イランイラン
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イランイラン | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
Cananga odorata (Lam.) Hook.f. & Thomson |
イランイランはイランイランノキ(Cananga odorata バンレイシ科カナンガ属/イランイランノキ属)の花および花からとれる香油の名。
[編集] 植物
イランイランノキは平均12メートルの樹高に達する。直射日光あるいは部分光によって生育し、原産地である熱帯多雨林の酸性土を好む。葉は長くなめらかで光沢がある。花(すなわちイランイラン)は黄緑色あるいは淡紅色で、ヒトデのように巻き上がり縮れた形状。非常に薫り高い精油を得ることができる。
イランイランという語はタガログ語由来 (ilang-ilang) であるが香気を意味する語ではなく、「花の中の花」という意味である。
[編集] 精油の利用
イランイランの香りは深く濃厚なゴムとカスタードを基調とし、ジャスミンとネロリが軽く重なった香りである。精油は花を蒸留して得る。蒸留液はその出始めから終わりのいずれのものかによって特級、1級、2級、3級の4等級に区分される。イランイランの主要な香気成分はアントラニル酸メチルである。
イランイラン精油はアロマセラピーで用いられ、高血圧を和らげ、皮脂の分泌を整え肌によいとされている。また性欲促進剤であるともされる。香水でも、特にオリエンタルノートあるいはフローラルノートのものにイランイランを用いることが多いが、ほとんどのフローラル系、フルーツ系、ウッディ系の香りと調和するため、さまざまにブレンドされる。
インドネシアには新婚夫婦のベッドの上にイランイランの花を散らす風習がある。
主な輸出国にコモロがあり、輸出の29%を占めている(1998年)。