アシュラム
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アシュラム(新王国暦484年 - )は、水野良のファンタジー小説『ロードス島戦記』・『黒衣の騎士』などに登場する架空の人物。マーモ帝国の暗黒騎士。"黒衣の騎士" "黒衣の将軍"などの異名で呼ばれる。
または、インドのヒンズー教の僧院(宿泊施設を備えた物も多い)。
[編集] 経歴
ロードス島アラニア王国の貴族の出自であるが、父が政争に敗れたため一族とともに暗黒の島マーモへ流刑となる。生存競争の厳しいマーモで父母は早くに亡くなり、幼少期を過ごしたダークタウンでは少年ギャングを組織し、そのリーダーとなることで生き残る術を身に付けた。
新王国暦499年、サルバドの評議会の傭兵となっていた折、マーモ帝国を建国途上にあったベルドと戦い、敗れて後これに従う。マーモ帝国の建国後は暗黒騎士、近衛騎士隊長となり、「影纏い(シャドウ・ウィルダー)」という黒い鎧を装備していたことから"黒衣の騎士"と畏怖された。その剣技は自由騎士パーンをして「三撃目まで受け止められれば一流の戦士」と評されたほどに鋭く容赦ないものであった。事実OVAロードス島戦記では一つの砦を預かる騎士隊長の騎乗しての突撃を全く問題にせず、一合にも及ばずこれを斬り捨てている。
皇帝ベルドに心酔しており、英雄戦争でベルドが倒れた傍らにおり、ベルドの所持する魔剣「魂砕き(ソウルクラッシュ)」を引き継ぐ(これ以降は外見上、年を取らなくなる)。英雄戦争以後は暗黒騎士団でも群を抜く存在として"黒衣の将軍"と呼ばれ、最終的に騎士団を代表してマーモ評議会の一員となった。カノンの領土化、「太守の秘宝」探索などマーモの覇権確立のため尽力するが、怨敵カシュー、自由騎士パーンらによってそのことごとくを阻まれる。
邪神戦争末期のマーモ帝国崩壊の際は、滅亡寸前のマーモ帝国になおも忠誠を誓う人々を率いて、暗黒の民を受け入れてくれる新天地を求めて大海に脱出した。
後にクリスタニアへ漂着、神獣王バルバスと契約を交わし、クリスタニア入植の交換条件としてその魂を体内に受け入れる。それ以来アシュラムの魂は、神獣王バルバスの魂と身体の支配権を巡って今に至るまで数百年にわたり戦い続けており、その間年老いることなく眠り続けている。 暗黒の民(マーモの人々の末裔)からは"漂流王"と呼ばれ、途中で一時的に覚醒したバルバスは"神王"を名乗った。