アレンジボール
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アレンジボールとは、遊技機の区分のひとつ。厳密にはパチンコ(ぱちんこ遊技機)とは異なる区分に属する遊技機(アレンジボール遊技機)であるが、アレパチ(後述)の登場により、現在ではパチンコの1分野として扱われている。
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[編集] 概要
コイン(3枚200円のコインを1枚投入、ただし2004年以後の新要件機は1枚20円のコインを3枚投入)を投入し1セットの遊技を開始する。1セット16個(新要件機は16個または15個)の玉(手に取ることはできない)が払われ、この玉の数で下にある1~16の番号付きの穴に入れ、4×4のボードのランプを点灯させる。そのランプの付き方に応じてコインが払い出される。「縦」「横」「斜め」「真ん中4つ」「すべて」とあり、当然すべて点灯すれば高得点である。また「2倍」という入賞口もあり、そこに玉が入れば得点が2倍になる。ただし、最高得点が10点(投入したコイン数の10倍)と決められているため、それ以上のコインは払い出されない。
1986年頃、パチンコの「フィーバー」や「ターボシリーズ」、「スカーレット」等のデジパチに対抗して、デジタル表示の「大当たり役」を搭載する機種が出た(アレンジフィーバー)。これは大当たり時に肩チューリップに入賞すると、通常は殆ど入賞の可能性がない「特入賞口」が入賞したことになり、役が出来やすくなるもので、店側の設定した打ち止め個数まで続くものであった。以後、アレンジボールのゲーム性は、大当たりを当てるゲームになり、現在の権利物と、ほぼ同様のゲーム性となった。
[編集] アレパチ
太陽電子(現・タイヨーエレック)はコインではなくパチンコ玉を使用し、パチンコ台と同じシマに入れられるようにした「アレパチ」を開発し、1982年に発売した。なお「アレパチ」という名称は、タイヨーエレックの登録商標である。以後、玉の払い出され方や保留玉の有無などが違うのみでデジパチや権利物と大差なく、パチンコ感覚で遊べるようになった。ただし4×4のボードの代わりに番号の上にランプが点灯するようになり、1~4、8~11など4連続の点灯で 1点、特定の4連続の点灯でJP(ジャックポット)として3点が得点されるようになった。最高得点はアレンジボールと同じ10点(投入した玉数の10倍)である。
しかしアレパチは、あまりに射幸心を煽る仕様に発展した事から警察当局が介入し、強制撤去などの規制を受ける事となった。また2004年の規則変更によってパチンコCR機同様の出玉性能にするには複雑な遊技方法を強いられ、なおかつそれを逆用された攻略が通用したため、早期撤去の憂き目に会うことになった。
[編集] 現在の様子
現在はアレンジボール・アレパチともに、採算を度外視して旧台を設置しているごく一部の店以外にはほとんど設置されていない。アレンジボールは東京や大阪、小倉などの繁華街の一部や温泉街などの歓楽街にアレンジボール専門店、もしくは雀球やスマートボールとの併設店として存在し、アレパチは比較的地方の昔ながらのパチンコ店で新旧のパチンコに混じって今もなお活躍している。
最近は規則変更によってパチスロの射幸心が抑えられたこともあり、コインでパチンコに類似した遊技ができる(アレパチやパロットとは逆に、パチスロのシマに入れられる)アレンジボールが復活する兆しも見えつつあるが、前述の理由によって完全復活には至っていない。
2006年8月にSANKYOから「CRビッキーチャンスREV.」が発売されたが、同機種はアレパチの盤面を模しているものの内部的にはデジパチであり、アレパチではない。
[編集] 代表機種
- アレジン(藤商事)
- エキサイト(藤商事)
- アレンジマン(藤商事)
- アレキング(藤商事)
- シャトル21(藤商事)
- スーパーアレパチ(太陽電子(現・タイヨーエレック))
- ワイワイワイ(太陽電子(現・タイヨーエレック))
- CRビッキーチャンスI(SANKYO)