YF-17 (戦闘機)
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YF-17はノースロップのアメリカ空軍の要求に応じて製造した戦闘機。愛称はコブラ(Cobra)。試作のみで制式採用はされなかったが、これを基に、艦載機向けに改良されたF/A-18戦闘攻撃機が開発された。
[編集] 概要
アメリカ空軍は技術研究として軽量戦闘機計画を1971年から開始した。これは、当初は採用を前提としたものではなかった。しかし、F-15戦闘機が高価となったこともあって、アメリカ空軍はF-15のみではなく、軽量・安価の戦闘機も採用する必要が生じ、軽量戦闘機計画において、それを開発することとなった。
軽量戦闘機計画には、航空メーカー各社が応募したが、そのうち、ゼネラル・ダイナミクスの案(YF-16A、後のF-16)とノースロップの案が採用され、両者の競争試作が行われることとなった。
すでにノースロップはF-5など、小型戦闘機の開発経験があった。1960年代末より社内名称P-530モデルを設計・開発を行っており、これが軽量戦闘機計画として本格開発されることとなった。1972年4月に空軍と開発契約および試作機2機の製造契約が結ばれ、YF-17Aの名称が与えられた。
YF-17Aは、双発のジェット戦闘機であり、小型のYJ101-GE-100エンジンを2基搭載している。インテイクは両主翼下にあり、ノズルは機体末端にある。垂直尾翼は2基あるが、その装備位置は、水平尾翼と主翼の間である。主翼の後退角は浅いが、コックピットまでストレーキが伸びている。なお、翼端にはサイドワインダーミサイルが搭載可能である。
1974年6月9日に初飛行を行っている。試験飛行は1975年まで行われたが、競争試作のYF-16Aの採用が決り、制式採用はされなかった。ただし、艦載機向けに改良されたF/A-18戦闘攻撃機が開発され、こちらはアメリカ海軍に採用された。
[編集] 要目
- 全長:16.91m
- 全高:4.41m
- 全幅:10.66m
- エンジン:YJ101-GE-100ターボファンエンジン(推力 6.8t)2基
- 自重:9.5t
- 乗員:1名
- 最大速度:2,120km/h
- 武装:M61 20mm機関銃 1門、空対空ミサイル 2発