サウスウエスト航空
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サウスウエスト航空 | ||
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IATA WN |
ICAO SWA |
コールサイン Southwest |
設立日 | 1971年 | |
焦点都市 / 準ハブ空港 |
フェニックス・スカイハーバー国際空港 マッカラン国際空港 シカゴ・ミッドウェー国際空港 ボルチモア・ワシントン国際空港 William P. Hobby Airport オークランド国際空港 ロサンゼルス国際空港 Dallas Love Field Airport Nashville International Airport オーランド国際空港 タンパ国際空港 |
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マイレージサービス | RapidRewards | |
保有機材数 | 475機 | |
目的地 | 63都市 | |
親会社 | Southwest Airlines Co. | |
本拠地 | テキサス州ダラス市 | |
代表者 | Gary C. Kelly (CEO) Herb Kelleher (会長) Laura Wright (CFO) |
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ウエブ: http://www.southwest.com |
サウスウエスト航空( -こうくう、Southwest Airlines、NYSE:LUV)はアメリカ合衆国テキサス州ダラス市を本拠地としている航空会社である。保有機数では世界で5番目に大きな航空会社である。格安航空会社として知られ、1973年以来、毎年利益を上げている。
目次 |
[編集] コードデータ
- IATA航空会社コード:WN
- ICAO航空会社コード:SWA
- コールサイン:Southwest
[編集] 概要
他のアメリカの大手エアラインが、「ハブ・アンド・スポーク型」と呼ばれるネットワークを持つのに対して、主にアメリカの地方空港同士を結ぶ「ポイント・トゥ・ポイント型」の航空網を持っている。客席はすべてエコノミークラスで、定員制で指定席ではない。飲み物(ソフトドリンクは無料・アルコール類は有料)やピーナッツなどは供されるが機内食はない。非常口に面した席の乗客に対しては、非常時の際の脱出などの協力を要請される。他航空会社との乗り継ぎのための時間調整は行わず、荷物転送もしない。また、空港で駐機している時間を減らすことによって運行便が増え、会社の利益が大きくなるため、サウスウエスト航空は大都市の空港でも、発着便数が少ない小さな空港を選んだりしている。
電子チケット制度を採用し航空券もない。機種はボーイング737シリーズに統一され、客室乗務員が清掃など複数の仕事をこなすなど、徹底したコスト削減等が図られ、収益率は他社より高い。アメリカ同時多発テロ事件後も黒字運営を続ける全米で数少ない航空会社の1つである。
社のポリシーとして「顧客第二主義」「従業員の満足(Employee Satisfaction)第一主義」を掲げる。「乗客に空の旅を楽しんでもらう」ことを従業員に推奨しており、出発前に客室乗務員によるパフォーマンスがあったりするなど、特異な経営方針を持つ。日本の航空会社では考えられないことであり、賛否両論あるようだが、おおむねジョークとして受け入れられている。そもそもアメリカの航空会社においては、乗務員の態度はおおむねフランクである土壌がある。
会社のポリシーに対して理不尽なクレームを言いつづけてくる顧客に対し、「今後乗らなくて結構です」と手紙を送り、従業員を侮辱する顧客に対しては他航空会社の利用を勧めたという。この「従業員を満足させることで、却って従業員自らが顧客に最高の満足を提供する」という経営哲学を追求することにより、実際に高い顧客満足度を得ている。アメリカでは少数派の家族主義的経営ともいえ、離職率は5%を切り、アメリカでもっとも働き甲斐のある会社の一つであるといえる。また、アメリカ同時多発テロ事件以降、アメリカの他の航空会社は軒並み、大量のレイオフを行ったが、サウスウエストは、唯一レイオフを行っていない大手航空会社でもある。
なお、格安航空会社全般にありがちなイメージとして「従業員の給料が安い」「整備に不安がある」などが挙げられるが、この会社には必ずしも当てはまらないと言われる。給与水準は大手航空会社と比較しても遜色なく、2005年12月8日にシカゴ・ミッドウェー国際空港で、滑走路の積雪によるオーバーラン事故により巻き込まれた自動車に乗っていた子供が死亡した事故が発生するまでは無事故であり、乗客が死亡する事故は会社創立以来発生していない。
客室乗務員の服装が、夏服の場合ポロシャツ、キュロットパンツ、スニーカーという様にラフな格好なのも乗客に大きなインパクトを与えているが、機内での作業の際軽快に動ける事では乗務員にも好評の様である。
日本のSouthwest Airlines(南西航空、現日本トランスオーシャン航空)とは関係がない。
[編集] 保有機材
航空機 | 機数 | タイプ |
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ボーイング737-500 | 25 | 近距離 / 国内線 |
ボーイング737-300 | 194 | 近距離 / 国内線 |
ボーイング737-700 | 211 | 中距離 / 国内線 |
サウスウエスト航空は現在運行しているボーイング737型機の3つのタイプのすべての顧客として挙げられ、サービスに500型機及び次世代型700型機の両方の最初の航空会社となった[1]。サウスウエスト航空の機材は平均約9年の機体年齢であり、1日に平均約7回の飛行回数である。
[編集] スペシャルマーキング
かつて、全日空がクジラのペイントを施した「マリンジャンボ」を運航させ話題を呼んだが、この会社は、実はそれ以前から、サンディエゴの水族館「シーワールド」のPR用として、保有機の一部の機体全体にシャチのペイントを施して飛んでいた。テキサス州の州旗をペイントした機が飛んでいた時期もある。最近では、NBAスペシャルカラーも登場した。
[編集] 関連項目
[編集] 関連書籍
- 「破天荒!―サウスウエスト航空 驚愕の経営」日経BP社、ISBN 4822240835
- 「社員第一、顧客第二主義―サウスウエスト航空の奇跡」毎日新聞社、ISBN 4620312592