スギナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スギナ | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||
|
||||||||||||
学名 | ||||||||||||
Equisetum arvense | ||||||||||||
和名 | ||||||||||||
スギナ | ||||||||||||
英名 | ||||||||||||
Field Horsetail, Common Horsetail |
スギナ(杉菜)は シダ植物のトクサ植物門トクサ科トクサ属の植物。
- 学名 Equisetum arvense
- 英名 Field Horsetail (Common Horsetail)
- 夏、土筆とは全く外見の異なる栄養茎を伸ばす。地下茎を伸ばして繁茂する。栄養茎は茎と葉からなり、光合成を行う。鮮やかな緑色で丈は10-40cm程度。主軸の節ごとに関節のある緑色の棒状の葉を輪生させる。上の節ほどその葉が短いのが、全体を見るとスギの樹形に似て見える。
生育には湿気の多い土壌が適しているが、畑地にも生え、難防除雑草である。
- 春の季語である。
なお、胞子体(土筆)の穂を放置すると、緑色を帯びたほこりの様なものがたくさん出て来る。これが胞子である。顕微鏡下で見ると、胞子は球形で、4本の紐が1ヵ所から四方に伸びている。この紐は湿気を帯びると瞬時に胞子に巻きつき、乾燥すると広がる。顕微鏡下に胞子の集団を捕らえておき、そっと息をかけると、瞬間に胞子は縮まり、放置すると次第に広がるのは、理科(生物)の授業での、生徒への演示には打って付けである。
[編集] 語源
- つくし
- スギナにくっついて出てくる事から、「付く子」、袴の所でついでいる様に見える事から、「継く子」となった説が有力である。「つくしんぼ、つくしんぼう」(土筆ん坊)とも。
- 「土筆」
- 土から出てきた胞子茎は、伸びきる前は先端まで「袴」に覆われており、その形状が「筆」に似ていることから「土筆」という字を当てられるようになったものと考えられる。
- 「Equisetum」
- 学名「Equisetum」の「equus」は「馬」、「seta」は動植物の「剛毛」の意味である。
[編集] 食べる
「土筆(つくし)」は春の山菜として親しまれている。袴を取って茹でて灰汁を抜き、だしで軟らかく煮たり、佃煮にしたりして食用とする。
[編集] 生薬
栄養茎の全草を乾燥させたものは生薬名を問荊(もんけい)といい利尿作用がある。花粉症対策としての土筆の効能にも最近注目が集まっている。「土筆を調理して食べたところ。症状がピタリと止まった」という記事が2006年2月6日の「朝日新聞」で紹介されている。この記事によると、土筆のエキスを用いた飴「つくし飴」の開発時に「日本大学産官学連携知財センター(略称:NUBIC=ニュービック)」が行ったモニター調査で全体の6割の(花粉症の)症状が改善された。生薬としてのスギナの効用は古くから伝承されていたが、土筆の効能が明らかになったのは珍しい。
カテゴリ: シダ類 | 山菜 | 植物関連のスタブ項目