ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
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『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(ハリー・ポッターとアズカバンのしゅうじん、原題:Harry Potter and the Prisoner of Azkaban)は、イギリスの児童文学作家J・K・ローリングが1999年に発表した、子ども向けファンタジー小説『ハリー・ポッター』シリーズの第3巻である。同じ題名で映画化されている。またリチャード・ハリスが急死したことにより、アルバス・ダンブルドア役が今作からマイケル・ガンボンに変更された。
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[編集] ストーリー
ホグワーツ魔法魔術学校の3年生となったハリー・ポッターが、両親の死の真相を知らされるまでを描く。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
夏休み、ダーズリー家をマージおばさんが尋ねてくる。ホグワーツ魔法魔術学校から帰省していたハリーは、マージの意地悪な仕打ちに耐え切れなくなり、マージに魔法を使い、ダーズリー家を飛び出した。その直後、ハリーは暗闇の中に大柄な黒い犬を目撃する。
家を出ても行くあてのないハリーは、偶然現れた「夜の騎士(ナイト)バス」に乗ってダイアゴン横丁へ向かう。パブ「漏れ鍋」に到着したハリーだったが、そこには魔法省大臣コーネリウス・ファッジが待ち構えていた。処罰を覚悟したハリーだったが、ファッジはその件には触れず、ハリーに対し、新学期が始まるまで「漏れ鍋」に泊まること、外出はダイアゴン横丁のみにすることを約束させる。
夏休み最終日、ハリーはダイアゴン横丁でロン・ウィーズリーをはじめとするウィーズリー一家、ハーマイオニー・グレンジャーと再会する。その夜、「漏れ鍋」でウィーズリー夫妻の会話を聞いたハリーは、アズカバンを脱獄したシリウス・ブラックが、自分の命を狙っていることを知る。ブラックは、悪のボス、ヴォルデモートのしもべで、ハリーの両親を裏切り、その居場所をボスに教えて、両親を死においやったとされている。
新学期、「闇の魔術に対する防衛術」教授にリーマス・ルーピン、「魔法生物飼育学」教授にルビウス・ハグリッド(森番との兼任)が就任する。ハグリッドにとっては念願の教職であったが、初めての授業でドラコ・マルフォイに授業をメチャクチャにされてしまう。一方ルーピンの授業はたちまち生徒の間で人気となる。またハリーは、3年生から新しく「占い学」を受講したが、シビル・トレローニー教授からしょっちゅう死を予言され、うんざりする。
クィディッチのシーカーとして3シーズン目を迎えたハリーは、今年限りで卒業するキャプテン、オリバー・ウッドの為に、チームメイトと共に寮対抗クィディッチ試合の優勝を誓う。その初戦、対ハッフルパフ戦で、ハリーは吸魂鬼の影響を受けて箒から落ちてしまう(吸魂鬼は、ブラックから生徒を守る為にホグワーツ城へ派遣され、周囲を警護していた。空中をただよう、黒いぼろい布のように見える。顔は分からない。)。ハリーは吸魂鬼から身を守る為、ルーピンから「守護霊の呪文」を教わる。その後、対レイブンクロー戦に勝利したグリフィンドール代表チームは、最終戦でスリザリンを破り、見事優勝を果たす。
