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フォーセリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フォーセリアは、ファンタジー小説・ロールプレイングゲームの『ロードス島戦記』、『ソード・ワールド』、『クリスタニア』の舞台となる架空の世界。翻訳作品ではない日本国産の正統的な中世ヨーロッパ風ファンタジー世界としては、国内最大級の設定規模を持つシェアード・ワールド(共有世界)でもある。

水野良が『ロードス島戦記』発表時に、それまで温めていた世界を公表したもので、『ロードス島戦記』の源流となった『ダンジョンズ&ドラゴンズ (Dungeons & Dragons) 』や、さらにその源流となった『指輪物語』、また『ルーンクエスト』の背景世界であるグローランサの世界像を強く受け継いでいる。現在も水野良やグループSNEのメンバーによって設定が追加、拡張されている[1][2]

目次

[編集] 世界概略

フォーセリアは、「始源の巨人」の骸(混沌)を基にして神々によって創造された「精霊界」「物質界」「妖精界」等から成る世界であり、その残滓である混沌界に浮かぶ小島とも例えられる。

最初に創造されたのが「精霊界」で、混沌の中から地水火風の四大元素を始めとする様々な自然現象の基になる精霊力が選り分けられ、それを制御する精霊が創造され住んでいる。

次に創造されたのが物質界で、現在人間の住む「人間界」と呼ばれる世界は元々神々が住む為に作られた特別な場所と言われる。その為「神々の大戦」では主戦場となり、戦いの過程で他の世界から様々な種族が召喚され、他に類を見ない多種多様な種族が住むようになったとされる。

他の物質界の研究は主に古代王国時代に盛んに行われ、ファラリスに従う者達が住む「魔界」が発見されている。また「星界」の存在もこの時代に確認されており、強力な破壊魔法として知られる「メテオ・ストライク」の魔法は、「星界」から隕石を呼び寄せる召喚魔法の一種である。ただ共に魔法王国時代の政争によって発見者が処刑されており、殊に「星界」の研究は以後禁忌とされてしまっている。他にも各教団は死後の世界として「冥界」の存在を説いており、代表的なものとしてはマイリー教団の「喜びの野」、チャ・ザ教団の「至福の島」などがある。それら幾つもの世界をラーダが統べるとされる「星界」が取り囲んで物質界を構成しているとされている[3]。この他にも知られていない物質界が存在すると考えられており、代表的な例としては「魔界」と対になるファリスに従う者達が住む「天界」や、「神々の大戦」で竜族が”召還”されたと伝えられている事から、竜族だけが住む物質界も存在するのではないかと考えられている。

最後に「精霊界」の様々な力が「物質界」に届くように、その仲介となる「妖精界」が作られたとされる。エルフやドワーフ・グラスランナーなどは、元々この「妖精界」の住人であり、「神々の大戦」の時に物質界に召還されている。また「夢幻界」と呼ばれる世界もあり、混沌界と同じ意味なのかどうかで意見が分かれている。

大地は地球のような球体ではなく正方形をした平面であり、その4つの頂点はそれぞれ東西南北を差しているとされる。ただし、理由は解説されていないが地平線は存在する。北に氷の門(あるいは大地の門)、南に炎の門、東に風の門があり、険しい気象条件や精霊力によって扉を閉ざしているが、唯一西の水の門だけは閉じられておらず、水が滝となって零れ落ちているとされている。この水の流れが時の流れを作っている。一方、クリスタニアはこの不完全であった世界から一つの大陸を隔離することで、完全な世界を作ろうとしたものである。クリスタニアの世界にとって「時間」という概念は存在せず、歴史はあらかじめ決まっているもの、繰り返すものであり(これを「周期」という)、人々は神の定めた周期に従って生きていた。しかし、紆余曲折の末にこの周期は作中で終わりを告げている[4]

世界設定の根底に流れる世界観は、国々の設定の多くに中世ヨーロッパ風のイメージを取り入れながらも善悪二元論で語られることは少なく、むしろ陰陽思想に近い。フォーセリアで最終的に越えるべき障害として立ちはだかるものは、パワーバランスが「善悪」や「秩序と混沌」、またはそれ以外であっても、ある一方に偏ったときに出現している。これに対抗する思想がロードス島戦記に登場するカーラに代表される。これについては、カーラ (ロードス島戦記)を参照のこと。

[編集] 地理

文章中に東西南北などの表現がみられるが、フォーセリアにおいて気候風土はその土地でより強く影響を及ぼしている精霊によって様々である。

[編集] アレクラスト大陸

ソード・ワールドの中心舞台。フォーセリア世界の北部に位置する。世界で最も広大な大陸。古代魔法王国の中心地でもあった。その広さからほぼ7つの地域(東から「極東地方」「北東地方」「無の砂漠」「南部地方」「中部地方」「中原地方」「西部諸国」)に分けられる。無の砂漠を除外し、中原地方を北部と南部に分ける数え方もある[5]

[編集] 中原地方

アレクラスト大陸の中央部からやや西よりに位置する地域。北東部は遠く無の砂漠へと続き、南東部は巨大な湖であるエア湖と接する。中原で最も南部に位置するロマールには「自由人たちの街道」が通っており、東部は中部地方のザインと、西部は西部諸国のベルダインと繋がっている。ロマールからは北部にむかって「いにしえの街道」が伸びており、順にファンドリア、オーファン、ラムリアースと結んでいる。また、オーファンからはヤスガルン山脈とクロスノー山脈の間を抜けるように西部諸国のタイデルと結ぶ道も存在するが、これは冬の間は閉ざされて使用することができない。北部と南部に分ける場合は、それぞれオーファンとラムリアースが北部、ロマールとファンドリアが南部に分類される[6]

オーファン王国
王都はファン、王城はシーダー、現国王は建国王リジャール、騎士団は鉄の槍騎士団。
アレクラスト大陸中原地方の北部に位置する王国。新王国暦500年に、冒険者出身で邪竜クリシュを倒した「竜殺し」リジャールによって建国され、以来「剣の国」と称せられる。新王国暦494年まで存在した「ファン王国」の継承国家であるが、南部地方がファンドリア王国として分立したために継承したのはファンの領土の北半分に留まっている。
ファンドリア王国
王都はファンドリア、王城はスカイリフター、現国王はテイラーII世、騎士団の名は月桂樹騎士団。
中原地方の中央に位置し、大陸で唯一ファラリス教を公認しているため「混沌の国」とも称せられる。新王国暦494年にティラーⅠ世が貿易商ギルド、盗賊ギルド、ファラリス勢力などの有力組織によって擁立され建国。ファンドリアが建国を宣言した新王国暦494年をファン王国の滅亡年としている。
現在でも強力な王権が存在せず、国政の実権はファラリス教団と暗殺者ギルドに握られており、王権強化を志した前国王は変死を遂げている。
ロマール王国
王都はロマール、王城はウインドライダー、現国王はアスナーII世、騎士団は隼騎士団と白鳥騎士団。他に禿鷹の傭兵隊と燕の傭兵隊がある。
アレクラスト大陸中原地方南部に位置する王国。当初は大国に囲まれた都市国家に過ぎなかったが、新王国暦500年代、現国王で獅子王と渾名されたアスナーII世の時代に軍事大国レイド帝国を吸収(レイド併合)して、急速に強大化した。
王都ロマールは、東西に「自由人の街道」北から「古の街道」南から「夏への街道」が交わる交通の要衝に位置し、「旅人たちの王国」「十字路の王国」の通称がある。その為古くから交易が盛んで、盗賊ギルドが支配する「闇市」は”手に入らない物は無い”とさえ言われるほどで、実際に金次第でどんなに違法なものでも手に入る。またその潤沢な資金により、この街の盗賊ギルドはアレクラスト最大規模を誇っており、国内国外に強い影響力を及ぼしている。
国名など多くの部分でローマ帝国を設定の原点にしており、闘技場における剣闘士奴隷の存在はその最たるものである。
ラムリアース王国
王都ライナス、王城グレイ・フォレスト、第16代国王フレアホーン(「ワールドガイド」では第27代)。騎士団は魔法騎士団と白蹄騎士団。新王国暦7年に建国されて以来存続しているアレクラスト大陸最古の王国で、国名は古代王国の言葉で「森」を意味する。
初代国王リチャード・アレスタスは古代王国の出身と伝えられ、「剣の時代」にあって建国時から一貫して古代語魔法の伝統を受け継ぎ、「魔法王国」の異名を持つ。ラムリアースの「賢者の学院」は、マナ・ライによって魔術師ギルドが創設されるまでは、アレクラスト大陸唯一の魔法研究機関であった。また魔法が盛んであることから、都市部を中心にラーダ神の信徒が多いのも特徴。
「ユニコーンの国」との異称もあり、「一角獣(ユニコーン)の森」にはユニコーンやドルイド達が住み、優秀な兵士(レンジャー)によって構成された約100名ほどの森林衛士隊が常時守りに就いている。また魔精霊「アトン」が出現した無の砂漠(古代王国時代の王都フリーオン跡)が隣接している。「一角獣の森」のドルイドには昔から優秀なシャーマンが多く、古代王国時代末期には邪宗として弾圧されながらも、早くから精霊都市フリーオンの危険に気付き、度々警告を発していた。
過去に隣国ファン王国の侵攻を受け、その後継国家のうち憎悪の対象であった暗黒騎士団を継承したファンドリア王国とは現在も対立関係にあるが、そのファンドリアと対立関係にあるもう一方のオーファン王国とは友好関係を維持している(正確には「相互不可侵」の関係)。

