いかづち型護衛艦

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いかづち型護衛艦
要目
基準排水量	1,070t（「いなづま」1,075トン）
全長	88m
全幅	8.7m
吃水	m
深さ	5.4m
機関	ディーゼル2基	12,000hp
最大速力	2軸推進 26ノット
乗員	160名
武装	54式3インチ単装砲	2門
	Mk.1 40mm連装機関砲	2基
	ヘッジホッグ	1基
	対潜爆雷投射機（K砲）	8基
	爆雷投下軌条	2条

いかづち型護衛艦（-がたごえいかん）は護衛艦あけぼのと共に、日本が第2次大戦後初めて建造した乙型警備艦（のち護衛艦、DE）である。艦名は「いかづち」「いなづま」共に初代であり、2代目についてはむらさめ型護衛艦を参照のこと。

[編集] 概要

海上自衛隊の前身である警備隊は1953年度計画に於いて、初の国産艦艇新造計画を立案した。警備艦は甲型（はるかぜ型護衛艦）2隻に加え、これに準ずる乙型3隻を計上。設計に当たっては旧海軍の甲型海防艦及び鴻型水雷艇をタイプシップとしたが、比較検討のため全て同型艦とはされず、主機として「あけぼの」には蒸気タービン、いかづち型2隻にはディーゼルをそれぞれ採用した。

いかづち型のディーゼルは12,000馬力で26ノットを発揮する、当時海外でも例を見ない高出力・中速機であり、1番艦には三菱重工製、2番艦には三井造船製のものをそれぞれ搭載した。航続距離や重量・容積、省力性などでも「あけぼの」のタービン主機に優り、以後のDEはディーゼル推進艦として建造されることとなった。「あけぼの」に比べると煙突が一本化され、ディーゼルの防振対策を施すなどの相違点がある。

その他の装備は「あけぼの」とほとんど同様であり、兵装は対潜用にヘッジホッグと爆雷、対空・対水上用には3インチ両用砲と40ミリ機銃を搭載。はるかぜ型の縮小版とも言うべき内容であり、基本的に大戦型フリゲートの域を出るものではなかった。

[編集] 運用

2番艦「いなづま」は1956年3月5日に竣工し、戦後の国産護衛艦（警備艦）では最初の就役となった。両艦とも59年に特別改装工事を施されたが、内容は「あけぼの」とほとんど同様だった。3インチ砲を速射砲に換装し、40ミリ機銃と爆雷兵装を半減。ソナーや射撃指揮装置も更新された。

60年6月4日、津軽海峡で対潜訓練中の「いなづま」に「あけぼの」が衝突、艦橋を破損し「いなづま」の乗員2名が死亡、2名が負傷する事故を起こしている。海自の事故調査委員会によれば、原因は「あけぼの」の操艦ミスであった。さらに翌5日、函館で入渠修理中の「いなづま」でガソリンが爆発、乗員3名が死亡、乗員4名とドック従業員2名が負傷した。

その後両艦とも老朽化に伴い支援船籍の保管船（いわゆる予備艦）に種別変更され、83年に揃って除籍された。