アンギオテンシンII受容体拮抗薬
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アンジオテンシンII受容体拮抗薬(-じゅようたいきっこうやく)は、昇圧物質アンジオテンシンII(以下、「AII」と書く)と拮抗し、AIIがAII受容体に結合することをブロックすることにより血圧の降下作用を示す薬物である。AII拮抗薬、ARB、AIIAなどともいう。
ロサルタン(商品名:ニューロタン)、バルサルタン(商品名:ディオバン)、カンデサルタンシレキセチル(商品名:ブロプレス)、テルミサルタン(商品名:ミカルディス)、オルメサルタン メドキソミル(商品名:オルメテック)などがある。
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[編集] 機序
AIIはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系と呼ばれる生体メカニズムの中で産生されるホルモン様物質でアンジオテンシンIが活性化した物質である。AIIの働きとして下記のような働きがある。
- 細胞質内にCa2+を流入させることにより血管を収縮させ血圧を上昇させる。
- 副腎皮質球状層のアルドステロン合成を促進し、分泌させる。
- 視床下部に作用して口渇感とADH(抗利尿ホルモン;antidiuretic hormone)放出を促す。
- 近位尿細管でNa+を再吸収促進させる。
- レニン分泌を抑制する。
AII受容体はAT1とAT2の二つがあり、AIIの大部分はAT1に結合して上記のような作用を発現する。AII拮抗薬はこのAT1受容体を直接阻害して降圧作用を示す。同じようにアンジオテンシン系の降圧剤としてACE阻害薬がある。
なお海外においてはサイアザイド系利尿薬ヒドロクロロチアジド(ハイドロクロロサイアザイド、HCTZ)との配合剤(「ハイザール:HYZAAR」等)が発売され臨床で使用されている。2006年12月には日本でもロサルタンとヒドロクロロチアジドの配合剤「プレミネント:PREMINENT」の販売が開始された。
ロサルタンだけは腎臓型尿酸トランスポーター(URAT1)に結合し、尿酸排泄を促すため、血中尿酸値の低下を来たす。
[編集] 適応症
- 高血圧
- 2型糖尿病性腎症:ロサルタン
- 心不全(ACE阻害薬不忍容例):カンデサルタンシレキセチル
※上記以外のARBには高血圧症以外の適応はない。
※なお、日本国外における国内承認薬のその他の適応症として
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- 2型糖尿病性腎症:ロサルタン
- 心不全:ロサルタン・バルサルタン・カンデサルタンシレキセチル
- 左室肥大を伴う高血圧患者の心血管系イベント抑制(特に脳卒中の予防):ロサルタン
- 心臓発作後の高リスク患者における心疾患死抑制:バルサルタン
- 病態の異なる広範な慢性心不全患者の心血管死および心不全の悪化による入院を減少:カンデサルタンシレキセチル
などがある。
[編集] 副作用
[編集] 禁忌
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
- 胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者:テルミサルタン
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