[編集] 中部地方

中部地方は、新王国暦300年代に整備された「自由人たちの街道」によって東部地方と西部地方が結ばれてから、街道沿いに誕生・発展した地域である。よって、東西の文明圏が交じり合い、言語もこの地方が分岐点となる。西方語圏のザインは西のロマールと接し、東方語圏のエレミアは東のオランと接する。

ザイン王国
王都はザイン、王城はシャイニングトライデント、現国王は第4代ゼウヌス、騎士団は雷魚騎士団。
北部にアレクラスト最大の湖であるエア湖があり、「湖岸の王国」との異名を持つ。主産業は農業。前身は新王国暦490年に邪竜クリシュによって滅ぼされたモラーナ王国。ガメル銀貨を発明したガメル伯爵は、モラーナ王国の大臣であった。また、オーファンのリジャールの王妃メレーテもモラーナ王家の出身である。国内にモラーナ王国再興を望む一派を抱えていたため、『湖岸の国の魔法戦士』で和解が成立するまでオーファンとの仲は必ずしもよくはなかった。
エレミア王国
王都はエレミア、王城はバーニングアイアン(出典:「ワールドガイド」)、現国王は第11代サニトークIII世、騎士団は角笛騎士団。
「職人たちの王国」と呼ばれるとおり、商工業の発展した国である。北部は「悪意の砂漠」との異名を持つカーン砂漠と接している。大きな港を持ち海洋貿易も盛んで、一部はロードス島とも交易を行っている。建物や衣服、王家の歴史などにアラビアン・ナイトからの影響を想起させる設定を持つ。

[編集] 北東地方

ロドーリル王国
王都はチェイス、王城はサンダークラップ、現国王は第14代ジューネIV世(女王)、騎士団は鉄の鎚騎士団。
周囲をバヤン山脈・マスラウム山脈・エストン山脈に囲まれた盆地に位置し、寒暖の差が激しく、農業には厳しい土地柄となっている。
「女王の国」と呼ばれるほどの国民の「絶対的な忠誠」を背景に現女王の即位と共に領土拡張を推し進め、瞬く間にファノン王国を始め周辺の小国を征服、「戦争王国」とも称せられる。その後十年かかって城塞都市プリシスを手中にした。これによりオラン・ミラルゴと国境を接することとなり、両国への脅威となっている。
度重なる対外侵略は街道の名前にも影響し、プリシスに至る「麦の街道」は「白刃の街道」に、バイカルに至る「青の街道」は「ひび割れし街道」へと名前を変えた。現女王は魔法を異様に嫌い、魔法の使用を禁止している。
現在は領土拡大の侵略が限界に達し、プリシスを侵略した鮮血の将軍(ヒュード)が率いる軍勢がオラン・ミラルゴ連合軍に大敗し、女王(ジューネ)がプリシスを開放を宣言、鮮血の将軍(ヒュード)の首を敗戦の証として差し出しミラルゴ・オランと不戦条約を結んだ。北のバイカルからも軍を撤退。
バイカル
王都はボリス、王城はシルバーホエール、現王は第11代スノーリクII世、騎士団は銀鮫騎士団。
アレクラスト大陸の最北に位置する多数の部族からなる連合国家。「海賊王国」とも「海の国」とも呼ばれる。実質的な権力は、バイカル最大の部族の長で「海賊王」とも呼ばれるギアースが握っている。
プリシス
同名の都市国家で、王城はアンバーキャッスル、最後の国王は第14代セファイル、騎士団は琥珀の騎士団
10年余りに渡ってロドーリルの侵攻を退けてきた「城塞都市」だったが、迎撃戦を主導していた“指し手”ルキアルが新王国暦519年に突然のロマールに招聘され、残されたセファイル王やマイリーの高司祭"砕ける事なき"ロンドバーグの奮戦も虚しく、ロドーリルに征服されてしまった。その後、ロドリールがミラルゴ・オラン連合軍に敗れた事で開放される。
ロドリール占領下からの解放後、王族が滅んで有力市民達が評議会を組織し自治都市を宣言する。初代元首として“指し手”ルキアルがプリシスに戻り元首に就任した。

[編集] 南部地方

現在はオラン王国しかないため、オラン地方とする呼び方もある。

オラン王国
王都はオラン、王城はエイトサークル、現国王はカイアルタードVII世、騎士団は車輪の騎士団。
魔術師ギルドを創設したマナ・ライ師、「自由人たちの街道」の建設を主導したパルマー・ローリ等、著名な賢者を数多く排出し「賢者の国」とも称せられる。

[編集] 極東地方

聖王国アノス
王都はファーズ、王城はホーリーハンマー、現国王は法王レファルドIV世、騎士団は光の騎士団。
住人の大多数がファリス信者で、実質的にファリス教団による国家「聖王国」とも称せられる。なお、この国の盗賊ギルドを「友愛団」と呼ぶのは、公式には認められていない。
ミラルゴ
王都はグラード、王城はグレートプレーン、現国王は第13代クーナ(ジャーバ族出身)、騎士団は鉄の蹄騎士団。
遊牧民の諸部族による連合国家で、会議によって王を選出する草原の国。部族同士の争いは「戦い」と呼ばれが実態は一種の模擬試合で、国外への領土的野心もほとんど無い平和な国であったが、プリシス陥落によりロドーリルと国境を接することになった。
ムディール
王都はムディール(孔雀羽の都)、王城は青竜城、現国王は第21代ティン、騎士団は虎の牙騎士団。
アレクラスト大陸極東部東端に位置し「最果ての国」と称せられるが、その異称から受けるイメージとは裏腹に、大陸南岸の諸都市を中心とした交易で栄える人口120万人を擁する極東の大国。王都の別名「孔雀羽の都」は、街の建物の多くが派手な原色に塗られていることに由来し、彩色だけでなく装飾にも凝った建物が多く見らる。内陸部では小麦を中心とする農業が盛んで、他に絹や木綿の織物を特産とする。(中世の中国のイメージが強いと思われる)
交易には主にガレー船が使われ、この国の武装商船は勇猛さで鳴るバイカルの海賊すら手出しをためらうほどだと云われ、実際に海賊被害は少ないらしい。交易相手は大陸全土はもちろん、イーストエンドにまで広がっている。港湾都市クォンにはチャ・ザ教団の本拠地(大神殿)があり、「万物を計る」ダーベルチェイスが最高司祭を務めている。また北部には古代王国時代の幻覚都市「マーラ・アジャニス」が眠る「妖魔の森」が存在する。

[編集] 西部諸国

文化面では大陸で最も先進的な地域であるとされ、10の都市国家が存在することから「10の子供たち(テン・チルドレン)」と呼ばれている。 この呼び名は、東の大国などから小国であることを揶揄する意味で使われだしたが、現在では一般的な通称として定着しており、当初の蔑称的な意味合いは希薄になっている。 東隣の中原での状況(ファン王国の滅亡とファンドリア・オーファンの建国、ロマールのレイド併合)から、新王国暦500年のタイデルの盟約によって、東の大国に対する同盟関係を結んでいる。 ただし、軍事面は総じて貧弱であるため、実際には10国併せたところで東の大国(オーファンやロマール)の武力には遠く及ばない。

