ジェームズ・カーク
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ジェームズ・タイベリアス・カーク(James Tiberius Kirk)(2233年3月22日 - 2293年/2371年)はSFドラマスタートレックシリーズに登場する架空の人物。宇宙船エンタープライズ号の船長。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] キャラクター
地球人男性で身長は177センチ。瞳の色は薄茶~褐色を帯びた緑。宇宙艦隊識別番号は「SC 937-0176 CEC」。大胆な手腕と社交的な性格で知られ、ファンの間で交わされる数多くの議論の中でも人気が高い。スタートレックにおいて最も偉大な船長と言われることもある。
物語の中では、カークは彼の人生とその死について伝説となっている。クリンゴンやロミュランからも尊敬の念を持って評されるほどの「難敵」でありながら、長い間宿敵としていたクリンゴンとの和平の立役者ともなった。24世紀においてもその功績と戦術はよく知られており、銀河系のアルファ・ベータ領域においてほぼ伝説化している。
初登場は2番目のパイロットエピソード「光るめだま(Where No Man Has Gone Before)」、以降オリジナルシリーズの主役として活躍。ウィリアム・シャトナーが演じた。TOS#79"Turnabout Intruder"(「変身! カーク船長の危機」)では、女性に変身してしまったカークをサンドラ・スミスが演じている。
カークは、作品を象徴するキャラクターとしてスタートレックのファン以外にも有名である。米国では、本放送から永く時を隔てた今日に至っても、その名を聞けば多くの人々がスタートレックとウィリアム・シャトナーを想起するという。
小説や以降のテレビシリーズではCaptainを「艦長」と訳しているが、日本でテレビ放送した宇宙大作戦ではCaptainを「船長」と訳したため、日本のファンの間ではカークのみ「船長」と呼び区別するのが慣例となっている。
[編集] 名前
ジェイムズJamesの愛称がジムJimであることから、スポック・マッコイら親友からはジムと呼ばれる。このため、キャラクター紹介でもジム・カークとされることがある。
本放送では「ジェームズ・T・カーク」とされ、ミドルネームについては言及はされていなかったが、1974年のアニメシリーズ第16話"Bem"(「分解宇宙人ベム」)で初めてミドルネーム「T」が「タイベリアス」の略とされた。これが映画第1作の小説版でも踏襲された[1]ため、ファンの間では事実上の標準的設定[2]とされ、追随する多くの小説やファンフィクションなどでもそのように扱われていった。しかし、「正史」とされる実写作品[3]での「タイベリアス」の登場は意外にも遅く、1991年の「未知の世界」が初めてである。「タイベリアス」が正統な設定となったのは、「ジェームズ・T・カーク」の初登場から25年も経ってからのことであった。
なお、カーク初登場となるパイロットフィルム"Where No Man Has Gone Before"(「光るめだま」)では、ミドルネームのイニシャルは「R」とされていた。
[編集] 家族
カークのロマンスは数多いが、生涯独身であった。TOS第58話"The Paradise Syndrome"(「小惑星衝突コース接近中」)で記憶喪失になった際にのみ自らの意思で結婚をしており、妻ミラマネは子供を身篭ったが生まれることなく母子ともに亡くなってしまった。
キャロル・マーカスとの交際中に息子デビッド・マーカスを儲けているが、カークがその事実を知ったのはデビッドが成人し研究者として研究用ステーション・レギュラス1で対面したときのことであった。そのデビッドもクリンゴンに殺害されており、家族に関してはある意味で飢えている。そのせいか、ネクサスに取り込まれた際には家族に囲まれた暮らしを望んでいた。
小説シリーズ"Shatnerverse"では、ジョーゼフという名の息子がいる[3]。
TOS第29話"Operation: Annihilate!"(「デネバ星の怪奇生物」)では、実兄ジョージ・サミュエル・カーク・ジュニアとその妻オリーラン、その息子(=カークの甥)ピーターが登場しているが、兄夫妻は宇宙生物に神経に寄生され死亡。ピーターのみが生き残っている。
