Wikipedia:ガイドブック 編集方針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ここでは、項目の記事を書く際のフォーマット、つまり決められた形式について解説します。多少の間違いは常連執筆者が直してくれますので、あまり形にこだわりすぎる必要はありませんが、できるだけこの形に沿った方が記事は読みやすくなります。
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[編集] いきなり詳しい記事なんて書けません
初版からいきなり詳しく分かりやすい記事を書けなくてもかまいません。多くの執筆者は、最初に記事を作るときにはほんの少しだけ書いて、それを元にみんなで書き加えたり、ふくらませたりして記事を育てていきます。これから育っていく小さな記事、まだまだ書きかけの記事のことをウィキペディアではスタブと呼んでいます。立派な花を咲かせるにもまず、“種まき”から始まります。
スタブを作るとき、記事が発展しやすくなるように、以下のことを心がけてください。
- はっきりと定義をする - これが何の記事なのかはっきり分かるようにしましょう。
- 少しでも説明してみる - 言葉の定義だけでは記事にはなりません。一言でも定義以上の情報を加えるように努力して下さい。
- 関連用語へのリンクを張る - 関連する言葉へのリンクは記事がふくらむためには大切です。
キーワードを書く - 「今すぐには自分では書けないけれど、この記事ではこんなことについて書いたらどうだろう」というようなキーワードをいくつか書いておくと他の執筆者の役に立ちます。
- 記事の最後に「{{stub}}」と書くと記事の一番下に、スタブであることを示すテンプレートが貼られ、Category:スタブカテゴリに自動的に載るので、他の執筆者がそのスタブ記事を探しやすくなります。
- 詳しくはこちらの文書を
[編集] 記事のフォーマット
[編集] 項目名
項目(記事)名は基本的には正式名称を使います。同じ名称で別のものがある場合には項目名の後に半角スペースを開けて、半角カッコで括った分類名をつけます。
(例:花、「花 (歌)」、「花 (ORANGE RANGE)」) 他の項目からリンクする際に、半角カッコと分類名を表示したくないときは[[○○ (分野)|○○]]と表記します。 (項目名に使える文字に関して一部制限がありますが、これも別の文書で触れることにします)
ここで大事なことですが、未執筆リンク(赤リンク)から新しい項目を作る場合は、その元になった「赤リンク」の名前がそのままつくので、未執筆リンクを張るときにその名前を正式な項目名としてふさわしいものになるようにして下さい。
[編集] 本文
基本は「概要→詳細」です。まず、記事の最初の段落は、その項目の定義をしっかりと書かないといけません。意識しないと意外に忘れやすいことです。
- たいていの場合、最初の文は「○○は××である。」という感じではじまることになるでしょう。
- (「~は~である」で始めるという決まりがあるわけではありません。が、多くの場合は必然的にそうなってしまうのです)
- 略称や別名などがあるなら、それもこの段落で書きましょう。
- タイトルが漢字の場合は、読み仮名を括弧で囲んで表題のあとに付けるのが標準的です。
- 文章は敬語を使わない“常体”(「だ・である」体)で統一します。
その後に1行空行を開け、それから詳しい説明を書いて下さい。説明は、ある程度大きな意味のまとまりごとに見出しを付け、必要なら最後には「== 関連項目 ==」と題したリンク集や「== 外部リンク ==」と題した外部リンク、「== 参考文献 ==」と題した書籍一覧を付けると、より意義深い記事ができあがります。
[編集] シリーズものの作品を書くとき
主に次のような方法があります。
- その記事で作品リスト作成し、そのリストで各作品の説明を書くか各作品の項目へリンクを張る。
- 各作品を記事における節の項目とし、各節でそれぞれの作品を説明する。
- 詳しくはこちらの文書を
[編集] 句読点は? 全角半角は? 特殊記号は?
