末機によりチェックイン後、空港・海港において金属探知器(TSA Screener)を越えたところに設置してある自動端末機にパスポートを入れる。入国時と同じく左・右の順で両手の人差し指の指紋採取後、顔写真の撮影を行う。データが採取された証拠となるレシートを受け取り、ゲートに向かい搭乗する。
- 端末機+モバイル端末機(US-VISIT係員)
- 上記の手続きの後、搭乗ゲートの前でUS-VISIT係員にレシートを渡し、係員がモバイル機によって両手の人差し指の指紋採取(左・右の順)、本人確認を行う。その後搭乗する。
- モバイル端末機(US-VISIT係員)のみ
- チェックイン後そのまま搭乗ゲートに向かい、ゲートの前でUS-VISIT係員にパスポートを渡し、両手の人差し指の指紋採取(左・右の順)、顔写真撮影を行う。係員からレシートを受け取って搭乗する。