3年生になるとホグズミード村へ行くことが許されるが、マージおばさんの1件でダーズリー夫妻から許可を貰えなかったハリーは村へ行くことが出来なかった。そこへ、フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーから「忍びの地図」を譲り受ける。それはホグワーツ城の詳細な地図であり、ホグスミード村へ通じる秘密の抜け道も記されていた。抜け道を使ってホグズミード村へ向かったハリーは、ロン、ハーマイオニーと共にパブ「三本の箒」へ入る。そこで、ブラックと自分の父ジェームズ・ポッターが親友で、ハリーの名付け親であること、そして両親を裏切り、死に追いやったことを知り、気分が落ち込む。その後、再び村へ外出したハリーは、セブルス・スネイプに無断外出を疑われて詰問されるが、ルーピンの助けもあって処罰を免れるが、「忍びの地図」をルーピンに没収される。(映画では、深夜に、ハリーは、暗い校内を地図を見ながら歩いていく。地図は、誰がどこを歩いているか示している。地図ではピーター・ペティグリューが歩いてくるが、なぜか誰も見えない。ピーター・ペティグリューは、指だけ残してブラックに粉々に消し去られたといわれている)。
一方、ヒッポグリフのバックビーク(鳥の顔をして羽をもった馬のような動物。ペガサスにちかい)がマルフォイを傷つけた一件に関する裁判が行われ、バックビークの処刑が決定される。刑執行の直前、3人は密かにハグリッドを慰めるべくハグリッドの小屋を尋ねる。そこには行方不明のはずのロンのペットであるねずみのスキャバーズがいた。なぜかどこからか石が飛んでくる。それで、処刑人たちがやってくることに気づいて、ロンたちはスキャバーズを連れて城へ帰ろうとする。そこへ突然黒い犬が現れ、ロンが連れ去られてしまう。
ハリーとハーマイオニーはロンを追って叫びの屋敷に到着する(映画では、ここで、動く木の根元に入り口があり、木との格闘シーンがある。木の枝がムチのように襲ってくる)。そこで、黒い犬の正体がブラックであることを知ったハリー達はブラックと乱闘になるも、3人を追って来たルーピンの登場により中断。この後、ルーピンの学生時代の話を聞かせれたハリー達は、ねずみのスキャバーズの正体が、ブラックに殺されたと思われていたピーター・ペティグリューであることを知る(ねずみだから、以前、出会っても見えなかった。そして、ねずみは、指がかけていた。指だけ現場にのこして死んだふりをしていたのだ。そして、ねずみに化けていた。)。そして、ブラックから、ペティグリューがポッター家の居場所を悪のボスヴォルデモートに密告した張本人だと明かされる。この後、ハリーの提案で人間にもどったペティグリューを真犯人として魔法省に引き渡すことになった。しかし、満月の夜だった為に人狼のルーピンが狼に変身、理性を失い敵味方なく襲い掛かり、混乱の隙にペティグリューがまた、ねずみに変身し逃亡してしまう。ブラックは、黒い犬になり狼ルービンと格闘する。ルービンは、ハリーに向かってくるが、どこかから、遠吠えが聞こえ、ルービンはそちらへ去っていく。ハリーはブラックを追っていくが、ブラックは傷を負ってたおれていた。そこへ吸魂鬼の群れが襲いかかる。たぶん、死んだ父親の力なのだろう、とハリーは信じるが、魔法の光が吸血鬼を間一髪のところで追い払ってくれる。ハリー達は力がつきて気を失ってしまう。
ハリーとハーマイオニーが目を覚ました時、シリウスはスネイプに捕らえられて監禁され、死刑同等の「吸魂鬼の接吻」を施される危機にあった。アルバス・ダンブルドアからその事実を聞かされた2人は、「逆転時計(タイムターナー)」を使って時間を遡り、処刑寸前のバックビークを救い出し、シリウスをバックビークに乗せて逃亡させることに成功する。子供の証言程度では、シリウスの無罪を証明できなかった(映画で、未来からきたハリーたちがしたこと。なかなか小屋から動かないハリーたちに石をなげた。あとで、あのとき石が飛んできたのはそういうことかとわかる。また、狼ルービンに襲われていたハリーを助けるためにハーマイオニーは、遠吠えをした。そして、狼のルービンは、ハリーたちを追ってくるが、バックビークが助けてくれる。また、吸血鬼の群れに襲われるハリーたちを魔法で助けた。)。