ベルダイン王国
現国王はブラウン・ハディス、騎士団は真紅の星騎士団(ベルダイン城の形に由来する)。
王国暦430年のコリア湾沖地震後に建設された新市街と、それ以前からの旧市街(港湾部)とで「親子都市」と呼ばれる。
コリア湾に面し、比較的温暖で冬でも雪は殆ど降らず、農業と牧畜が主産業。しかし都市部では商業が盛んで西部諸国中最大の経済力を誇ると共に、「芸術の街」と異称されるほど芸術も盛んである。芸術の神ヴェーナーの信者が多い。
ガルガライス
王城はガルガライス城(海岸から1キロ沖合いの小島にあり、日に2回の干潮時だけ陸路が出現する)、現領主は黒真珠の女王ベイブリス。
コリア湾の東岸に位置し真珠漁とオリーブを始め農業が主産業で、海路を用いた東の国との交易も盛んに行われている。一年中真夏のような気候のため「終わりなき夏の街」と呼ばれる。海に面した傾斜地に村がそのまま巨大化したかのような外観で、50m幅のメインストリートが放射状に配置されている。
ガルガライスでは健康的な肉体を晒すことはごく自然なことと考えられ、他国でもよほど寒くない限りは出来るだけ肌を晒す服装を好む事で知られる。
ザーン
現国王はギャスクV世。
西部域最小の王国であるが、オパール鉱山の跡地を利用した「岩の街」と呼ばれる城塞都市であり、西部域最大の防衛力を有するとされる。
特産のワインを中心にした農業と牧畜の国。街の南側の岩壁に建国の女王ナイアフェスの上半身が彫られており、ちょうど冠に当たる部分が王族の居住部分となっている。また街の最上部には「空中庭園」と呼ばれる上流階級だけが入れる庭がある。
この街の盗賊ギルドは規模が小いならがも国内での影響力は大きく、隣国ドレックノールの盗賊ギルドの侵攻を度々受けているが、いまだ独立を守っている。
ドレックノール
現国王はショルスIX世であるが、実質上の支配者は盗賊ギルドのギルドマスターのドルコン。
コリア湾に面するシエント川の河口に位置し、比較的温暖で冬でも雪は殆ど降らず、輸入品を扱う商業と漁業が主産業。
都市は河口の三角州の中にあり、住人の一割が盗賊ギルドの構成員だとも言われており、盗賊ギルドが事実上の支配権を握っている事から「盗賊都市」と呼ばれる。また盗賊ギルドに保護料さえ払えば、闇司祭やダークエルフも居住することが可能と言われる。また西部域のみならず大陸でもロマールに次ぐ規模を誇る盗賊ギルドは、ドレックノールの尖兵として他国で勝手に活動する事があり、他の盗賊ギルドからは警戒されることが多く、隣国ザーンの盗賊ギルドとは明確に対立している。
リファール
現領主はリュキアン・ラジール王女(リファールでは「女王」は王の夫人に当たるため、領主になっても独身の間は王女を名乗る)。
サイモーン王国を崩壊させたダッカ・ラジールによって建国され、楽観的な住民気質から外敵に備えた城壁を作らず、他国からは少なからず嘲笑を込めて「夢見る都」と呼ばれている。
西部域のほぼ中央に位置し、シエント河中流に川を挟む形で街が形成され、気候的に農業や牧畜に適しており、街の西地区を中心に染物,陶器,金属細工,革細工などの二次産業が発展している。そのため商業の神チャ・ザに入信している者が多く、事実上の国教の地位を得ている。
騎士団は数こそ40人しかいないが西部域最強との呼び声が高く、軍全体が少数精鋭で編成されている。兵数の少なさは冒険者、傭兵などから構成されるフリーガードと呼ばれる巡回守備隊を組織することによって補完している。
現領主のリュキアン・ラジール王女は、その美貌と優しい性格から国民の人気は非常に高いが、優柔不断な性格のため政治には不向きで、既に老境にさしかかった大蔵大臣ピド・オレイアスが治世を補佐している。また適齢期に達した王女の結婚話は西部諸国全体の話題になっている。北のコーバとの間で領土紛争が存在している。
ラバン
現領主はフォルク・ブリード(「女たらし」の異名があり、独身ながら隠し子10人以上と噂される。ただ国民の評判は悪くない)。
王国暦379年の建国で、西部諸国内でも歴史の最も浅い国ゆえ「新しき街」と呼ばれる。農業と牧畜が盛んな国で、名馬の産地として有名。
約150年前にサイモーン王国の無能王マバーロIII世が、巨大な地下迷宮を作るために平原だった地に人を集めた事に由来する。そのため、高度な石工技術を有する西部域最大の石工ギルドがある。
タイデル
現国王はアルバスIV世。
ヤスガルン山脈とクロスノー山脈の間に位置し、西部諸国で最大の国土と軍事力を誇り、軍事・政治面では西部諸国の中核的存在。
農業と牧畜が盛んであるが、中原地方と西部諸国との結節点でもある交通の要衝で、必然的に交易・商業が発達、東西南北の四方に街道が伸びている事から「十字路の街」と呼ばれる。物資と共に情報も集まる事から情報戦の技術も発達し、この国の諜報機関(ディスポーザル・スプライツ)の優秀さは裏の世界では有名で、現諜報大臣アルトニー・カントロは「千の目と耳を持つ」と異称される。更に西部域ではドレックノールに次ぐ規模の盗賊ギルドがある。
タラント
現国王はカーナニスIII世。
クロスノー山脈(「空への梯子」と言われる大陸で最も高い山々を有する)のヤスガルン山中の盆地にあり、「森と草原の王国」とも呼ばれ、街はテーブル状の岩山の上に作られ「空に近い街」と呼ばれる。そのため街に入るには、隣の山から渡された吊り橋を利用するか、「牛の坂」と呼ばれる急坂を登る事になる。
主な産業は鉱業と牧畜で、人口の1割以上をエルフが占める。当然ハーフエルフも多く、精霊魔法を使う魔法戦士も多い。現王のカーナニスもエルフの血を引くと噂される。
ゴーバ
王城は荒鷲城、現領主はサナンI世。
シエント川の上流にある鉱山と林業が主産業で、斜面に階段状に都市が形成されていることから「階段都市」と呼ばれる。概ね機能別に5層に分れ、金(上流居住区)、銀(商業地区)、銅(工業地区)、鉄(精錬地区)、石(採掘場)と呼ばれる。
人口の4割をドワーフ族が占め、戦の神マイリーと鍛冶の神ブラキが広く信仰されている。森林伐採に伴う森の民との確執が問題化している。
プロミジー
王城は白骨の城(巨大海獣の牙や骨で飾られている)、現領主は狩人王タズラン。
タイデルから北に伸びる街道の終点で、氷結海と呼ばれる氷の精霊力が非常に強い海に面したプロム湾岸に築かれた「さいはての街」。人口約2500人の西部域で最小規模の王都は高い丸太を並べた城壁を持ち、猟師や漁師、鉱夫の交易所として機能している。
気象条件から事実上農業は不可能で、狩猟と小規模な鉱業が主産業。特にバリスタ付きの氷上帆船を使った巨大アザラシ狩りが有名で、その皮から作られるレザー・アーマーを特産品として輸出している。この地の戦士達は、その厳しい気象条件から凍傷の危険性がある金属製の鎧や装具は好まず、武器も柄の長い斧や槍を扱うのが一般的となっている。また 盗賊ギルドにはスリや物乞いが居らず、漁師や狩人を副業としている者が多く、国内的には自警団的な性格を持っているが、諜報機関として国外での活動も盛んだと言われている。
ソリの付いた氷上帆船で構成された海軍があり、旗艦である大型戦艦「嵐の大帝(ストームカイザー)」を擁する。
パルマー
国家に属さない500人ほどの自由開拓民の村で、「自由人たちの街道」の終端。村の名前は「自由人たちの街道」建設を主導したパルマー・ローリに由来する。
住人の多くは「自由人たちの街道」を建設した人々の末裔で、そのため東方語を日常語としている。ドレックノールからパルマー村までの自由人たちの街道は、馬車1台がやっと通れるほどの小道になる。
精霊力を矯正することで病気を治す術が、混沌の地から渡ってきた一人の男によって授けられたと伝えられている。
サイモーン王国
新王国暦324年に、現在のドレックノール・リファール・ゴーバ・ラバンを含む地域に、当時のドレックノール候だったマバーロI世により建国された。
無能王と呼ばれたマバーロIII世の失政から、後のリファール建国王ダッカ・ラジールの叛乱を招き滅亡。
パイニーヒル神殿
リファールとゴーバの国境付近にある男子禁制のマーファ神殿で、通称「縁切り神殿」とも呼ばれる。不幸な女性の救済を目的としており、主に結婚の解消を望む女性を保護している。
創建時から一切の公権力の介入を断固拒否し続けるなど、マーファ神殿としては異例と思えるほど戦闘的な面があり、「タイデルの盟約」でも特別に不介入・独立を不文律として認めている。またこの神殿の神官戦士団は、西部諸国屈指の戦闘力を持つといわれている。

[編集] 街道

思い人の街道
ミードからミラルゴに至る街道(ミード~フオス)。ある恋人たちの伝説からその名が付いた。
蛇の街道
オランとプリシスを結ぶ街道で、山岳部を曲がりくねって進むことから名付けられた。
雲の上の街道
アノスからグロザムル山脈を越えてオランに至る街道(ファーズ~ソーミー~ブラード~カゾフ~オラン)。グロザムル山脈越えの道は、数百段という石段が多数ある。
白刃の街道
ロドーリルのチェイスからプリシスを経由して、オランのミードに至る街道。
元々は南部から北部への主要な食料供給路であったため「麦の街道」と呼ばれていたが、近年度重なるロドーリルのプリシス侵攻に利用された為、白刃の街道と呼ばれるようになる。
歌声の街道
タイデルとベルダインを結ぶ険しい山岳街道。盗賊や妖魔が出没する危険な街道だが景観は秀逸で、この街道を往来する吟遊詩人やヴェーナーの神官がこの景観を題材に多くの詩を残したことが由来。
自由人たちの街道
オランから始まり、エレミア~ザイン~ロマール~レイド~ベルダイン~ザーン~ドレックノールに至り、最終的にパルマー村を終端とする街道。
オランの賢者パルマー・ローリの提唱によって新王国暦300年頃に建設が始まり、パルマー・ローリの死後新王国暦350年に完成した。街道沿いは、徒歩半日の間隔で宿泊のための小さな小屋が完備されている。
エールの街道
オーファンの王都ファン~グードン~ラムリアースの王都ライナスを結ぶ街道。酒樽を満載した荷馬車が通ることに由来した名前。
光と闇の街道
オーファンの王都ファン(光)とファンドリア(闇)を結ぶ街道。
いにしえの街道
ラムリアース王国の王都ライナス~ルーナム~ファンドリア~レムリア~ロマールに至る、中原地方を縦断する幹線街道
夏への街道
ロマールと「常夏の街」フェルダーを結ぶ街道。