カークの兄が「ジョージ・サミュエル・カーク・ジュニア」であることから、父親の名は「ジョージ・サミュエル・カーク(シニア)」であると考えられている。映画第5作「新たなる未知へ」の小説版でもそう描かれた[3][4]。また、ポケット・ブックスから出版された小説では、母親の名は「ウィノナ」とされている。映画第1作の小説版では、祖父はサミュエル。
[編集] 略歴
- 2233年3月22日
- 地球のアイオワ州リバーサイドで生まれる
- (3月22日およびリバーサイドは正史では言及されていないが、公式ウェブサイトではそう紹介されている。シリーズの生みの親ジーン・ロッデンベリーもリバーサイドで生まれたとする説を支持したとされる[要出典])
- 2243年ごろ
- タルサスIV番星の大虐殺で生き残る
- 2250年
- 宇宙艦隊入隊、アカデミーで学ぶ
- 2251年
- 学生ながら少尉として実地訓練を許され、USSリパブリックに配属。士官候補生の上級訓練を受ける
- 2253年
- 中尉、学生教官として宇宙艦隊アカデミーに戻る。「歩く書架」"stack of books with legs"と呼ばれ、その授業は「考えるか、沈むか、どちらかだ」"you either think... or sink."と言われた
- 2254年
- "コバヤシマル"テストをクリアした唯一の候補生となる
- 宇宙艦隊アカデミーを卒業、大尉としてUSSファラガットに配属。ガロヴィック艦長他大部分の乗員が犠牲になる中で惑星調査を初めて指揮、ガス雲エイリアンの破壊的攻撃から生き残る
- 2255年ごろ
- 少佐に昇進[3]
- 2260年ごろ
- 中佐に昇進、クリストファー・パイク艦長のUSSエンタープライズに担当士官として配属[3]
- 2263年
- 大佐に昇進、オーバーホールを終えたUSSエンタープライズの船長として5年間の深宇宙探査に出発(宇宙大作戦)
- 2268年
- 深宇宙探査を終え帰還、少将に昇進。宇宙艦隊司令部に所属
- 2272年
- ヴィジャーの襲来に対し改装USSエンタープライズを指揮(スタートレック (映画))
- 2277年ごろ
- 中将に昇進、艦隊アカデミー訓練部の指揮を執る[3]
- 2285年
- ジェネシス計画を妨害したカーンの攻撃により死亡したスポック大佐のカトラを救うためエンタープライズを強奪、爆破。(カーンの逆襲、ミスター・スポックを探せ!)
- 接収したクリンゴン船を用い、外宇宙の探査プローブの攻撃から地球を救う。(故郷への長い道)
- 両事件により、軍規違反ながらその功績を認められ大佐へ降格、USSエンタープライズAの船長となる。
- 2293年
- キトマー和平会議において反対勢力の妨害を防ぎ会議を無事終了させる。(未知の世界)
- USSエンタープライズBの就航の際、ネクサスによる損傷から艦を救い行方不明に。死亡したと記録される(実はそのネクサスに取り込まれていた)。
- 2371年
- ジャン=リュック・ピカードの説得によりネクサスを離脱。トリアン・ソランのネクサス再入計画から惑星ヴェリディアンIVの2億3000万の住民を救うも、その際の機材崩落に巻き込まれ死亡。ヴェリディアンIIIにてピカードに埋葬される。(ジェネレーションズ)
[編集] 日本語版吹き替え
テレビ放送された宇宙大作戦での声優は矢島正明。吹替版のカークは矢島の落ち着いた話し方のため知的な印象であるという。映画の吹き替えも多くは矢島によるが、以下の作品は別の声優による。
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- スペシャル・コレクターズ・エディションでは矢島による。
[編集] 脚注
- ^ 作品中では「カークの祖父サミュエルがローマ皇帝ティベリウスにちなんで名づけたが、カーク本人はこれを良しとせず、自ら略すことが多い」としている。
- ^ 映画作品の小説版やマイケル・オクダによる設定資料など、ファン間で人気の高い出版物は公式設定に準ずる扱いを受けることがあるが、あくまでも正統な設定の扱いはされない。
- ^ a b c d e f ファンやスタッフの間では、スタートレックの「正史」とされるのは実写映像化された作品のみであり、アニメシリーズや小説版は正統な設定とはされない。
- ^ この小説では他にUSSエンタープライズの最初の船長はアニメーションシリーズ第22話に登場するロバート・エイプリルであるとされている。この人物は実写映像作品には登場しないが、例外的に正史として扱われている。その肖像にはパイクと同じ船長用の制服を着たジーン・ロッデンベリーの写真が使われている。