- 句読点
- 日本語の文章の句読点は、「、」や「。」を使います。「,」「.」を使用するとすぐに訂正を入れられてしまうのはもちろんのこと、「まさか外部サイトからのコピーでは?」と疑われてしまう原因にもなってしまいます。
- 逆に「,」「.」を発見したら、外部サイトに似た文言がないかサーチしてみてもいいでしょう(これは意外に、不正転載発見の重要な手がかりなのです)。
- 全角・半角
- アルファベットや数字はいわゆる半角、カタカナは全角と決められています。(ウィキペディアはUnicodeベースなので半角カナも正常に扱えます。ですが、表記統一の面から半角カナを使っていません)
- 記号も英数字と同じく、基本的には半角で統一しています。本文ではそれでいいのですが、項目名(リンクの名前を含む)として使う場合は以下の文字が項目名には使えません。項目名においては、これらを全角にすることが仕方無く許容されています。
- + < > [ ] { } |
- また、記号と言っても「・」「、」「。」は日本語用の記号なので、これらは半角にするといわゆる半角カナになってしまいます。ですから、この3つだけは本文でも項目名でも、全角で記述しなければなりません。
- 特殊記号・特殊漢字
- 文字コードとしてUnicodeを使っているウィキペディアでは、日本語のコードにない難しい漢字や記号が表現できます。これは、中国史の記事だとか理数系の記事を書くときには重宝します。
- アラビア文字やハングルで人名の原語表記までできます。が、環境によっては表示できません。ですから、Unicode文字(日本語コードにない文字)を使うときは、読めなかった人向けにすぐ横に注釈を入れておいてください(*:また、Unicode文字を項目名に使うのはやめた方が無難です。項目名が化けると、その記事にたどり着くことさえできなくなりかねませんから。もしUnicode文字を項目名として使いたいのなら、リダイレクトページにして文字化けしない記事名のページへ誘導するページにしましょう。記事を検索するときに便利です。
[編集] 記事の体裁を統一したい
ここでは、記事の体裁(レイアウト)についての基本的な指針を紹介します。どうしてもこれに従わなければならないという訳ではありませんが、読者にとってはそれぞれの記事ができるだけ共通した様式で書かれていた方が読みやすいものです。
一般の記事については既に記事のフォーマットのところで簡単に説明しました。この他にも次のような指針があります。
- 書名には『羅生門』のように二重鉤括弧を付け、リンクを張るときには括弧は含まないようにする。
- 書名を欧文で書くときにはPhilosophiae naturalis principia mathematicaのように斜体を用いる。
- 年号は、「1982年」を「82年」と略しない。必要に応じて「1982年」のようにリンクを張る。
人物に関する記事では、最初にその人物についての基本的な情報をまとめて書きましょう。
- 「野口 英世(のぐち ひでよ、1876年11月9日 - 1928年5月21日)は……」のようにまず最初に読みがな、生没年月日を書く。
- 存命中の人物については - でそのことを表す。例えば、「安倍 晋三(あべ しんぞう、1954年9月21日 - )は、東京都出身(本籍地は山口県)の政治家、現内閣総理大臣(在任 2006年9月26日 - )」
- 日本人・中国人・韓国人以外の漢字で書けない人物の記事では、「カレル・チャペク(Karel Capek, 1890年 - 1938年)」のようにカタカナで書き、原語による表記と生没年月日を添える。
また、関連する記事は似たフォーマットを使用した方がよいでしょう。例えば火星と木星は同じようなフォーマットで書かれていた方が読みやすいですよね? 「Wikipedia:Template メッセージの一覧」には各分野ごとの“テンプレート”があります。 これを活用しましょう。
[編集] どんなことを書けばいいか・書かない方がいいか
ウィキペディアは事実を正確に記した百科事典の作成を目指しています。
[編集] 字引ではない