[編集] アザーン諸島

アレクラスト大陸の南東に位置する諸島。大小4つの島があり、シナリオ集『虹の水晶宮』の舞台となっている。文化形態は大陸のものと全く同じで、交易も盛んに行われている。ソード・ワールドRPGリプレイ風雲ミラルゴ編ソード・ワールドRPGリプレイアンマント財宝編ではアザーン諸島の商人が大陸で活動していることも描写された。

[編集] イーストエンド

アレクラスト大陸の東にある細長い島。形状が日本列島に似ており、独自の文化が発達していると言われている。ロードス島より遥かに近い位置にあるが、閉鎖的な社会の為か交易はあまり行われていない。土着の太陽神「天照神シャナ」を奉じる「神宮」が治める神官政治が行われている。

[編集] ロードス島

ロードス島戦記』の舞台、通称「呪われた島」。島の随所に呪われたと表現しても過言ではないような場所が存在する。アレクラスト大陸の南に位置する。アレクラスト大陸とはわずかながら交易が行なわれている。大まかに7つの地方に分けられる。詳細はロードス島戦記#ロードス諸国を参照。

かつてはアレクラスト大陸の一部であったが、神話の時代の「神々の戦い」において破壊神カーディスの呪いを受け、呪いの拡大を防ぐべく大地母神マーファによってアレクラスト大陸から切り離された、とされている。

ロードス島の南にある小島マーモが破壊神カーディスの封印された地とされ、大地母神マーファもロードス島にて力尽きたと伝えられる。

[編集] ケイオスランド

アレクラスト大陸の西にある大陸。「混沌の地」と呼ばれ、大陸の北部は混沌を司る存在(あるいは混沌そのもの)であるジャカオに飲み込まれつつある。ジャカオを信奉する混沌の勢力と、神話の時代に他の神々が混沌から逃げ去った後も唯一この地に踏み留まってジャカオと戦った「女王」を信奉する氏族との間で争いが続いている。それ故に六大神を始めとする他の神々は、混沌から逃げた存在であるため信仰の対象とされていない。

創世神話では、西の果てにある「水の門」が閉じられて世界創造が完成する前に神々の大戦が勃発し、結局「門」は閉じられずに終わったとされているが、西方に位置するケイオスランドで混沌からの干渉が強いのは、この事と関係があるのかも知れない。 「水の門」からは、世界そのものが虚空へと流れ落ちており、これが時の流れを作り出している、とされる。つまりフォーセリアは巨大な水時計なのだという。

古代魔法王国時代には版図に含まれていた模様で、失われた混沌魔術の発祥に深く関わっていたと思われるが、魔法王国崩壊と共にその記録も失われ、長らくアレクラスト大陸の住人からは忘れられた存在であった。しかし501年に時のベルダイン王リカルド・ハディスが派遣した「混沌の地」遠征隊が、ケイオスランドに到達したことで様相が大きく変わる。

冒険者出身の騎士プライア・ウルグを隊長とする遠征隊は到達直後に船を失い、現地のオークレイ氏族との争いや侵攻してきた混沌の勢力との戦いで多くの犠牲を出しながら、ついに最初の村(十一番目の子供:イレブンズチャイルド)を確保することに成功する。そしてマーファの司祭マリク・ポストが「リターンホーム」により、唯一アレクラスト大陸への帰還を果たす。それから3年後、彼がケイオスランドで体験した出来事を纏めた“帰還者の手記”を発表したことにより、広くケイオスランドの存在が世に知られるようになる。その後、満を持して航路図が発表されると、様々な理由で新天地を求める人々がベルダインに集まり、海路でケイオスランドへ向かうことが可能となった。

また、“墜ちた都市”レックスの遺跡でケイオスランド北部の都市ゾディークに通じる「移送の扉」が発見されたが、「ある理由」により発見した冒険者達の手によって直後に破壊されてしまった。これ以後、新たな「転送の扉」は発見されておらず、ケイオスランドに行くには海路が唯一の方法となっている。

尚、この地でマイリーの神官が神に祈ると「女王」が答えると言う深刻な事態に遭遇するが、他の神々については正常に効力を及ぼす。

[編集] クリスタニア大陸

ロードス島のさらに南に位置する大陸。大きく北クリスタニアと南クリスタニアに分けられる。神話の時代の神々の大戦において中立を貫いた中立神たちが、闇の陣営の放った「神殺しの竜」から身を隠した大陸で、現在公表されているフォーセリア世界の大陸の中では最も南部に位置すると考えられている。中立神達は神の肉体を捨て、獣の体に魂を移す事で追手の目をごまかした。この神の魂を宿した獣を「神獣」と呼び、神獣達はクリスタニアを外界から遮断する事で完成させた世界を創ろうとした。

この大陸を舞台とするクリスタニアシリーズは、ソードワールド及びロードス島戦記の時代から300年以上後の年代とされている。

[編集] ファーランド

プレイヤーに対して、完全に解放されている大陸。公式の設定は何一つ無く(「公式設定は永遠に作られない」と言うのが、この大陸に関する唯一の公式設定)、プレイヤー間で自由に設定、使用が認められている。

[編集]

フォーセリアには、概念としてでなく、神が実際に存在する。 だが、その全ては神話の時代に起こったといわれる「神々の大戦」によって肉体を失い、現実世界に直接干渉する事はできなくなっている。 司祭がこの神々に祈り願う事によって、間接的に神の力を借りて奇跡を行使する事ができ、これを神聖魔法と呼ぶ。

