イナリワン
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性別 | 牡 |
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毛色 | 鹿毛 |
品種 | サラブレッド |
生誕 | 1984年5月7日 |
死没 | - |
父 | ミルジョージ |
母 | テイトヤシマ |
生産 | 山本実儀 |
生国 | 日本(北海道門別町) |
馬主 | 保手浜弘規 |
調教師 | 福永二三雄(大井)/鈴木清(美浦北) |
競走成績 | 25戦12勝(うち中央競馬11戦3勝) |
獲得賞金 | 5億0932万6000円 |
イナリワンは日本の競走馬。1989年、地方競馬から中央競馬に転厩してきて、GIを3勝し年度代表馬に選ばれた。オグリキャップ・スーパークリークと共に「平成の三強」といわれた。
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[編集] 戦績
イナリワンは3歳(旧表記)時に大井競馬場の福永二三雄(福永洋一の次兄)の厩舎に入廐し、12月にデビューした。大井の名手宮浦正行を鞍上にデビュー戦から8連勝、南関東クラシック競走の最終戦の東京王冠賞(現在廃止)も制したが、5歳になってからは勝てない日が続く。しかし笠松競馬場に遠征した全日本サラブレッドカップで、笠松の雄フェートノーザンの2着に入ると、年末の東京大賞典(当時はダート3000m)を勝利する。
これで名実共に地方競馬最強馬の一角となったイナリワンであるが、東京大賞典は当時の地方競馬でも最高格とされた大レースであり、またこれ以降の地方のレースではイナリワンの獲得賞金額が多過ぎて、どこへ出走するにしても他馬と比較して遥かに重い負担重量を背負わされてしまうという、かつてはヤシマナシヨナルなどが経験したものと同じ境遇に直面する。かくて、この地方競馬での華々しい実績を手土産に美浦の鈴木厩舎に転厩する。
初戦のすばるステークス、続く阪神大賞典では敗れるものの、天皇賞(春)では、当時脚部不安で休養中だったスーパークリークの主戦騎手であった武豊を背に、2着ミスターシクレノンに5馬身差でレコード勝ち。さらに宝塚記念でも、同じく武豊鞍上でGI2勝目を飾る。
秋になると、スーパークリークの鞍上に戻った武豊の代わりに、名手柴田政人に乗り代わる。秋初戦の毎日王冠はオグリキャップとの伝説に残る叩き合いを演じ2着。3・4着に入ったメジロアルダン・ウインドミルとも直線で激しい叩き合いとなった。しかし秋の天皇賞は6着、ジャパンカップは超ハイペースの世界レコードに巻き込まれて11着と惨敗。有馬記念では単枠指定(1991年に馬連の導入に伴い廃止)になったオグリキャップ・スーパークリークの二強ムードが漂っていた。しかし柴田政人のムチに応えて、イナリワンは見事レコード勝ち。有馬記念を勝ったことや、秋以降しか出てこなかったオグリキャップ・スーパークリークに対し年間通して活躍したイナリワンに年度代表馬の栄冠が与えられた。
翌年も現役を続けたが、3戦して4,2,5着とふるわず、そのまま引退した。
種牡馬入りするが、やはりサンデーサイレンスをはじめとする海外からの種牡馬の前に印象を薄くしてしまう。ただ、スーパークリークなど他の平成三強がほとんど活躍馬に恵まれなかった一方、イナリワンはツキフクオー(東京王冠賞・親子制覇)、イナリコンコルド(大井記念・東京記念など)、シグナスヒーロー(日経賞2着、ちなみに1着が最低人気のテンジンショウグンで、7番人気のシグナスヒーローとあわせ記録的な大波乱)などの活躍馬を輩出できた点では、まだ幸せであったといえよう。
2004年を限りに種牡馬からも引退している。
[編集] 競走成績
1986年(1戦1勝)
1987年(7戦7勝)
- 東京王冠賞
1988年(6戦1勝)
- 東京大賞典
1989年(8戦3勝)
- 天皇賞(春)、宝塚記念、有馬記念、2着 - 毎日王冠
1990年(3戦0勝)
- 2着 - 天皇賞(春)
[編集] 主な産駒
- ツキフクオー(東京王冠賞・親子制覇)
- イナリコンコルド(大井記念・東京記念)
- シグナスヒーロー(2着 - 日経賞、ステイヤーズステークス、アメリカジョッキークラブカップ、エプソムカップ、七夕賞)
[編集] 血統表
イナリワンの血統 (ネヴァーベンド系(ナスルーラ系)/Nasrullah4.5×4=15.62%) | |||
父
*ミルジョージ Mill George 1975 鹿毛 |
Mill Reef 1968 鹿毛 |
Never Bend | Nasrullah |
Lalun | |||
Milan Mill | Princequillo | ||
Virginia Water | |||
Miss Charisma 1967 鹿毛 |
Ragusa | Ribot | |
Fantan | |||
*マタティナ | Grey Sovereign | ||
Zanzara | |||
母
テイトヤシマ 1970 鹿毛 |
*ラークスパー Larkspur 1959 栗毛 |
Never Say Die | Nasrullah |
Singing Grass | |||
Skylarking | Precipitation | ||
Woodlark | |||
ヤシマジェット 1960 鹿毛 |
*ソロナウェー | Solferino | |
Anyway | |||
ヤシマニシキ | *セフト | ||
神正 F-No.5-h |
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