シリウスの無実を晴らせずルーピンも辞職し、今ひとつ気の晴れなかったハリーだったが、ホグワーツ特急でシリウスからの手紙を受け取り、幸せな気分で満たされる。 (映画では、超高速で飛ぶ魔法のつえをうけとる)
[編集] 関係カテゴリ
[編集] 映画
イギリスで2004年5月31日、アメリカ合衆国で同年6月4日、日本では同年6月26日に封切りされた。
アルフォンソ・キュアロンが手がけたことにより前作よりシャープな大人向けになったと評価されている。また、前2作には無かった手持ちカメラによる撮影が多々見受けられる。
しかし人気監督となったため次回作では降板した。自分の作品の予算を作る為に参加したといわれている。
アカデミー視覚効果賞にノミネートされた。特に、ディメンターの造型は、原作ファンからも高い評価を得ている。
[編集] スタッフ
- プロデューサー:デイビッド・ヘイマン、クリス・コロンバス、マーク・ラドクリフ
- 監督:アルフォンソ・キュアロン
- 脚本:スティーブ・クローブス
- 視覚効果:ILM、ムービング・ピクチャー・カンパニー、フレームストアCFC、シネサイト、ダブルネガティブ
- 音楽:ジョン・ウィリアムズ
[編集] キャスト
- ハリー・ポッター:ダニエル・ラドクリフ(タイトル・ロール、吹き替え:小野賢章)
- ロン・ウィーズリー:ルパート・グリント(吹き替え:常盤祐貴)
- ハーマイオニー・グレンジャー:エマ・ワトソン(吹き替え:須藤祐実)
- アルバス・ダンブルドア:マイケル・ガンボン(吹き替え:永井一郎)
- ミネルバ・マクゴナガル:マギー・スミス(吹き替え:谷育子)
- セブルス・スネイプ:アラン・リックマン(吹き替え:土師孝也)
- ルビウス・ハグリット:ロビー・コルトレーン(吹き替え:斎藤志郎)
- フィリウス・フリットウィック:ワーウィック・デイヴィス
- リーマス・ルーピン:デヴィッド・シューリス(吹き替え:郷田ほづみ)
- シビル・トレローニー:エマ・トンプソン(吹き替え:幸田直子)
- シリウス・ブラック:ゲイリー・オールドマン(吹き替え:辻親八)
- ピーター・ペティグリュー:ティモシー・スポール(吹き替え:茶風林)
- ドラコ・マルフォイ:トム・フェルトン(吹き替え:三枝享祐)
- ジェームズ・ポッター:エイドリアン・ローリンズ
- ワルデン・マクネア:ピーター・ベスト
- マージョリー・ダーズリー:(マージおばさん):パム・フェリス
- スタン・シャンパイク:リー・イングルビー(吹き替え:岸尾大輔)
- ネビル・ロングボトム:マシュー・ルイス(吹き替え:上野容)
- ビンセント・クラッブ:ジェイミー・ウェイレット
- グレゴリー・ゴイル:ジョシュア・ハードマン
- オリバー・ウッド:ショーン・ビガースタッフ(吹き替え:川島得愛)
- パーシー・ウィーズリー:クリス・ランキン(吹き替え:宮野真守)
- フレッド・ウィーズリー:ジェームズ・フェルプス(吹き替え:尾崎光洋)
- ジョージ・ウィーズリー:オリバー・フェルプス(吹き替え:尾崎光洋)
- ジニー・ウィーズリー:ボニー・ライト
- コリン・クリービー:ヒュー・ミッチェル
- モリー・ウィーズリー:ジュリー・ウォルターズ(吹き替え:一龍斎貞友)
- アーサー・ウィーズリー:マーク・ウィリアムス(吹き替え:梅津秀行)
- バーノン・ダーズリー:リチャード・グリフィス(吹き替え:楠見尚己)
- ペチュニア・ダーズリー:フィオナ・ショウ(吹き替え:さとうあい)
- ダドリー・ダーズリー:ハリー・メリング(吹き替え:忍足航己)
[編集] 映画と本の相違点
- ファイアボルトをもらうタイミングが違う。
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ファン・作者関係: | ポッタリアン | 松岡佑子 - J・K・ローリング |
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