[編集] 六大神

アレクラストやロードスで特に信仰されている神々の内、主要な存在である6柱の神を「六大神」という。以下に示す。

ファリス
至高神。始源の巨人の左腕より生まれ、法と秩序を司る。太陽神ともされている。神々の大戦の時には、光の陣営を率いた。
信徒には厳しい節制と戒律を教え、特に虚言や偽りを禁じ、不浄なるものを滅する事を教義とする。光の下では全てが平等であると説き、暗黒神ファラリスと対立する。
形式化された複雑な教義ゆえに、熱心な信者であるほど、しばしば教義の意味ではなく形のみを盲信する、狭量あるいは融通の利かない人物となりがちである。
ホーリーシンボルは先端の尖った十字形で「光十字」と呼ばれている。また、善なる者は死後天国へ迎え入れられ、邪悪な者は地獄に堕ちると説くなど、一般的なキリスト教のイメージが見られる。
アレクラスト大陸極東地方の聖王国アノスや、ロードス島の神聖王国ヴァリスでは国教とされており、政治の上層部には教団の実力者が就いている。また、その他の多くの国でも特定の国教を持たない限り、支配階級である王族や貴族・上級騎士はファリス信者であることが多い。
クリスタニアの神であるフェネスはファリスの弟であるとされている。
マーファ
大地母神。始源の巨人の胴体より生まれ、自然と豊穣を司る。慈愛の女神でもあり、結婚・出産を祝福してもいる。
教義は「自然であれ」。ただし自然崇拝というわけではなく、人間として自然に生きることを説いている。アレクラストには自然崇拝のドルイドも存在するが、彼らはマーファやその他の神の信者ではなく、宗教的にはむしろエルフに近い。自衛、狩り以外のあらゆる戦闘を禁止している。また、自殺を固く禁じている。
死者は大地に還り、新たな再生を迎える、と説く。
神々の大戦では宿敵である破壊の女神カーディスと戦い、相討ちとなった。その終焉の地はロードス島の北部とされている。カーディスが滅びる間際に(その終焉の地はロードス島南部のマーモ島である)大地にかけた呪いが広範囲に広がることを防ぐ為、最後の力で、当時は大陸と陸続きであったロードス島を大陸から切り離し、はるか南へ移動させたのだという。同島西北端の「大直崖(グレート・ストレート・クリフ)」がその痕跡であるとされる。
ホーリーシンボルは三日月に見えるが、実は農業に用いる鎌を表している。
その教義から農民層に信者が多く、農村出身者の多い下級兵士にも影響力が及んでいる。その反面、既存の支配体制と相反する面を有していることから、王族や貴族など支配階級には煙たがられる傾向にある(結婚・出産を司ることから、支配階級であっても女性には信者が多い)。
マイリー
戦神。始源の巨人の右足より生まれ、戦いと勇気を司る。戦士や傭兵が主に信じる神である。戦槌がシンボルとされる事が多い。その司祭は、「勇者」に仕え、導く事を自らの信仰の最大の証と考える。
教義は「生きる事は戦いである」「勇気は力を導く」。正義のための戦いを推奨し、勇者に力を与える。臆病や卑怯な振る舞いを禁じている。
勇気を持って戦い、死んだ魂は、喜びの野に赴き、永遠の戦いを楽しむ、と教えている。
「混沌の地」で信仰されている”戦乙女を統べる「女王」”(キュラフ)との共通点が多く、あるいは同一の神格ではないかと言う意見や、その従属神である「有翼の女神」との類似性を指摘する意見が散見されるが、ケイオスランドで「女王」の声を聞いたマイリーの神官は、マイリー神とは異質と否定している。また、彼の地では「女王」こそがジャカオに対抗した唯一の神であり、ジャカオから逃げ去ったその他の神と「女王」を同一視することは、その「使徒」を始めとして受け容れられる事では無いようである。尚、名前ではなく単に「女王」と呼ばれるのは、他に同列視する存在の居ない唯一神を崇める民には良くある事例(信仰する神を名前ではなく一般名詞の「神」と呼ぶ)で、安易に名前を口にする事は避けられるが、禁忌と言うほどではない。
チャ・ザ
幸運神。始源の巨人の左足より生まれ、幸運と交流を司る。商売の神とも呼ばれ、商人たちが主に信じている。盗みを禁じているが、盗賊にも信奉者が多い。
商売は人と人との交流に繋がり、交流は幸せに繋がると説いている。
不平等な取引、盗みや詐欺を禁止している。
ホーリーシンボルは鳥、天秤など複数存在する。
信者達は死後、チャ・ザが住むとされる「至福の島」に招かれ、そこで永遠に幸福な暮らしを営むことができると説く。
ラーダ
知識神。始源の巨人の頭部より生まれ、英知と知識を司る。主に学者(賢者)、魔術師たちが信じる。
知識欲を最も美徳とし、世界のあらゆる物事の真実を理解し、保存することを奨励している。欺瞞、嘘を禁止して、この世の真実を明らかにする行為を教えている。
また、知識を破壊する野蛮な行為、振る舞いを禁じている。
ホーリーシンボルは星光を表したものが主に用いられる。
信者達は死後「星界の王」たるラーダのもとに赴いて、見えざる真実の星々となり、世界の行く末を観察し続けると説く。
ファラリス
暗黒神。始源の巨人の右腕より生まれ、自由と欲望を司る。双子神たるファリスと対で「双の天帝」、そこから「夜の天帝」とも呼ばれる。ホーリーシンボルは、ところどころ線が欠落した逆五芒星。
破壊の女神カーディス出現により、安定こそが「終末の巨人」に属する存在の出現と世界の破滅につながると知って、闇の陣営を率いて神々の戦いを引き起こし、光と闇が対立し続ける世界を招いたとも言われる。
教義としては「決断は自身によってのみなされ、その責任や結果は自身に還る。ゆえに法や道徳等の慣習に盲従してはならない。何よりも精神の自由こそが尊い」と説き、信者達に「汝の為したい様為すべし」との神託を与える。また「闇の中でこそ完全な自由が得られる」とも説き、それゆえ暗黒神と呼ばれるようになった。更に「自由であるからこそ理性も必要」と説く。
それらの教義から純粋な意味では邪神・破壊神の類でないが、国家の法よりも個人の自由意思に忠実であることを尊ぶため、殆どの国家の統治体制とは相容れない存在として禁教となっている。また「法や道徳に従ってはならない」と教義を短絡的に捉えて行動する者が後を絶たない事や、教義を都合良く歪曲して悪事を正当化する事も多く、世間的には邪教という認識が為されている。「それは人間そのものが邪悪であるからだ」とはファラリスの最高司祭の言である。
アレクラスト大陸では、ファラリス教団が建国に寄与した中原の「混沌の王国」ファンドリアがファラリス教団の根拠地となっている他、西部諸国のドレックノール、ロードス島のマーモ帝国などでも禁教にはなっていない。また表向き禁教とされているとしても、例えばロマールの奴隷階級の様に制度として抑圧や拘束の対象となっている人々から、「抑圧からの解放神」として信仰を得ている事例もある。

[編集] その他

六大神以外にも楽曲と芸術の神ヴェーナー、鍛冶の神ブラキ、匠の神ガネード、「邪神」とされるものでは海の死者の神ミルリーフ、名も無き狂気の神、破壊神カーディスなど数多くの神々が知られており、それぞれに信者や司祭も存在する。ただし、六大神以外の神々には大きな神殿や高位の司祭があまり存在しない傾向がある(ブラキ神は例外的に神殿・信者ともに多く、特にドワーフに信仰されている。邪神の側ではニルガル神の教団がその教義から整った階級制度、組織体系を持ち、大組織を作り上げる例がある)。また、当然ながら「邪神」の教団や神殿は公にはされず、地下活動で組織を維持していることが多い。

神話の時代に起こった出来事は、正確に人間たちに伝わっているとは言いがたく、神話や教義の解釈は神殿間や地域間で必ずしも一致していない。六大神が上位の神であり、それ以外の神々は従属する下位の神というのがアレクラストやロードスでの一般的な信仰(六大神信仰)だが、ケイオスランドやクリスタニアのように六大神信仰とは大きく異なる信仰が主流の地域も存在する。

クリスタニアの神獣王の一柱、周期の神獣王フェネスは、ファリスとファラリスの兄弟神であり(始原の巨人のどの部分から生まれたかは知られていない)月を司る存在であるとも、邪神「名も無き狂気の神」の正体であるとも言われる。 また、戦いの神獣王ブルーザはマイリーの従属神であったらしい。

神々の間のささいな諍いを、恨みと復讐を司る邪神ミゴリが煽り立てて不和を助長し、遂には「大戦」にまで発展して互いを滅ぼす結果になってしまった、という伝承も存在する。無論真偽は定かではない。


光や闇、中立の神々と本質的に異なるのが破壊の女神カーディスである。

カーディス
他の神々が「始源の巨人」に属しているのとは異なり、未来に存在する「終末の巨人」に属している唯一の神である。「終末の巨人」はこの世界の終わりに姿を現すとされ、この世界が無に帰したあと「始源の巨人」となり、新たな世界を創世するとされている。カーディスはこの世界を破壊することで「終末の巨人」を出現させ、次の世界を誕生させる為に存在していると言われる。そして新たに生まれる世界では創造の神(大地母神マーファの位置付け)として生まれ変わるとされている(そのためマーファとは本質的には同じ神でありながら、その存在理由から対立することになる)。
しかし現世におけるカーディスは破壊の女神であり、存在理由に反して来世すら破壊された無を良しとして、死と破壊と否定を司る。
未来と同義語である「終末の巨人」に属しているという特異性から、その高位の司祭達は現世での死を超越した「転生者」となり、繰り返しこの世に生を受けて世界を破滅に導く為に暗躍する(未来に属しているため、現世での死は意味が異なる、ただし転生に失敗した場合は未来が消滅することを意味し、魂の完全なる消滅となる)。また彼ら転生者達はカーディスと共に次の世界への転生が約束されているという。「新ロードス島戦記」などでは、これら「終末のもの」達との熾烈な戦いが描かれている。
クリスタニアにも南クリスタニアに「終末の巨人」に属するものが出現しており、様々な動物を複合させた神獣の姿をした魔神獣とその眷属が存在する。
なお、古代魔法王国の滅亡のきっかけとなった魔精霊アトンは、大地の精霊王ベヒモスがベースとなっているが、カーディスや魔神獣と共に「終末の巨人」に属しているとされる。成長の末に「終末の巨人」になるとも言われるが定かではなく、カーディスの信者達とは別にアトンを崇拝する者達が存在する。アトンとの戦いは「魔法戦士リウイ」シリーズで描かれる。

[編集] 種族

フォーセリアには、「始原の巨人」から生まれた古代種族や、神話の時代に神々が創造した数多くの種族が住んでいる。 また誕生時から物質界に生を受けた種族だけでなく、本来は「妖精界」の住人であったエルフドワーフグラスランナーなどといった種族も、「神々の大戦」時に召喚されて以来、物質界に暮らしている。

