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『いのちの現場から』(いのちのげんばから)は、1992年からMBS制作のTBS系で不定期に放送されている昼ドラマ(ドラマ30)のシリーズである。放送時間は毎週月曜日~金曜日の13:30~14:00(JST)。
主演は中村玉緒。原作は、元慶應義塾大学病院の婦長(当時)を務めた江川晴の同名書籍。ドラマ30の記念すべき第1作目となった。
[編集] 概要
患者や看護師、医師からも絶大なる信頼が寄せられる看護師長・杉原園絵(中村玉緒)が、真田総合病院を舞台に様々な医療問題や患者の問題に取り組み解決していく。園絵は第7シリーズをもって真田総合病院を退職したが、高間病院に再就職し看護部長を勤める。看護・医療とは何かを問いかける人気ドラマシリーズとなった。
2001年12月、第7シリーズまでの脚本を担当していた鴨井達比古氏の逝去により『いのちの現場から』のシリーズとしては第7シリーズで終了した(シリーズ途中から鴨井氏の愛弟子・鍋島久美子氏も共同で脚本を執筆したが第7シリーズを以って降板)が、2004年3月から『新・いのちの現場から』として新しいエピソードが放送された。脚本は中村が以前出演した連続テレビ小説「すずらん」を書いた清水有生氏が担当し、これまでの登場人物の設定は忠実に引き継がれた。続編で2006年4月3日から放送された通算9作目にあたる「新・いのちの現場から2」も、清水有生氏が脚本を担当。
第1~7シリーズでは、各シリーズ4人前後の患者に焦点を当て、各患者が交錯する形で描かれた。 「新・いのち-」では1週完結方式を採りながらも患者間のコミュニケーションも描かれるというシリーズの伝統も踏襲された。なお、このシリーズでの"お約束"として、主任看護師が、同じシリーズ中に(一部を除いて)それぞれ何らかの理由を抱える形で交代していった。「新・いのち-」でも最終回で、坂本杏子が産休に入るのに伴い、吉住篤子が主任代理として交代する場面があった。
[編集] キャスト
[編集] 『いのちの現場から』『新・いのちの現場から』共通キャスト
- 杉原園絵(中村玉緒) - 元・真田総合病院総婦長、高間病院看護部長、春風診療所所長、明和大学付属看護学校講師。
- 看護師や患者、医者から絶大なる信頼を寄せられる「伝説のナース」と呼ばれる看護師。実兄を看取った看護婦の姿にあこがれ看護師に。関東医大看護師時代に同じ職場の医師・佐藤晋吾と交際、結婚を誓い 合うも、周囲の反対により別れることに。その後教師と結婚し娘もいたが、家庭と仕事の両立に失敗し離婚、白衣を着るという選択を取る。元・関東医大の医師・真田と共に「真田総合病院」の創設に参画、初代(・第3代)総婦長となる。
- 『いのちの現場から』第5シリーズより新人看護師として登場。大きな体で食欲旺盛。結婚したがすぐに離婚。
- 光石大輔(鴈龍太郎) - 元・真田総合病院夜勤医、高間病院外科医。
- 「国境なき医師団」のメンバーでもある。元々内科医だったが、戦場での手術経験も豊富で外科医としての資質もあり、「新いのち - 1」では外科医として登場、「新いのち - 2」では渡航先で地雷に被爆。左目を失明などし、医師生命を絶たれそうだったときに園絵に救われ、春風診療所で勤めだす。
- 自分の執刀で妻を死なせてしまったという過去があり、一線を退いた時期があるが第4シリーズで外科部長に就任。心臓外科を専門とする外科医。第3シリーズまでは真田病院の看護婦の溜まり場「クラブ・エンジェル(※)」のマスターだった。「新・いのち - 2」で、脳梗塞で半身麻痺になった際に春風診療所に介護申請をしたのをきっかけに園絵と再会する。(※:「クラブ・エンジェル」は、「新いのち - 2」で登場した介護センター「エンジェル」とは一切関係ない)
[編集] 『いのちの現場から』シリーズに出演していたキャスト
- 広岡久美(吉本真由み) - 真田総合病院院長・小児科部長。
- 真田総合病院の前院長(高松英郎)の娘であり小児科医。まだ若く、それ故病院運営の手腕を問われる。
- 院長・広岡久美の夫。合理的な経営を目指しており、院長の久美とはまた折り合いも悪く離婚の噂が常に流れている。
- 第6シリーズで病院を去る。
- 三田村隆(楠年明) - 真田総合病院内科部長。
- 橘喜美夫(松浦達也) - 真田総合病院内科医。
- 三輪悌一(沖田さとし) - 真田総合病院心療内科医。
- 真田総合病院の心療内科医。患者や看護婦のメンタル面でのバックアップにつとめる。
- 大久保早苗(徳田尚美) - 真田総合病院3階混合病棟元看護主任。3階混合病棟では唯一、子持ちの看護婦でもある。配置転換により別のセクションへ。
- 水木悦子(飯島順子) - 真田総合病院救急外来看護主任。
- 元は3階混合病棟の看護師。
