セントラルライナー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セントラルライナーとは、東海旅客鉄道が中央西線の名古屋駅~中津川駅間で運行する快速列車である。座席指定制の列車であり、名古屋駅~多治見駅間の各停車駅で乗車・降車する場合はホームライナーと同様に座席を指定した乗車整理券(310円)を購入する必要がある。
愛称は、公募により決定されたものである。
目次 |
[編集] 運行概況
1999年12月4日のダイヤ改正で、従来同区間で毎時2本運転されていた名古屋駅~中津川駅間を走る快速列車のうち1本を置き換える形で設定された。従来の快速より停車駅を減らしたことで、岐阜県東濃地域の各駅から名古屋への到達時間を大幅に短縮し、乗車整理券さえ購入すれば着席が保証されるため、折から名古屋駅の駅ビルとして開業したJRセントラルタワーズの人気も手伝って好評を博した。 休日には増結車両が間に合わず、373系・383系特急形電車の応援を仰いで運転されるほどであった。なお、現在は車両の増備により特急形車両の使用は解消されている。
反面、それまで確立されていた快速4・普通4の「わかりやすいダイヤ」を崩したため多くの快速停車駅で実質的に本数減となり、また通過駅でもダイヤの極端な不等時隔化を招くなど、愛知県内の沿線各駅の利用者からは評判が悪い。また、岐阜県内の各駅利用者にとっても、乗車整理券購入に伴う実質的な料金負担の増加やその料金負担の割には、座席が料金不要の快速列車と同じ転換クロスシートのままである事や後述の乗車整理券不要措置区間(多治見~中津川間)相互の利用時には、空席が存在しても着席が制度上保証されていないなど、問題点も多い。詳細は乗車整理券を参照されたい。また近年では空席が多い傾向である。
[編集] 乗車整理券不要措置
同列車は、全区間で乗客数を限定しているわけではない点も注目すべきである。この列車は快速普通の上乗せではなく従来の快速列車の一部を置き換える形で運行されているので、本数の少ない多治見~中津川間相互の乗車に限っては乗車整理券が不要となっている。しかし、乗車整理券を持っていない乗客のための座席が定められていないため、乗車整理券を持った乗客が現れた場合には席を譲らねばならない。どの席なら空席か乗客は把握できないため、整理券を持った客が現れるたびに持っていない客は席の移動を強いられる。また、名古屋~多治見間利用にもかかわらず乗車整理券を購入しない乗客が多く、その場合車掌が発見次第、その場で乗車整理券を購入させる措置を取っている。乗車整理券一枚により1ブロック(2人分)の座席を確保できるので、乗車したときに指定された席に既に人が座っていた場合、乗車整理券の確認を求めたほうが良い。
[編集] 車両
車両は、専用の313系電車8000番台3両編成を使用しており、これを2本連ねた6両編成で運転される列車もある。中央西線においては383系が130km/h運転を行っているが、特急車両以外の最高速度は110km/hに制限されている。当初セントラルライナーもこの制限を適用されていたが、120km/hに引き上げられ、さらに2007年3月18日ダイヤ改正からは130km/hとした。しかし、いずれの引き上げに際しても所要時間の短縮はなく、その後定時運行を確保するための方策となっている。
313系8000番台は、セントラルライナーで使用するために製造された車両で、313系他番台に比べて車内の色調や雰囲気も一歩格上の豪華さを意識した造りになっている。乗降扉は1両あたり片側3カ所であるが、実際の運用時には中央の扉を閉切とし両端2カ所のみで乗降を扱っている。車両両端2カ所からの乗降により、車内に落ち着きを持たせる措置であると思われる。3ドアにした理由は「他の普通・快速列車運用にも使用するため」である。実際に、ラッシュ時に乗車整理券不要の列車に充当される運用が存在する。
[編集] 停車駅
名古屋駅 - 金山駅 - 千種駅 - 高蔵寺駅 - 多治見駅~中津川駅間の各駅
- 多治見駅~中津川駅間のみの乗車の場合は乗車整理券は不要
- JR東海名古屋地区普通・快速列車停車駅も参照のこと。
- 人身事故等でダイヤが大幅に乱れた場合、名古屋駅~多治見駅間でも各駅に停車(要するに全区間各駅停車)となる場合がある。その際は乗車整理券なしで乗車できる。