人間
神々が自らの姿を模して物質界に創造した種族。神々が亡き後の「暗黒の時代」を生き抜いて、フォーセリア世界の覇者として「魔法の時代」「剣の時代」を創り上げた。
神々から与えられた言葉(上位古代語)を解明し、神々の力を真似た古代語魔法を発明したカストゥールの民(人間族の最上位種)は「魔法の時代」と共に滅び、「剣の時代」の覇者である現在の人間は「魔法の時代」に蛮族と呼ばれていた別種と考えられている。
エルフ
「神話の時代」に光の神々により召喚された妖精界出身の種族で、「始源の巨人」の体毛から生まれた「世界樹」から生まれた古代種族とされ、神々に対する信仰を持たない。
妖精は「精霊界」の精霊力を「物質界」に伝える役割を持ち、その性格を今も残すエルフ族は物質界にあっても精霊との親和性が高く、精霊魔法の優秀な使い手と目されている。物質界での棲家には森林を好み、エルフの集落は多くの場合森林地域に存在しており、一般に人間社会と深く交わる事を嫌う傾向にあるが、亜種族の中では唯一人間との混血が可能。
本来は同種であったダークエルフは、「神話の時代」に闇の神々によって召喚された者達の末裔で、特徴的な黒い肌を持ち、召喚したファラリス神を崇拝している。
外見は人間と比べると小柄・華奢で、尖った長い耳が特徴。一般的なエルフは凡そ千年ほどの寿命を持っているが、より妖精に近いハイエルフは実質無限の寿命を持つとされる。
ドワーフ
エルフと同じく「神話の時代」に光の神々により召喚された妖精界出身の種族だが、現在は神々を信仰している(エルフの様な古代種族なのか、人間と同じ神々に創造された種族なのかは不明)。また精霊を操る能力は喪失しており、精霊魔法は使えない。
背が低く頑丈な体型で、元々は大地の妖精であったので地下に集落を形成することが多く、暗視の能力を持つ。
金属の加工や細工に秀でており、真銀(ミスリル)の精錬は一部のドワーフのみが可能とされている。「歩く酒樽」と揶揄されるほど酒に強く、酒好き。良質の酒を造るが、ほとんど自分たちで飲んでしまうため人間達の世界にはほとんど出回らない。
エルフほどではないが、人間を遥かに凌駕する長寿を誇る。またエルフに対するハイエルフに相当するハイドワーフが過去に存在し、精霊魔法が使えたと伝えられる。
グラスランナー
エルフやドワーフと同じく、妖精界から召還された種族で、成人しても人間の半分ほどの身長しかなく、子どものような体型をしている。
「草原を走る者」の異名の如く、身のこなしの素早さと手先の器用さは抜きん出ている反面、力はとても(エルフより)弱い。だが、体はそこそこに頑健である。
性格は非常に楽観的で、好奇心がとても強く、定住する事を好まずに、好奇心の赴くままに移動することを好む。
ドワーフと同じく精霊を操る能力は喪失してしまったが、昆虫や植物の感情に同調することができる(会話というほど明瞭なものではないが、操ることも可能であると小説では描写されている)。
古代語魔法を修得することはできない。またエルフ同様に、(こちらは種族というよりも性格上の問題で)神を信仰しない為、神聖魔法も修得することもできない。
なお、ロードス島では土着のグラスランナーは過去に絶滅したため存在せず、作中に登場するグラスランナーは全てアレクラスト大陸から渡った冒険者である。
ハーフエルフ
人間とエルフの混血児。
その出生から、多くは差別され、迫害されてきた。
外見も能力も、人間とエルフの中間。どちらの社会で育てられたかで多少の違いが出る。一例としてエルフに育てられた場合、神を信仰することはない。
時折(主に人間の両親から)先祖返りによるハーフエルフが生まれることがあり、「取替えっ子(チェンジリング)」と呼ばれて忌み嫌われることが多い。ちなみに人間の両親からエルフが生まれてしまうケースも、ごく稀に存在する。
マーマン(マーメイド)
海洋種族の代表的な存在。上半身は人間で下半身が魚。男性をマーマン、女性をマーメイドと呼ぶ。水中呼吸しかできず、地上では生活できない(可能とする説もある)。
百年以上前に「人魚の肉を食すと不老長寿になれる」との迷信が広まり乱獲され、それ以降は人間を嫌い避ける傾向が強く、今も人間と積極的に交わる事は無い。
知的レベルは人間と大差なく、精霊魔法を駆使することから、妖精界出身の種族ではないかと考えられている。
リザードマン
沼地や湿地帯、離島など、多くは人間社会から離れた地域に生息する種族。竜族を崇拝している。
厳格な階層社会を築いていることが知られており、最上位種であるノーブル種(貴族)はハイエルフと同じ古代種族に分類され、非常に知性が高いと考えられている。ただ一般には「トカゲ人間」として、妖魔や魔獣と同じ扱いを受けることが多い。
リザードマン達が使う言葉は、竜語魔法で使われる魔法語(ドラゴン・アロー)の下位語と思われ、老竜(エルダードラゴン)を始め竜族が使う言葉と同じである。

この他にも、妖魔に分類される種族が多数存在する。


[編集] クリスタニアの種族

クリスタニアには、以上の種族のほか神獣によって創造された亜人が存在する。リザードマン、バードマン、ウィングミュルミドンらの種族もPCとして選択することができる。

リザードマン
結界の神獣王ルーミスによって創造されたとされる亜人。直立したトカゲの姿をしており、虹色の鱗を持つ。種族の平均能力値を比較した場合に、最も高い耐久力を持つ。なお、アレクラスト大陸にもリザードマンは存在するが、同種と言えるかどうかは不明である。
バードマン
白頭の大鷲フォルティノによって創造されたとされる亜人。背に大きな翼を持ち、自由に空を飛ぶことができる。
ウィングミュルミドン
真紅の蟻帝クロイセによって創造されたとされる亜人。直立した羽の生えた赤蟻の姿をしている。ただし、手足は6本ではなく4本である。羽のないソルジャー種やワーカー種のミュルミドンは自発的な意思をほとんど持たず、上位の者からの命令に従って動く。

[編集] その他の会話可能な種族

フェザーフォルク
マーマン

[編集] 魔界の種族

人間界とは別に存在する物質界とも言われる世界。暗黒神ファラリスの信じる者は死後、魂が闇に溶けるとも、魔界の魔神(デーモン)に転生するとも言われる。魔神はファラリスの神聖魔法(暗黒魔法)を使うことから、ファラリスと関係深い世界だと思われる。人間界に召喚された魔神の肉体は仮の器でしかなく、破壊されても死ぬことなく魔界の本体へと帰る。

魔神はその強さにより、4段階に大きく分類されている。

  • 魔神王(デーモンロード)
  • 魔神将(アークデーモン)
  • 上位魔神(グレーターデーモン)
  • 下位魔神(レッサーデーモン)

[編集] 魔法

フォーセリアでは、特定の手順を踏んで意図的な奇跡、魔法を行使する事ができる。その者らを総称して「魔法使い(ルーンマスター)」と呼ぶ

[編集] 古代語魔法

「暗黒の時代」に十人の「創設者」が上位古代語(ハイ・エンシェント)を解明して誕生した魔法と伝えられている。
上位古代語は「神話の時代」に神々が人間族に与えた言葉で、上位古代語を媒体として体内に宿る「万物の根元たるマナ」を具現化させ、神の力の一部を模倣する技とも言われている。
古代語魔法は古代王国末期に全盛期を迎え、その崩壊と共に一旦は滅び去る。続く「剣の時代」においてはその歴史的経緯から長らく忌避されていたが、現在では各地に「賢者の学院」が設立されるなど、一定の地位を得て復興している。ただ、多くの知識が喪われたままであり、古代王国時代の遺跡で発見される魔法のアイテムはそのほとんどが再現不可能とされる。
基本として十の系統(拡大魔法・召喚魔法・付与魔法・死霊魔法など)があるとされるが、混沌魔法のような古代王国末期に誕生した新しい系統もある。
この魔法を使う者は「魔術師」(ソーサラー)と呼ばれ、その多くは「賢者の学院」出身者であるが、極少数の独立系魔術師も存在している。
基本的に才能のある人間族にしか使えないとされているが、付与魔術(エンチャント)によって魔力の込められた物品は、決められたキーワードや行為に反応して魔力が発動し、魔力の無い者でも魔法を使うことができる。キーワードは上位古代語を簡略化した下位古代語(ロー・エンシェント)である場合が多い。しかし、付与魔術の知識や技術も他の魔法と同様に古代王国の崩壊とともに多くが喪われ、初歩的な魔法しか付与できない。
また更に簡略化したものが魔術師ギルドで製造・販売され、共通語でキーワードを唱える事で特定の簡単な呪文(明りや施錠など)を使うことができる。これを共通語魔法(コモン・ルーン)と呼ぶ。原理的にはどんな古代語魔法の呪文も共通語魔法にする事が可能だが、高位の強力な呪文は消費する魔力も膨大であり、それに見合った精神力を持つ者でなければ使用できない。また、鍵開けの呪文や、眠りの雲などの呪文は悪用されやすい為、魔術師ギルドの自主規制により、共通語魔法として一般に流通する事は無い。
吟遊詩人(バード)の用いる呪歌(バード・ソング)は、古代語魔法の特殊な応用例であり、歌詞(またはメロディ)を丸暗記して歌唱・演奏する事によって、本来は魔力の使えない者や種族(ドワーフやグラスランナー)であっても効果を発揮することができる。ただし、古代語魔法に比べて効果がやや弱く、呪歌を聴いた者には無差別に効果が及ぼされる、という特徴がある。

[編集] 精霊魔法

「精霊界」に住む精霊を物質界に召喚して、その力を借りて精霊力を行使する魔法で、使い手は精霊使い(シャーマン)と呼ばれる。
精霊力は「妖精界」を仲介として「物質界」の至る所に及んでおり、世界を構成する四大元素「火」「水」「風」「土」や、「森」「氷」などの自然物、さらには「恐怖」「好奇心」といった感情など、様々な力が確認されている。
精霊には上位、中位、下位という概念があり、厳格なヒエラルキーが存在する。そのヒエラルキーに従って上位精霊は下位精霊を従えることができる。
精霊を召喚し力を借りるには、素質や技術と共に精霊との”相性”が極めて重要とされる。また上位精霊の力を借りれば絶大な力を行使できるが、接触するだけでも多大な技術と精神力を必要とし、更に召喚(あるいは盟約を結ぶ)には極めて高い危険を伴う。
精霊との接触には精霊語という言語を用いるが、これはイメージを直接相手に伝える物で、念話(テレパシー)に近い。
精霊使いは精霊の存在や精霊力の強弱を感知することができる。これは視覚ではなく「匂い」や「感じ」といったものであるとされている。また、赤外線視力(インフラヴィジョン)の能力を持つ。
古代語魔法にも「四大制圧」という精霊を召喚する魔法があるが、これは精霊を強制的に使役する技であり、精霊の力を「借りる」精霊魔法とは根本的に異なる。
精霊は本来「精霊界」の住人であるため、長期間「物質界」に束縛するのは非常に危険な行為である。一部の精霊使いは下位の精霊を封じて所持しているが、これが上位精霊であった場合は、絶頂期にあった古代王国の突然の滅亡を思い出す必要がある。(精霊力と精霊の違いを認識することも重要)

