シトロエン・エグザンティア
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シトロエン・エグザンティア(Xantia)は、フランスの自動車会社シトロエンがかつて製造、販売していた中型の乗用車である。
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[編集] 概要
製造期間は1993年から2001年。シトロエンの車として2CVに次ぐ販売実績をあげたBXの後継車として発売された。2000年発表のC5がエグザンティアの後継車となる。他に型の「ブレーク」(ステーションワゴン)があった。
シトロエン独自のハイドロニューマチックシステムおよびハイドラクティブを搭載していたものの、デザインが伊・ベルトーネによるものとなり、従来のデザインに一線を画したものとなったことから、当初日本においては古くからのシトロエン愛好家から不評を買った。反面、品質の向上や癖の無いその意匠から、それまでのシトロエン車を知らない新規ユーザーにも受け入れられ、あわせて2001年の発売終了から時を経た現在においても中古車市場において比較的高価格の相場を形成しているなど、日本においてもモデル末期までに一定の評価を確立した。
駆動方式は、シトロエン伝統のFF方式で、サスペンション形式は前輪がストラット後輪がトレーリングアーム。
ボディサイズは、全長4440×全幅1755×全高1380、ホイールベース2750(単位はmm)
[編集] デザイン
エグザンティアもBX、XMと同じイタリアのカロッツェリアであるベルトーネのデザインながら、BXが70年代シトロエンの特徴であった、Cピラーを折り目なくリアノッチに繋げたファストバックスタイルをそのまま継承して荷室部をハッチバック化していたのに対し、エグザンティアはノッチバックの輪郭によりデザインされた。このシルエットに利便性を図る伝統的なハッチバック機構を継承しているのが同車の特徴である。
これはシトロエン独自のデザインとしてGS以来連綿と続いていたシルエットからの決別となり、後輪のハーフ・スカートも廃止されたほか内装ではスピードメーター、ステアリングの形状なども一般的なものとなった。
[編集] 年表
- 1993年発売当初の欧州でのラインナップはセダンのみで、8バルブガソリンエンジンの1.6L・1.8L・2.0L、ディーゼルエンジンの1.9Lにはターボ付きと自然吸気の両方があった。
- 1994年に行われた最初のマイナーチェンジでは、ボンネット上にあったダブルシェブロンマークがフロントグリルに移され、ステアリングハンドルにエアバッグが装着された。
- 1995年には、ガソリンエンジンの1.8Lおよび2.0L車が8バルブから16バルブに変更された。但し、2.0LのAT車のみが8バルブのエンジンで継続された。同年秋には、ステーションワゴン型の「ブレーク」が追加された。
- 1996年にはディーゼルエンジン車がターボつきに統一。翌1997年には2.1L12バルブターボディーゼルモデルが追加。
- 1998年には大幅なマイナーチェンジが行われ、ガソリン車は全て16バルブになったほか、フロントマスクデザインの変更、ATのメーカー変更、全長の延長、コンソールパネルのデザイン変更、ハンドルの構造変更(ホーンスイッチがウインカーレバーからハンドルに移動)、3.0LのV6エンジンモデルの追加などが行われた。
[編集] 日本での販売
日本においてはセゾングループ系の新西武自動車販売及びマツダ(ただし途中で撤退)が正規輸入業者として販売を行い、セダン・ブレークともにガソリンエンジンの2.0Lのみが導入された。後に、3.0L・V6モデルも追加された。
[編集] 備考
Xantiaは、CX以降ここに至るまでのシトロエン乗用車が全てXで終わる名前だったことから、Xを先頭にもってきて作られたネーミングである。この発音は各国で異なり、ここでは「エグザンティア」とされているが、他の欧州各国では「クサンティア」「エクサンティア」などとも呼ばれた。