イニュエンドウ
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イニュエンドウ | ||
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クイーン の アルバム | ||
リリース | 1991年 | |
録音 | 1990年 - 1991年 | |
ジャンル | ロック | |
時間 | 53分44秒 | |
レーベル | パーロフォン (UK) ハリウッド・レコード (US) |
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プロデュース | クイーン、デヴィッド・リチャーズ | |
レビュー | ||
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クイーン 年表 | ||
ザ・ミラクル (1989年) |
イニュエンドウ (1991年) |
クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986 (1992年) |
『イニュエンドウ』 (Innuendo) は、イギリスのロックバンド・クイーンの1991年のアルバム。
本国イギリスよりも、日本において先行発売された、クイーンの実質的ラストアルバムである。各曲のコンポーザーとしてはメンバー全員がクレジットされている(ただし、1曲のみ、作曲ないし録音された時期の問題と思われるが、例外となっている)。
前作『ザ・ミラクル』から1年半も経たずにリリースされ、事情を知らなかった世界中を驚かせた。しかしまもなく、ボーカリストのフレディ・マーキュリーのAIDS感染の噂が巷に広がりはじめる。
本国イギリスでは、5曲がこのアルバムからシングルカットされ、チャートの上位へ達する。
アルバムはフレディの体調のよい日を選んで録音された。さらに、このアルバムの録音がほぼ終了してから、このアルバムのプロモーションビデオを撮影することになるが、撮影日の順に見ていくと、フレディがやせ細って行く様子がわかる。
1曲目には、プログレッシヴ・ロックのバンド、イエスのギタリストであるスティーヴ・ハウが参加している。また、プロモーションビデオの製作はディズニー傘下の会社が行っていて、過去のパフォーマンス映像を加工してアニメをコラージュしたアート性の高い作品になっている。
2曲目「狂気への序曲」はその構成と独特な歌詞から、初期にフレディによって書かれたミュージカル系の曲(例『うつろな日曜日』)とよく比較される。その歌詞には、フレディのもとを学生時代からの友人で舞台俳優であるピーター・ストレイカー氏が訪れたときにしたお喋りがもとになっている、歌の中で一単語がどうしても気に入らず、朝4時まで悩んだなどの逸話が残されている。プロモーションビデオはフレディが道化師を演じるモノクロの映像作品で、やせ細ったフレディが痛々しい。しかし、フレディの演技には光るものがあり、ブライアンのペンギンのコスプレと本物のペンギンが共演していたり、ゴリラのぬいぐるみが出てきたりとユーモアに富んだ内容になっている。
「神々の民」は、もともとフレディのソロアルバム『バルセロナ』に収録を予定していた『アフリカ・バイ・ナイト』という曲であったが、ボーカルのパートナーであるモンセラート・カバリェに拒否されたために、バンドの曲として録音されたもの。また、ファーストアルバムの頃の録音と思われる曲「マッド・ザ・スワイン」(この曲がなぜここまで未発表のままで、ここにおいて初めて収録されたのかは不明)など、過去に録音されたと思われる曲が、CDシングルのカップリング曲として収録された。
「ショウ・マスト・ゴー・オン」は、フレディのもとへブライアンが持っていったところ、「すべてをこの曲にこめて歌う」とフレディが語ったといわれている。
[編集] 発売日
[編集] チャート
国 | チャート成績 | 売り上げ | ||
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最高位 | チャートイン週 | 獲得ディスク | ||
United States | 30 | Gold | 900.000 | |
United Kingdom | 1 | 37 | Platinum | 600.000 |
Germany | 1 | Platinum | 600.000 | |
Italy | 1 | 400.000 | ||
France | Platinum | 326.000 | ||
Netherlands | 1 | Platinum | 150.000 | |
Spain | 3 | Platinum | 140.000 | |
Switzerland | 1 | 2x Platinum | 100.000 | |
Austria | 2 | Platinum | 50.000 | |
Canada | Gold | 50.000 | ||
Japan | 17 | 50.000 | ||
Singapore | 3x Platinum | 45.000 | ||
Portugal | 1 | Gold | 20.000 | |
New Zealand | Platinum | 15.000 |
[編集] 曲目
※先に述べたとおり、作詞・作曲のクレジットは『クイーン』となっているが、インタビュー等で作曲者は明らかになっている。ここで挙げる作曲者はWikipedia英語版の『Innuendo』の2006年7月27日版の記事から引用したものである。
- イニュエンドウ - Innuendo * (Mercury,Taylor)
- 狂気への序曲 - I'm Going Slightly Mad * (Mercury)
- ヘッドロング - Headlong * (May)
- アイ・キャント・リヴ・ウィズ・ユー - I Can't Live With You (May)
- ドント・トライ・ソー・ハード - Don't Try So Hard (Mercury)
- ライド・ザ・ワイルド・ウインド - Ride The Wild Wind (Taylor)
- 神々の民 - All God's People (Mercury,Mike Moran)
- 輝ける日々 - These Are The Days Of Our Lives * (Taylor)
- 愛しきデライラ - Delilah (Mercury)
- ザ・ヒットマン - The Hitman (Mercury)
- ビジュウ - Bijou (Mercury,May)
- ショウ・マスト・ゴー・オン - The Show Must Go On * (May,Deacon,Taylor)
(*印はシングルCDタイトル曲)
※LP版ではドント・トライ・ソー・ハードが愛しきデライラとザ・ヒットマンの間に入る。(ライド・ザ・ワイルド・ウインドまでがA面、それ以降がB面である。)
註;「神々の民」は、クレジットを見ても明白なように、元々はモンセラート・カバリェとのコンピレーションアルバム『バルセロナ』用の曲であったが、カバリェの拒否により、クイーンでの演奏となった。
「ヘッドロング」と「アイ・キャント・リヴ・ウィズ・ユー」は、ブライアンが「クイーンの曲として採用してもらえるか半信半疑であったため、後の自分のソロアルバムに使う事も念頭に置いていたが、すんなり採用された」と自身のインタビューで答えている。
「ザ・ヒットマン」は、別資料によると、原案と作曲は、フレディーが中心、そして、ロジャーも参加して作られたが、ギターで演奏しづらいという理由で、ブライアンによってキーを変更(つまり転調)されたという。しかしながらブライアンのボーカルによるデモ音源が現存しており(ファーストセクションのみで、ドラムは打ち込みとおもわれる)セクション別に作曲されたと想像できるが、真偽はわかっていない。
フレディ・マーキュリー - ブライアン・メイ - ロジャー・テイラー - ジョン・ディーコン
オリジナルアルバム: 戦慄の王女 - クイーン II - シアー・ハート・アタック - オペラ座の夜 - 華麗なるレース - 世界に捧ぐ - ジャズ - ザ・ゲーム - フラッシュ・ゴードン - ホット・スペース- ザ・ワークス - カインド・オブ・マジック- ザ・ミラクル- イニュエンドウ - メイド・イン・ヘヴン
その他のアルバム: ライヴ・キラーズ - グレイテスト・ヒッツ - グレイテスト・ヒッツII - クイーン・ライヴ!!ウェンブリー1986 - クイーン・ロックス - グレイテスト・ヒッツIII~フレディー・マーキュリーに捧ぐ~- クイーン・イン・ヴィジョン - ジュエルズ- ジュエルズII
映像: グレイテスト・ヒッツ - グレイテスト・ヒッツII ラストツアー/クイーン1986- フレディ・マーキュリー追悼コンサート