シリウス・ブラック
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シリウス・ブラック (Sirius Black) は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の魔法使いである。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 登場巻
[編集] 人物
[編集] 外見
黒髪で、灰色の瞳。健康であれば恐らく文句のつけようのないハンサムであろうが、アズカバン脱獄直後は、髪が肘まで伸びている上に縺れ、頬はこけている等、その姿は死人のようだった。ただ、3巻終了後はいくらか持ち直した模様。
原作ではスネイプよりも長身なのだが、映画ではシリウス役のゲイリー・オールドマンがスネイプ役のアラン・リックマンより背が低い為に、逆転現象が起きている。また、映画版では全身に刺青が施されているが、これは映画のみの設定。
[編集] 性格・才能
いたずら好きで、考えるより先に手が出る。どちらかというと激情型。
ハリーがいなくなると塞ぎ込んで不機嫌になるが、ハリーが帰ってくるとご機嫌になる等、かなり単純な面も見られる。これについて、J・K・ローリングは「21歳の時にアズカバンに投獄された為に、大人として過ごす時期がほとんどなかったせいだ」と述懐しており、アズカバンで過ごした12年間が、彼の性格に影響を与えていることは否めない。
ハリー・ポッターの名付け親であり、ハリーのことをとても大切に思っていて、ハリーの為ならかなり無茶なことでも平気でする。その反面、ジェームズの面影をハリーに重ねているせいか時折ハリーとジェームズを比較することがあり、ジェームズよりもおとなしいハリーに対してやや不満を抱いている節もある。
ホグワーツ在学中、シリウスとジェームズは「何でも一番だった」と述べられており、魔法の腕もかなりのものと思われる。また、無登録の「動物もどき(アニメーガス)」であり、黒い犬に変身できる。
[編集] 来歴
シリウスは1960年、魔法族の名門・ブラック家に生まれたが、「純血主義」の家風になじめずに育った。ホグワーツ魔法魔術学校でもグリフィンドール寮に組み分けされる(歴代のブラック家の者は全員スリザリン寮出身)等、ブラック家の中では異色の存在だった。
ホグワーツ在学中に同寮の同級生ジェームズ・ポッター、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューと親しくなり、行動を共にするようになる。特にジェームズは無二の親友であり、後にジェームズとリリー・エバンズの結婚式では花婿付添人を務めている。また、同じく同級生のセブルス・スネイプとの仲は悪く、シリウスの悪戯でスネイプは危うく死にそうになったことがある。
ブラック家の家風を嫌っていたシリウスは16歳の時に家を飛び出し、その後も家に戻らなかった(この時、一時ポッター家に世話になっている)。ホグワーツ卒業後には不死鳥の騎士団に加わる。
ポッター夫妻がヴォルデモートから命を狙われていることが発覚した時、一旦は「秘密の守人」となったが、容易に見破られることを恐れたシリウスは自分の代わりにピーターを守人とするよう夫妻に勧め、夫妻もその意見を受け入れた。しかしピーターが裏切り、夫妻は殺されてしまう。その事に気づいたシリウスはピーターを追うが、追い詰められたピーターに濡れ衣を着せられ、アズカバンに収監されてしまう。
3巻で、ピーターがロン・ウィーズリーのペットとしてハリーの近くにいることを知ったシリウスは、ハリーを守る為にアズカバンから脱獄した。クルックシャンクスの助けもあり、ピーターを追い詰めるがまたしても逃げられる。一度は魔法省に捕らえられたシリウスだが、ハリーとハーマイオニー・グレンジャーに助け出され、再び逃亡した。
5巻では、自分以外住む人もいなくなったブラック邸を不死鳥の騎士団の本部として提供した(シリウスにはレギュラスという弟がいたが既に亡くなっており、ブラック家の名を継ぐ者はシリウスだけだった)。しかしアルバス・ダンブルドアに本部から出てはならないと命令され、騎士団の為に何の役にも立てない事に不満を感じていた。
5巻終盤、死喰い人と戦っていたハリー達を救出する為、神秘部に乗り込んだシリウスは、従姉のベラトリックス・レストレンジが放った呪文を受け、ベールの彼方へ逝ってしまった。
6巻でシリウスがハリーに遺言を残していることが明らかになり、その中でシリウスはブラック邸をハリーに譲っている。
[編集] 呼び名
学生時代、友人からはパッドフット(Padfoot)と呼ばれた。これは、犬の足(foot)の裏に肉球(pad)があることに由来している。
また、「スナッフル(ズ)」という暗号名を持ち、4巻以降、ハリー達がホグワーツ城でシリウスの名前を出す時に使われた。
[編集] 映画
ゲイリー・オールドマンが演じている。