- 小泉理絵(秋本奈緒美) - 真田総合病院3階混合病棟元看護主任。辞職し神戸の病院へ。
- 北見涼子(辻沢杏子) - 真田総合病院3階混合病棟看護主任。
- 末期癌でホスピスに入っていたが、奇跡的に癌が消えて真田総合病院に復帰。
- 上田(旧姓:瀬木)ひろみ(石塚さと子) - 真田総合病院3階混合病棟看護師。
- 関西出身。病院でも関西弁を話す。看護師として10年近く経験を積む。第4シリーズで婚約、第5シリーズで姓がかわった。仕事と家庭の両立に悩んだこともある。
- 宋春恵(魏涼子) - 真田総合病院3階混合病棟看護師。
- 中国人三世。興奮すると中国語が出てくることもある。医師との不倫経験があった。
[編集] 『新・いのちの現場から』シリーズに出演していたキャスト
- アフガニスタンで診療所作りに携わっていた。
- 高間由希子(大島さと子) - 高間病院内科・小児科医。
- 高間良介の娘。病院のルールに則って仕事をするのが信条だが、段々と変化が・・・。
- 岩本(旧姓:坂本)杏子(中島ひろ子) - 元高間病院看護師主任、春風診療所看護師。
- 高間病院時代は次期看護部長と目されたが、園絵の登場により看護部長のポスト就けずに反発してたがやがて理解し、入院患者と後に結婚。出産した子供に、(園絵から一字採り)「絵(カイ)」と名づけるくらい園絵を尊敬している。出産から2年後、春風訪問看護センターに職場復帰する。
- 吉住篤子(川俣しのぶ) - 高間病院非常勤看護師。
- 大学病院に勤めていた経験もあるが、夫の仕事の都合で非常勤職に。夫を肺癌で亡くす。
- 看護師をしているのはお金をためてイタリアンレストランを開くためだと言って憚らない。
- 「コバンザメ」という影のあだ名をつけられている。主任の坂本杏子にベッタリだから、らしい。
- 唯一男性の看護師。言葉は女っぽい。
- 音大を出て看護師になったという異色の経歴を持つ。新人ゆえ、ミスも多い。
- 大学病院でも診療に当たっている。週に2,3度高間病院で外来診察を受け持っている。
[編集] 『新・いのちの現場から2』に出演していたキャスト
- 佐藤卓郎(山田純大) - 春風訪問看護センター外科医。
- 父親への反発から関東医科大学付属病院の医長のポストを蹴って、友人の桜沢家に転がり込み酒浸りの日々を送る。成り行きで訪問看護センターの医師として働くが、時に患者に冷たい態度を取ったりする。
- 佐藤晋吾(近藤正臣) - 関東医科大学付属病院医師連合会副院長。
[編集] ドラマの歴史
※シリーズのナンバリングで、いのちの現場から (2)といのちの現場から (3)は正式にはローマ数字(Ⅱ,Ⅲ)で表記されている。
いのちの現場から (1) |
1992年4月6日~1992年5月29日 |
最終回で杉原園絵(中村玉緒)が一旦真田総合病院を自主退職。 |
いのちの現場から (2) |
1994年1月31日~1994年3月25日 |
前院長がグリオーマ(神経芽腫)で死去。前院長の生前の遺志により、園絵が真田総合病院に復帰。 |
いのちの現場から (3) |
1995年10月2日~1995年11月24日 |
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いのちの現場から (4) |
1996年12月2日~1997年1月31日 |
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いのちの現場から (5) |
1998年3月30日~1998年5月29日 |
園絵の親友で、光石大輔(鴈龍太郎)の実母である辻綾子が脳幹グリオーマで死去。光石大輔初登場。 |
いのちの現場から (6) |
1999年9月27日~1999年11月26日 |
外部から来た新院長に園絵がリストラされそうになるが大半のナースの反発によりリストラを免れる。その後院長は失脚、再び広岡久美が院長に。 |
いのちの現場から (7) |
2001年5月25日~2001年7月27日 |
このシリーズをもって『いのちの現場から』シリーズは一旦終了。 |
新・いのちの現場から |
2004年3月29日~2004年5月28日 |
通算8作目。真田総合病院を定年退職後に、高間良介(石田太郎)と出会い、高間病院の看護部長として再就職。 |
新・いのちの現場から2 |
2006年4月3日~2006年5月26日 |
通算9作目。園絵は改革を成し遂げた高間病院を退職し、看護学校の講師に。そこに高間良介から訪問看護センターを紹介される。※ハイビジョン番組 |
[編集] 外部リンク
MBS・CBC ドラマ30 |
前番組 |
いのちの現場から |
次番組 |
13:30 命みじかくⅢ(妻そして女シリーズ 最終シリーズ)
13:45 愛らぶ家族 ~我が家のジグソーパズル~(CBC連続ドラマ 最終シリーズ) |
許されぬ唄 |