アンリ・バンコラン
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アンリ・バンコラン(Henri Bencolin)は、ジョン・ディクスン・カーの推理小説に登場する架空のフランス人探偵である。
『夜歩く』から『蝋人形館の殺人』までの長編4作では、友人の息子であるアメリカ青年ジェフ・マールの視点で書かれている。イギリスでの『絞首台の謎』事件、ドイツでの『髑髏城』事件を除き、ほとんどの事件で、パリを舞台に活躍した。
1880年頃に生まれ、アメリカの大学に留学した後、フランスの警察に入る。第一次世界大戦中は、ドイツのアルンハイム男爵を相手にスパイ合戦を繰り広げ、コンスタンチノープルではピストルの撃ち合いまでした。1927年には、パリの予審判事を務めていたが、その地位は金で買ったという噂もあり、犯罪者に対して容赦がないことからメフィストフェレスに例えられることが多かった。
1936年の『四つの凶器』事件では、パリの予審判事を引退しており、「かかし」に例えられるほど性格が温厚になっている。