アラン・ホールズワース
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アラン・ホールズワース(Allan Holdsworth、1946年8月6日 生まれ)はイギリスのギタリスト。主にロックおよびジャズ・フュージョン界で活躍。卓越した技巧を持ち、個性的な演奏を聴かせる。
[編集] 略歴
イギリス・ウェスト・ヨークシャー出身。1969年にイギンボトムのギタリストとしてデビュー。その後、イアン・カーズ・ニュークリアス、テンペスト、ソフト・マシーン、ニュー・ライフ・タイム、ゴングなどといったプログレッシブ・ロック、ジャズ・ロックのバンドを渡り歩いて名声を高め、1978年にはプログレ界の大物が集ったU.K.に参加した。しかしU.K.もアルバム1枚で脱退する。
1980年代からはソロ・アーティストとして順調にアルバムを発表するようになる。音楽的にはフュージョンに分類されるが、数多いギタリストの中でも屈指の高度な技巧を存分に発揮し、今日までジャンルに関わらずミュージシャンズ・ミュージシャンとしてその名を広く知らしめるようになった。
[編集] 演奏スタイル
大きな手と長い指で弦を押さえる独特のコード・ボイシングは彼の専売特許といわれ、一番の個性となっている。これは彼がジャズ・ギターの複雑なコードをコピーする際に、彼自身の解釈でピアノのボイシングで弦を押さえたのがきっかけだったといわれている。(エディ・ヴァン・ヘイレンがライトハンド奏法を始めたのは、ホールズワースの曲をコピーしたときに、左手の指が届かない音を右手の指でカバーしたのがきっかけだったといわれている。)
また、出来る限りピッキングの音をさせずレガートにフレーズを弾くのも特徴のひとつであり、彼独特の透明感や浮遊感を醸し出している。(初期の演奏では比較的ピッキングを多用している。)左手はハンマリング・オン中心で、プリング・オフをほとんど使用していないが、これもレガートなフレージングを実現するためである。
彼はインタヴューの中で「指板上の運指のイメージから新たな音階を発想する」と言った事があり、この事は、彼の音楽的発想の特長と独自性を示すものである。