ジョー・モンタナ
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ジョー・モンタナ(Joe Montana, 1956年6月11日 - )は、元NFL選手。ポジションはQB。アメリカ・ペンシルバニア州出身。史上最高のQBと称されることが多いが、これはスーパーボウル4戦全勝(MVP3回)という実績に加え、「モンタナマジック」と呼ばれる数多くの華麗な逆転勝利を数多く成功させたことによる。特に1989年の第23回スーパーボウルでのザ・ドライブと称される逆転劇はスーパーボウル史上の伝説として語られている。2000年、殿堂入り。なおサンフランシスコ・49ersの背番号16は永久欠番。
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[編集] 略歴
- 1979年 ノートルダム大学から、ドラフト3巡目(全体の82番目)指名で49ersへ加入した。
- 1980年 この年の終盤から先発QBとなる。
- 1982年 シンシナティ・ベンガルズを26-21で破り第16回スーパーボウルを制覇
- 1985年 マイアミ・ドルフィンズを38-16で破り第19回スーパーボウルを制覇
- 1989年 シンシナティ・ベンガルズを20-16破り第23回スーパーボウルを制覇
- 1990年 デンバー・ブロンコズを55-10で破り第24回スーパーボウルを制覇
- 1992年 カンザスシティ・チーフスへ移籍
- 1995年 現役引退
[編集] ザ・ドライブ
第23回スーパーボウル残り時間3分20秒からの逆転勝利を指す。ただし、86年のプレーオフでジョン・エルウェイが見せた自陣2ヤードからのドライブを指す場合と区別し、ザ・モンタナ・ドライブと呼ばれることも多い。
1989年の第23回スーパーボウル対戦相手は、1982年第16回スーパーボウルで49ersに敗れたベンガルズだった。前半戦スーパーボウル史上初となる同点(3-3)で折り返すも、試合はややベンガルズ優勢で進んでいく。第3Q6-6からベンガルズの36番スタンフォード・ジェニングスが93ヤードのキックオフリターンTDを決めて13-6と突き放すが、第4Qに入りジェリー・ライスのタイトロープTDにより13-13となる。残り時間3分20秒ベンガルズの3番ジム・ブリーチが40ヤードのフィールドゴールを決め16-13。この時誰もがベンガルズの勝利を確信していた。
自陣8ヤードライン残り時間3分10秒、刻々と時計の針が進んでゆく中、モンタナは次々とパスを成功させていく。モンタナは常にライン際へのパスを狙い、巧妙に時計を止めながら徐々に陣地を進めていった。そして残り時間34秒、モンタナが放った球はWRジョン・テイラーに渡りタッチダウン、49ersが20対16で奇跡的な逆転勝利を収めた。この92ヤードのドライブでモンタナはパスを9回中8本通して87ヤード前進させた。
[編集] ザ・キャッチ
1981年、その年13勝3敗でシーズンを終えた49ersは、NFCチャンピオンシップゲームでダラス・カウボーイズと対戦。最後は自陣11ヤードからの攻撃シリーズで、ザ・キャッチと呼ばれる劇的なタッチダウンパスをWRドワイト・クラークに決めて、28-27で勝利した。
[編集] 通算成績
- パス試投:5,391
- パス成功:3,409
- パス獲得ヤード:40,551ヤード
- タッチダウンパス:273
- インターセプト:139
- 1インターセプトあたりのパス試投:38.7
[編集] プレーオフ及びスーパーボウルでの成績
- 16勝7敗
- パス試投:732
- パス成功:463
- パス獲得ヤード:5,772(1試合あたり250.9ヤード)
- タッチダウン:45
- インターセプト:21
- 1インターセプトあたりのパス試投:34.8
- プロボウル出場:8回
- スーパーボウルMVP:3回
- スーパーボウル優勝:4回
- スーパーボウルでのインターセプト:0
[編集] 雑学
- 1980年のセインツ戦で、ハーフタイムには28点差で負けていたところを38-35と逆転勝利。26回ある第4Qの逆転劇の最初の1つとなった。
- 第19回スーパーボウルでのラッシングヤード59は、QBによるラッシング記録である。
- 彼の控えQBとなったスティーブ・ヤングは、史上最高の控えQBと言われた。(後にQB年間レイティングトップ6回:史上最多タイ)
- スティーブ・ヤングに更新される前は、彼がNFL年間レイティング史上最高記録を持っていた。
- 1990年のファルコンズ戦で自己ベストの476ヤード、6TDを記録した。
- 第40回スーパーボウルにゲストとして招かれる予定だったが、「息子のバスケットボールの試合の方が大事だから」と出演をキャンセルした。(引退選手を杜撰に扱うリーグに対する抗議の意味もあった、と後に語っている)
- アメフト漫画「アイシールド21」では登場人物の雷門太郎が「モン太」というアダナをつけられ、そのアダナを撤回しようとしたところ「ジョー・モンタナからとっているんだぞ」といわれ納得した。(彼のポジションはWRな為、その部分を除いても騙されている)
[編集] 獲得タイトル
- スーパーボウル・MVP:3回、1982年、1985年、1990年
- リーグ・MVP:2回、1989年、1990年
- 最優秀攻撃選手賞:1989年
- カムバック賞:1986年
- プロボウル選出:8回、1981年、1983年、1984年、1985年、1987年、1989年、1990年、1993年
[編集] 引退時の言葉
「夢から醒める時が来た。」
[編集] 日本での知名度
三菱電機のCMに出演し、「どんなモンタナ」と言うセリフでインパクトを残した。