[編集] 神聖魔法

敬虔な信者が神々に奇跡を願い、神々がそれを聞き入れることで奇跡が発現する魔法である。信仰の力によるものであるため、複数の神の神聖魔法を同時に習得できる者はいない。これを使える者は通常”奇跡の使い手”と呼ばれる司祭(プリースト)以上の神官であり、戦いを主にする場合は「神官戦士」と呼ばれる。(ただし、司祭以上の神官であっても、必ずしも神聖魔法が使えるとは限らない)
信仰する神の教義によっては、いろいろな制約を課されている事も多い。また必ずしも成功する訳ではなく、神に認められぬような行動をとった場合は、力が借りられない場合もある。しかし、教団の教義と神の考えが完全に一致するとは限らないため、場合によっては神が司る一面性に合致した者が、神に認められ啓示と共に神聖魔法を授けられる事もある。
神々との対話には神聖語という独自の言語を用いる。
ファラリス神を信奉する闇司祭(ダークプリースト)が用いるものに「暗黒魔法(デーモン・スクリーム)」と一般には呼ばれるが、これもまた「神聖魔法(ホーリー・プレイ)」の一種であり、人間が勝手に分類しているにすぎない。しかし殺傷の魔法など神聖魔法の使い手が禁忌と考える魔法もあり、例外的な人物を除いてそのような魔法を用いることはせず、実質的に闇司祭専用となっている。また光竜・闇竜などの一部竜族や魔神(デーモン)なども、それぞれの神聖魔法(または暗黒魔法)が使える。

[編集] 竜語魔法

「始源の巨人」から生まれた古代種族である竜族には、独自の魔法言語が存在している。竜を信奉し竜に近づくために自己鍛錬を行う事で、他種族もこの竜語魔法を行使する事が出来る。
竜語魔法を会得した者は、竜司祭(ドラゴン・プリースト)と呼ばれる。
他の魔法とは大きく異なり、この魔法は自己を竜へと変えていくもので、翼が生えたり生肉を食したりする。ある意味「人間」をやめる行為であり、人間とは生活習慣が相容れない状況となることから、一般社会ではまず見られない。辺境の蛮族やリザードマンなどにごく稀に使い手が見られる程度である。

[編集] その他

クリスタニア大陸では、神獣として神が実在するため、神獣の民は神聖魔法ではなく神獣から授けられた特殊な能力(タレント)として発揮されている。タレントの使い手はビーストマスターと呼ばれる。

[編集] 言語

フォーセリアで使われる主な言語には以下のようなものがある。

[編集] 人間の言語

  • 共通語(コモン)
    共通語は、アレクラスト大陸全域で通じる、文字通りの共通語。

この他にも、地域によって異なった言語が存在する。主なものは以下の通り。

  • 東方語(マールダン)
  • 西方語(グンダール)
    東方語と西方語はそれぞれ大陸の東西地域で一般に使用される。中部地方がその境界であり、エレミア以東が東方語圏、ザイン以西が西方語圏である(ただし、西部諸国10都市のうち、パルマー村のみ東方語を使用する)。古代魔法王国が崩壊して大陸各地を繋いでいた「移送の扉」などの魔法による移動手段が失われ、地域が分断された結果生じた方言であるとされる。
  • ロードス共通語
  • ケイオスランド語
    ロードス共通語は、ロードス島全域で通じる。またクリスタニアの暗黒の民と新しき民が使っており、暗黒の民の支配地域からベルディア言葉と呼ばれている。ケイオスランド語は、ケイオスランドでのみ通じる。

いずれの言語も、下位古代語が基になって派生したものとされる。特にケイオスランド語は、文字や単語に下位古代語との共通点が多い。しかし、言語同士の互換性は無きに等しい。

  • クリスタニア共通語
    クリスタニアの神獣の民が使う言語。閉鎖された世界で同じ歴史を繰り返したために神の時代のころからほとんど変化していない。文法はロードス共通語とさほど変わらないようで、それが話せると単語さえ覚えれば片言で話すことも可能らしい。


人間以外の種族も、住んでいる地域の人間の言語(主として共通語)を用いる。

[編集] 各種族の言語

  • エルフ語
    エルフ・ダークエルフ特有の言語。
  • ドワーフ語
    ドワーフ特有の言語。
  • ゴブリン語
    ゴブリン・ホブゴブリン、コボルドなどの妖魔が使う言語。
  • リザードマン語
    リザードマン特有の言語。ドラゴンも使用する。

この他にも、ケンタウロス語・マーマン語・ジャイアント語など、様々な種族に固有の言語が多数存在する。 なお、グラスランナー語は知られていない。彼らは故郷である妖精界から物質界へとやってきた際に、自分たちの言語を忘れてしまい、人間の言語を使用するようになったらしい。

[編集] 魔法に関する言語

フォーセリアの魔法は言葉によって世界や自然に働きかけるものなので、関連するいくつかの言語が存在する。

  • 下位古代語(ロー・エンシェント)
    古代の魔法王国で日常会話や文書に使われた言語。
    この言語で魔法を直接行使することは出来ないが、魔法の物品類を使用する時の合言葉などに良く使用される。
    古代語魔法を学んだ者以外は普通使わない。ただし、知識階層には必須教養であり、読める者は少なくない。いわばラテン語のようなもの。
  • 上位古代語(ハイ・エンシェント)
    古代語魔法を行使するために用いられる特殊な言語。
    一種の暗号のように複雑な言語形態であり、古代語魔法に習熟した職種(ソーサラー)でなくては通常読むことすら出来ない。
  • 精霊語(サイレント・スピリット)
    精霊に呼びかけ、精霊魔法を行使するための言語。
    日常会話も行え、感情などの細かいニュアンスを伝えるのに優れているとも言われるが、文字は存在しない。
  • 神聖語(ホーリー・プレイ)
    神に助力を願い、神聖魔法を行使するための特殊な言語。
    闇司祭が暗黒魔法を行使する際に使用する暗黒語(デーモン・スクリーム)も、基本的には同じもの。
    日常的な会話に用いるのはほぼ不可能。

[編集] 古代魔法王国カストゥール

ソードワールドやロードス島戦記より500年以上前に栄えた王国。残された遺跡やダンジョンには、当時の魔法の品や書物などが今も残されており、魔法の品の多くは現在では作ることが出来ず、書物には今では喪われた高度な知識が書かれており、手に入れば極めて高価な値段で取引される。 ただし、当時の魔法生命体やトラップが残されていたり、実験動物の末裔であるモンスターが生息していることが多く、遺跡を探索することは非常に危険なこととされている。

[編集] 暗黒の時代

神々の大戦の後、魂だけの存在となった神々は物質界に直接介入する手段を喪い、「神話の時代」は終わりを告げ、神々の庇護を失った「暗黒の時代」が始まる。 暴力と混沌のみが世界に溢れかえり、始源の巨人から生まれた古代種族や神々が創造した幾多の種族が滅ぶ中にあって、後に「創設者」と伝えられる十人の賢者により、神々が人間に与えた言語(上位古代語)を解析して古代語魔法が作られた(十系統の魔法はこの十人の「創設者」から始まる)。 そして古代語魔法を習得した者達がアレクラスト東部に都市を築き、カストゥール王国の礎となったと伝えられている。

[編集] 魔法の時代

圧倒的な存在であった神々のいない「暗黒の時代」にあって古代語魔法は絶大な威力を発揮し、カストゥールの民は他の人間族のみならず他種族までも支配下に納め、ここに「暗黒の時代」は終りを告げる。 成長を続けるカストゥールの民の前に立ち塞がったのが、古代種族でもある上位巨人族である。現在では数も少なく人間の世界からは離れた地域に生息しているが、「始源の巨人」から生まれた上位巨人族も「暗黒の時代」を生き抜き各地に独自の王国を築き上げ、人間と地上世界の覇権を争う一大勢力となっていた。(妖魔に属する下位巨人族は除く) その為カストゥールの王国は、巨人族を始めとした諸勢力との間で興亡を繰り返すことになる。

その状態が激変するのは、カストゥール最後の魔法王国時代に登場した召喚魔術師アズナディールによる魔界の発見と魔神軍団の召還であった。アズナディールによって支配された魔人王とその軍団は、巨人族の中でも最大の強敵でカストゥール王国を滅亡に追い込んだ事もある「サイクロプスの王国」を短期間で滅ぼしてしまう。