百科事典は用語集や国語辞典とどう違うのでしょう? 辞書や用語集は、言葉の意味や定義を説明するものです。もちろん、意味を説明するためにその言葉の背景にも言及しなければならないこともあるでしょうが、それは補助的に行われるだけで、本来の目的ではありません。 対して、百科事典は事柄を理解するための解説をするのを目的としています。 もちろん解説しようとすれば見出し語の意味の説明も必要なので、ウィキペディアの多くの項目は「○○は××である」という定義で始まっています。そして、その延長としてことわざや箴言、業界用語の意味を説明する項目を作りたくなるのも理解はできます。 しかし、それだけでは用語集と区別が付かなくなってしまうのです。
どこからが百科事典の項目で何が国語辞典の項目なのか、その境界線は曖昧なこともあります。そういう微妙なトピックについては、その言葉について言葉の意味や用法以外に、解説と呼べるものができるのかどうか、そこが判断の分かれ目になります。
ただ、専門的な項目では難しい概念を表すための専門用語が必要になることもあります。その項目の中で専門用語を説明することはむしろ奨励されていますし、必要に応じてその専門用語のための独立した項目を作る場合もあるでしょう。その場合でもできるだけ百科事典の項目であることを意識しましょう。
[編集] 中立的な観点
わかっているつもりでも難しいのが、この中立性です。 とくに政治や宗教が絡む記事では、意識していなくても主観的な意見を主張してしまうことがあるのです。
さて、ウィキペディアでは中立的な観点という指針が重視されています。 世の中には様々な考え方があり、対立し合っている意見もあります。ウィキペディアはこれらのどの意見に対しても中立的であることを目指しています。これは客観的にというのとは少し違います。 主観的な意見について、解説するなと言うわけではないのです。 なぜなら、そういう意見があること自体は事実ですから。 まとめると、
☆事実を書く。
☆様々な意見が存在する事実も書く。
☆自分の意見は書かない
ということになります。 結果としてどういう書き方が模範的かと言えば、「こういう意見がある。また一方ではこういう意見もある」とすることになります(どちらの意見が優勢か書くのは許容範囲でしょう)。 ですから、「これは絶対の真実である」と確信している見方があっても、反対意見も公平に扱わないといけません。 これは難しいことです。デリケートな事柄だと、そもそも何が事実なのかというあたりからすでに意見が対立してしまっていますから(例を挙げるのはやめておきましょう。挙げただけで編集合戦を誘発しかねません)。
中立性の難しさは、ひとつひとつの記述にとどまらないところにあります。 一文一文は中立的なのに、全体の構成が偏ってしまっている、ということも十分あり得るのです。 たとえば、ある宗教団体についての記事に、社会との軋轢を起こした事実ばかりが並んでいたとします。 これらすべてが事実であったとしても、その宗教団体の業績も入っていなければ全体としては中立でなくなってしまいますね(逆にその教団の問題点に一切言及せずに、宣伝に終始するという逆のパターンもあり得ますが、これもやはり、中立的ではありません)。
[編集] 差別表現や人権侵害について
公にさらされているウィキペディアで人権侵害が絶対に許されないのは当然のことです。 例えば、個人の住所や電話番号・メールアドレスなどの個人情報、その他プライバシーを記事内で公表しているものがあれば、発見した人はすぐに白紙化すべきですし、その記事は記事ごと早急に削除してしまわないといけません(白紙化しただけでは記事の履歴は残ってしまうので)。 記事をどうやって削除するかについては、運営の章に譲りましょう。
次に、差別的表現です。まず、差別用語を記述すること自体に制限はありません。そういう用語が用いられている(いた)というのは事実なのですから。 ただしそれは、その用語の背景などを説明する目的のためのみということになります。 そうでなければ記事自体が差別的になってしまいますし、そもそも中立性を欠いた主観的な文章になってしまいます。
あとは、名誉毀損。例え事実であっても、特定の人に社会的ダメージを与えるような事柄の公開は名誉毀損に当たってしまいます(相手が公人であって、公共の利益になる事実なら別ですが)。これも人権侵害と同じく、早急に白紙化・削除が必要な例になります。 相手を傷つけてしまうだけでなく、訴訟を起こされることでウィキペディアというプロジェクトを頓挫させかねないリスクがありますから。
[編集] 著作権侵害は絶対だめ
著作権はウィキペディアの存続にも関わる重要なテーマですので、次の章で詳しく述べます。
- 詳しくはこちらの文書を