スケートボード
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スケートボード(skateboard)は、2つ以上の車輪がついた主に合板製の人間の身長に満たない乗り物で、20世紀にスクーターを発展させ作られた。スポーツなどのレジャー目的で利用される。スケートボーディングをするのに用いられる。一時期は「ローラーサーフィン」などと称されることもあった。競技方法としてはスケートボードに乗りトリックを競うことなどがある。アメリカ合衆国・日本・ヨーロッパなどにプロスケートボードライダーが存在する。
日本での略称としては「スケボー」がよく用いられるが、スケートボーダーはこの名を嫌い「SK8」表記で「スケート」と呼称する。
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[編集] スケートボードスタイル
- ストリートスタイル
- その名の通り、街中に存在するもの(ハンドレール、レッジ、ステア、カーブなど)を使用してスケートすること。また、ダウンヒルなどが始まりだと言われている。代表的スケーターではマーク・ゴンザレス。主に平地で行われるもので、障害物をジャンプで越えたり、ストリートランプを使ったジャンプなどの競技を行う。
- バーティカルスタイル
- ランページまたはボールと呼ばれるところでターンをしながらジャンプ・トリック・ポーズなどを競う。バーティカルスタイルの大本を築いたアメリカ西海岸ベニス出身のゼファーチームに所属していたトニーアルバやジェイアダムス。近年だとトニーホークやクリスチャンホソイが有名。
- フリースタイル
- フラットランド(平地)において様々な技を連続的に行い、フィギュアスケートのように演技を行う種目。代表的な技としてキックフリップ・360度スピン・ドッグウォーク・ホッピング・などが上げられる。近年のスケーターではロドニー・ミューレン、鈴木茂一、藤井兄弟や吉田雅法が有名。
[編集] 主なスケートボードトリック
- チックタック
- ストリートなどでスケートボードの前方を振り子のように左右に振って前進していく基本的な技。
- マニュアル
- 自転車でいうウィリーのようなトリック。前輪だとノーズマニュアル。後輪だとテールマニュアル。
- ボンレス
- 片手でスケートボードを支え、軸足(後方の足)と反対の足で障害物を踏み切ったり、ランページのターンをする技。
- オーリー
- テールを強く踏んでジャンプしノーズ側の足でボードを擦り空中で地面とボードを平行にし着地するジャンプの基本トリック。
- フリップ
- オーリーの途中、足でデッキを擦り抜いて回転を加え、複数回転させて再び自分がデッキに乗るトリック。かかとで回すヒールフリップと、つま先で回すキックフリップがある。
- ハンドプラント
- ランページのトップでターンする時、片手で逆立ちするような形でリップ部分に手をついてターンしたり、ポーズを取ったりする技。
- エアーウォーク
- ランプなどを使ってジャンプした際、スケートボードを手で持つ代わりにフリーになった足で空中を走るようなポーズをする技。
- スライド系トリック
- スケートボードのデッキ部分を使って階段の手すりやランページ・ボールのリップ部分をすべる技。例えば、ノーズスライド、ボードスライド、テールスライドなど。
- グラインド系トリック
- スケートボードのトラックのシャフト部分で滑るトリック。火花が出ることもあり、なかなか刺激的でもある。例えば、50-50グラインド、5-0グラインド、Kグラインド、ノーズグラインドなど。
[編集] スケートボード用語
- デッキ
- スケートボードの板の部分を指す。
- ノーズ
- デッキの進行方向側の先端部分。
- テール
- デッキの進行方向と逆の先端部分。
- ウィール
- スケートボードにおける車輪部分。
- トラック
- デッキとウィールをつなげる部分。
- ビス
- トラックとデッキを支える金属部品
- キングピン
- トラックの内部の金属部分。
- ウィールを回転させるために、ウィール内にはめ込むリング状の金属機構。
- グリッチョ(俗称)
- スケートボードで足首、手首を捻挫すること。
- グキル(俗称)
- ↑と同じくスケートボードで足首、手首を捻挫すること。
[編集] スケートボードの歴史
- スケートボードの構造の歴史について説明する。
[編集] 第一世代(1960年代)
- 特徴
- 木製の板にローラースケートのローラー部分を取り付けたスケートボードであった。
- 1959年 Roller Derby Skateboard 設立
[編集] 第二世代(1970年代)
- 特徴
- ボード部にグラスファイバーやアルミニウムを使用したスケートボードが登場した。ボード部の幅は25cmほどであった。飲料水メーカのグラフィティがついたスケートボードなどがあった。
[編集] 第三世代(1980年代)
- 特徴
- スケートボードのテール部にコンケーブがつけられ。ノーズ部とテール部が区別されていた。又トリック成功率向上を図るため、足にボードが張り付くように滑り止めとして紙やすりのようなグリップテープが張られた。
- スケートボード前面 前足部及び後ろ足部にデッキテープが張られ。中央部にはスケートブランドのラベルや、スケートボードのモデル名があしらわれた。
- スケートボード裏面 ヘビーメタルのレコードジャケットのようなグラフィティが主に用いられた。
[編集] 第四世代(1990年代)
- 特徴
- ボードの大きさは、ほぼ幅 187.5 x 縦 800 mm(7.5" x 32")ぐらいであった。材質は maple plywood である。ウィールの大きさは、ほぼ 50 ~ 56 mm ぐらいの大きさであった。
- スケートボードのノーズ部にコンケーブがつけられた。
- ストリートスタイルをとるスケートボーダーが多く、構造もストリートトリック向けになっていく。
- スケートボード前面 中央部にはスケートブランドのラベルや、スケートボードのモデル名があしらわれたが、トリックの成功率向上のため全部分においてデッキテープが張られた。デッキテープは黒が好まれた。
- スケートボード裏面 時代の流行音楽を反映し、ハードコアパンクやオルタナティブロック、ヒップホップ調のグラフィティがあしらわれた。また、有名企業の商標をパロディしたものも流行した。
[編集] スケートボードの現状
- 特徴
- 1990年代からのスタイルが定着しているが、2005年頃には2輪タイプ(Tボード)から14輪タイプのものまで派生している。
[編集] その他
以下では日本における上記以外について述べる。
スケートボードは、法律上は遊具に分類される(自転車は軽車両となる)。
使用制限については、道路においては道路交通法の「道路における禁止行為等」の節である第76条4項において
「交通のひんぱんな道路において、球戯をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する行為をすること」
と定められている。(但し遊具であるスケートボードを公道で交通手段に使用するのは、使用者の安全確保の面からやはり推奨されない 例えば、坂道ではどうやって制動を掛けるのか? これはローラースケートにおいても同じである)
一方、公園等では市などの地方自治体の条例により、使用を禁止する事例が多くみられる。