また同時期、拡大魔術師メルドラムゼーにより「魔力の塔」が建設され、それまでの個人の魔力に比べ無尽蔵とも言うべき魔力を行使する事が可能となった。 これにより、それまで「理論上は可能」とされていた幾つもの強大な魔法が現実のものとなり、宿敵巨人族のみならず、遥かに強大だった上位精霊や古竜を始めとした竜族なども次々に支配下に収め、ここにカストゥール王国は絶頂期を迎え、この時代は「魔法の時代」と呼ばれるに至った。 そして、その版図はアレクラスト大陸を超えて西のケイオスランドに及び、更に南方のロードス島、果てはクリスタニア大陸にまで侵略の手を伸ばすことになる。

[編集] 滅亡

その絶頂期から僅か50年後に、カストゥールは滅亡のときを迎える。きっかけは新たに王都となった精霊都市フリーオンから始まる。 この都市は様々な精霊の力によって維持されていたが、その内の地の上位精霊ベヒモスが突如変異、他の精霊達を次々と吸収し、ついに魔精霊「アトン」へと変貌した。 この魔精霊はフリーオン周辺を「無の砂漠」に変え、更に増殖を続けていった。カストゥール王国の魔術師達はこの危機に総力を結集し、魔精霊を滅ぼすために当時の魔法王の肉体を素材にファーラムの剣を作って魔精霊を滅ぼすが、その際に予想を遥かに上回る魔力が消費され、その結果「魔力の塔」が崩壊してしまう。 「魔力の塔」の建設以後、魔術師は額に黒水晶を埋め込み、自身の魔力が使えなくなることを代償に「魔力の塔」から魔力を供給されていた。その為「魔力の塔」が崩壊した時点で魔法を使える者は居なくなってしまったのである。

魔術師が無力化した機に乗じて、それまで蛮族として支配されていた民の反乱が勃発。突然魔法を喪ったカストゥールの民に対抗手段は無く、極めて短時間で強大無比を誇った古代魔法王国カストゥールは滅亡する。 そして蛮族と呼ばれていた民によって、「剣の時代」が幕を開ける。

[編集] 魔法都市

古代王国の後期には、魔法に力により幾多の特殊な都市が作られている。

  • 地中都市フリーオン
「精霊都市」とも呼ばれる一番最後に建設された魔法都市で、「偉大な精霊使いベルーガ」によって建設され、古代王国末期の王都となった。他にも「精霊都市」と冠した魔法都市があるが、単に「精霊都市」と言って場合はフリーオンを指す場合が多かった。地中に作られた球状の空洞の中心に炎の上位精霊エフリートを封じて太陽を模し、内面には幾多の大地の上位精霊ベヒモスを配して重力を作り、闇の精霊シェードによって定期的に夜が訪れ、更に風や水などの環境も全て精霊によって整えられた街。しかしは「精霊界」において精霊力を司る精霊を、長期間「物質界」に留め置くのは極めて危険な行為であり、結局のところカストゥール滅亡の原因となった。
空中都市レックスやマーラ・アジャニスの幻覚都市と並ぶ、古代王国の三大都市の一つに名を挙げられている。
  • 空中都市レックス
古代王国崩壊の凡そ100年前(「魔力の塔」が作られる以前)に、環状列石の魔力によって大地の精霊のくびきを打ち消し、都市全体を空に浮かべた空中都市として誕生した最も最初に建造された魔法都市。これ以後、各地に様々な魔法都市が次々と建設されることになる。
当時の付与魔術一門の門主であり、建設者兼初代太守であったブランプの時代は”楽園”とも呼ばれていたが、その後の太守が他の魔法都市に対抗して無理な拡大政策を続けた結果、古代王国最大規模の都市となるも、拡張された周辺部はスラムと化し”病める都市”とまで呼ばれるようになってしまった。魔法王国末期の遷都では王都候補に挙げられるも、結局フリーオンに敗れている。
古代王国崩壊時に墜落して現在は"墜ちた都市"と呼ばれている。また、土台となる岩を掘り出した跡は、現在のミード湖になったと伝えられている。
  • 幻覚都市マーラ・アジャニスの都
現在のオラン北部の街ミードの北に位置する妖魔の森に、幻覚魔術師マーラ・アジャニスが夢を現実化するために建設した”幻覚都市”。
建物、衣服、食料など全てが幻覚の魔法で作られ、当時の下層民や蛮族にも都市を開放し、その住人は幻覚のの建物に住み、厳格の衣服を身に着け、幻覚の食べ物や飲み物で何不自由なく暮らしていた、と伝えられている。
古代王国崩壊後(魔力の消失後)もしばらくは都市として機能し続け、新王国暦513年にオーファンの魔術師ラヴェルナ一行が調査に訪れるまで、無人の都市ではあったが作られた当初のままの姿を留めていた。現在は廃墟と化している。
  • 海上都市ウリュウ
現在のアノス東方の沖合いに建設された都市で、現在も海底に遺跡が残されており、マーマンやマーメイドなど海洋種族が棲家としている。
  • 海上都市ダリート
オラン南東のカゾフ沖にあるナノス島付近に建設された。現在では「カゾフの水上都市」と呼ぶことが多い。
  • 人工妖精界イシュフェーン
プロム湾中央にある孤島に作り出した人工の妖精界で“理想郷”の二つ名で呼ばれていたが、詳細は不明ながら「都市の暴走」を食い止めるために最後は氷に覆われて凍結された。
  • 精霊都市トールストリナ
パダの南に存在する。
  • 樹上の精霊都市アーティス
エストン山脈の"深き森"に、生きた樹木を素材として構成された森林都市。環状列石を使った浮遊道によって空中都市レックスと繋がっていた。
  • 湖上都市クード
古代王国によるロードス支配の核となった都市。初代ロードス太守ル・フロイによってロードス島中部のルノアナ湖上に建設され、最後のロードス太守サルバーンの死と共に崩壊し湖底に沈んだ。

[編集] その他

[編集] 経済

アレクラスト大陸で主に流通している貨幣の単位はガメル。かつて中原に存在したモラーナ王国のガメル伯爵が大きさや純度などの規定を定め、他の諸国にも貨幣制度とともにこの基準が普及した。1ガメルは銀貨1枚に相当し、日本円にして約100円程度の価値をもつ。一般庶民の1日の生活費の最低水準が約10ガメルとされている。現実世界のユーロ貨幣のように、生産は各国で行われておりデザインも様々であるが、銀貨1枚あたりの銀の量は規格化されており、ガメルを採用している地域であれば、どの国のガメル銀貨でも問題なく使用できる。また、50ガメルに相当する金貨もわずかながらに流通している。銅貨などの補助貨幣の存在も確認できるが、作品中の記述があまりに乏しく、どの程度の価値があるのかいまひとつはっきりしていない。 貨幣の代わりに宝石や金・銀塊などが使用される事もあるが、鑑定の手間や、両替時の手数料による目減りなど不便な点が多く、あくまで貨幣による取引が主流となっている。

ロードス島では金本位制による独自の貨幣が流通している。金貨の他に銀貨や銅貨なども流通している。

ケイオスランドでは貨幣経済がほとんど発達していない。

古代魔法王国では、魔晶石と呼ばれる、魔力を蓄えた宝石が貨幣の代わりだったと言われている。魔晶石は古代王国の遺跡などから比較的大量に発見され、各種の魔法を唱える際に精神の疲労を肩代わりしてくれる。使い捨てで、製法は伝わっていない。

時代が異なるが、クリスタニア大陸でも貨幣経済はほとんど発達しておらず、傭兵部隊「獣の牙」への報酬は主に食料の現物支給で支払われるほどである。ただし、北の「故郷の島」(ロードス島のこと)からの移住者たちの間では貨幣が流通している。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ 友野詳は『コクーンワールド』『ティルトワールド』などの作品の背景世界として、フォーセリア世界のパロディであるファイブリアという世界を定義している。神々や地名などのほとんどはフォーセリアや他のファンタジー世界などからのパロディである。
  2. ^ この世界に登場する用語は多数が競走馬に由来しており、神の名だけでもファリスファラリスミルリーフマイリー、ミゴリ等々があり、その他街の名リファールや道具名などにも競走馬に由来しているものが多々ある。
  3. ^ このように、フォーセリアの世界設定はしばしば推量形で説明される。これは、世界設定を「フォーセリアに住む人々はこう考えている」として紹介しているからであり、小説やワールドガイドで「事実である(公式設定である)」と説明されない限り、曖昧な記述となる(つまり、説明が覆されるという可能性が常に付きまとう)。これは、実際にテーブルトークRPGを遊ぶ人間、とりわけゲームマスターにシナリオ制作の自由度を与えるための措置である(清松みゆき著『ソード・ワールドRPG Q&Aブック』参照)。
  4. ^ 『漂流伝説クリスタニア』を参照。
  5. ^ 前者は、清松みゆき監修・秋田みやび/グループSNE著『明かせ!へっぽこ大冒険 新ソード・ワールドRPGリプレイ集ガイドブック』による。後者は、水野良/グループSNE著『ソード・ワールドRPG ワールドガイド』や『ソード・ワールドRPG 完全版』などによる。ソード・ワールドRPGには「後付の法則」と呼ばれる「矛盾する設定がある場合は発表順の遅い記述を優先する」という決まりがあるので、前者資料の記述を優先した。
  6. ^ なお、名称の由来は中国において「政治や文明の中心地、係争の地」を表す中原である。

[編集] 参考書籍

[編集] 外部リンク

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