オートマチック限定免許
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
![]() |
記事の正確さ:この記事の正確さについては疑問が提出されているか、あるいは議論中です。詳しくは、この記事のノートを参照してください。 |
![]() |
中立的な観点:この記事は、中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、あるいは議論中です。そのため、偏った観点によって記事が構成されている可能性があります。詳しくは、この記事のノートを参照してください。 |
オートマチック限定免許(-げんていめんきょ)とは、日本の自動車運転免許において、普通自動車免許と自動二輪車免許に設定されている運転における限定条件の1つで、オートマチック車(以下AT)に限り、運転出来る免許の事である。通称「オートマ限定」「AT限定」。
目次 |
[編集] 概要
日本において自動変速車(AT車)が広く普及したことにより、すべての人がクラッチ操作の必要なく運転する機会が増えたが、アクセルとブレーキの踏み間違いによる急発進などAT車特有の事故が見受けられるようになったため、自動車教習所においてAT車を導入し教習内容に組み込まれた後、その延長としてAT限定免許の導入も図ることになった。
そして1991年11月1日に免許制度としてのAT限定が普通自動車免許を対象に創設され、身体障害者も変速操作においては受験者個人における審査特例を受ける必要はなくなった。後に2005年6月1日からは自動二輪車免許にもAT限定免許が創設され、スクーターに乗るための免許取得が比較的気軽にできるようになった。ただし二輪においては四輪のAT車とは異なり、単に運転が簡易になるのではなく車体構造が大きく異なるビッグスクーターを教習にもちいるため、課題走行の種類によってはマニュアル車(以下MT)よりも難しくなっているものもある。心理的なお手軽感からの免許取得者増加を狙ったものとも言える。
身体障害者の運転免許取得において受験者個人における審査特例とは、障害者はその障害に応じた改造をされた自動車を運転免許試験場や自動車教習所に持ち込み、その車両で試験や教習を受け、その状況に応じた限定免許を交付されていた。MT操作を要求していた事は過去になく、この制度は現在でも変わっていない。またオートマチック限定免許で救済される障害は、左下肢の障害のみであり、AT限定免許が身体障害者向けであるという認識は間違いである。
なお、大型自動車や特殊自動車にはAT限定免許はないが、第二種普通自動車免許にはAT限定免許が存在する。二種普通AT免許の登場以前は、タクシー業界ではAT車の導入に障壁が存在した(新人ドライバーがAT車を運行することを認めてしまうと熟練ドライバーの優位がゆらぐという、甚だ顧客軽視の理由であった[要出典])が、現在では免許制度の変遷を受けそれらの慣習もほぼ無くなり、タクシーの運転手であってもクラッチ操作が出来ない場合もあることになる(また、タクシー車両もATが圧倒的になった)。
ちなみに、自動車販売店の業界団体である社団法人日本自動車販売協会連合会によれば、日本における乗用車のオートマチック車の販売台数比率は2003年で95%である。これには運転操作のしやすいことやAT機構の改良などに加え、AT限定運転免許の導入が大きく影響していると考えられ、一部スポーツ志向の車種以外ではMTの設定がない車種も多くなっている。
[編集] 限定の対象
AT限定での免許取得者には、条件欄に「~車はAT車に限る」との限定が記載された免許が渡される。なお、条件として定義された車は、普通自動車においてはクラッチペダル、自動二輪車においてはクラッチレバーを操作する必要のない車であり、セミATや遠心式クラッチなど変速操作によるエンストの可能性がない車両もAT限定免許で運転出来る。又、限定なし同様に原動機付自転車や小型特殊自動車も運転出来る。指定自動車教習所での教習の途中でMT車の操作が困難でやむを得ない場合は限定なしからAT限定へ移行する事も出来る。MT車よりも操作し易い事、発進が楽な事、エンストが殆どない事などから、限定なし免許より簡単に取得する事ができ、特に女性、高齢者を中心に、MT車の操作が苦手な人、MT車を運転するつもりのない人、時間的余裕がない人が取得する傾向がある。
[編集] 問題点
一方で、AT車しか運転する事が出来ない上に、次のような問題点もある。
- AT車の運転における運転技能に要求される事はMT車の運転のそれと大きな差異がある訳ではなく、自動車教習所では『運転操作が楽である事は運転そのものが簡単になる事ではない』と説明がなされている。
- 自分以外の車を運転する時に不利になる事もある。
- 車選びの制約。
- オートバイにおいて、大型自動二輪車免許はAT/MTの種類・排気量全てにおいて無制限である(唯一の例外としてトライクの運転には普通自動車免許が必要)。しかし大型自動二輪のAT限定免許ではATしか乗れないだけでなく排気量も650cc以下に制限される(例えばクラッチ操作を必要としないが排気量が650ccを超えるヤマハ・FJR1300ASには乗れない)。
- 就職に不利な場合がある。
- 男性がAT限定免許を取得する場合、世間からの偏見で「男なら限定なし」と言われたりする場合がある。[要出典]
- ただ、最近は男性のAT限定取得者が前に比べて増えているため、徐々に偏見は消えつつある。
- 指定自動車教習所での教習の途中でやむを得ない場合でもAT限定から限定なしへの移行は出来ない。
- ただし、限定免許取得後に、最短で4時限の教習及び技能審査(教習期限3か月)を受け合格することにより限定を解除できる。
- 坂道における車間距離不足
- MT車の特性が理解できない事から、坂道で停車する際の車間距離不足が指摘される。急な上り坂の場合、MT車は走り出す際に下がる特性を理解しておくべきである。
この為、AT限定で運転免許を取得するには、良く理解した上で取得しなければならない。2006年時点では、乗用車には、趣味性の強い一部特殊な車種を除き、軽自動車から輸入高級車に至るまでATが設定されているので、日常生活や一般的なドライブだけであれば、AT限定でも殆ど問題はない。レンタカーや大型小売店などの貸し出し用軽トラックも、殆どAT化された。
[編集] 限定解除をするには
AT限定から限定なしにする場合、AT免許を取得してから限定解除審査を受けなければならない。但し、第一種普通自動車免許AT限定の場合、第一種大型自動車免許・第二種普通自動車免許(限定無し)・第二種大型自動車免許を取得すると第一種普通自動車免許のAT限定は解除される。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 正確性 | 中立的観点に議論ある項目 | 出典を必要とする記事 | 運転免許