タイガーモス号
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タイガーモス号(たいがーもすごう、英語表記:Tiger Moth)とは、アニメ映画『天空の城ラピュタ』に登場する空中空母。空賊のドーラ一家が生活するものとして使用される。開発者はドーラの亡き夫。
[編集] 船体について
動力源は不明だが、劇中でエンジンから水蒸気が出ていることから一種の蒸気機関を持っていると見える。エンジン室は非常に広く、格駆動系の歯車がむき出しになっている。船体の形は独特で、主翼はティルト式になっており、乗務員がいっせいにワイヤーのようなものを操作して、翼の角度を変えてVTOL、高速飛行を自在に転換できる。高速飛行時、胴体中央部にある二重反転プロペラを四重にしたプロペラ群を始動させている。劇中でこれを始動させるのは、ギアチェンジのような動作で行われている。
攻撃・自衛能力は無く、劇中でゴリアテに遭遇した際、対抗手段が無いため逃げるしかなかった。船体上部には大きなバルーンが密着しており、飛行船の能力を一部兼ねているものと思われる。胴体後部には非常に大きな垂直尾翼があり、シンボルマークの髑髏が描かれている。司令塔は機体から前方にかなり張り出していて、接合部は金属の渡り廊下のようなものだけである。乗務員の移動が頻繁のようで、とても広く作られている。コックピットも横に長い筒上のもので、中央に円錐状に伸びたノーズコーンがある。ノーズコーンの左右前方にガラス窓があり、パイロットは右に、司令官は左の窓を覗く形になる。司令室中央には無線機器があり、通信傍受などはここで行われている。バルーンのもっとも上と、司令室の上に見張り台があり、夜間は交代で当直をする。バルーン上部の見張り台は分離式で、内部の右側にハンドルがあり、時計回しに回すと凧のフックが展張し、フックの中央のハンドルを回すと翼が開く。その後、通信を伝声管から電話に切り替え、切り離れる。鋼鉄のワイヤーが伸びてこの見張り台はおよそ数百メートルも高高度から偵察できる。
居住区画はバルーンと船体の間に存在し、ここは広い甲板にもなっている。各ブロックの通信手段は伝声管で行われ、非常にタイムリーな情報伝達が可能となっている。小型の船体ながら部屋の数は多く、また内部レイアウトもきちんとしている。劇中ではドーラの母親の部屋、食堂兼海賊達の寝室(食堂にハンモックを吊す。パズーは床に寝ていた)、エンジン室などが描かれている。以上のことから、掃除・洗濯・食事(一日5回)と、生活に関しては不自由していないようである。
[編集] 空中空母として
海賊たちの乗るフラップターを空中で発進、回収するシステムは非常に迅速に行われている。着艦時、フラップターは船体下部の後ろからアプローチを行い、マーシャラーの誘導で回収用のフックが左右に来る位置まで来るとフラップターを捕まえ、そのままレールに乗り格納庫奥まで押し込む、その後、次のフラップターを回収するため先の位置に戻る。発艦時はレールをすべるようにして後ろ向きに発進する。プレイステーションのゲーム「エースコンバット」に登場する空中空母スフィルナがこれと似たものとなっている。
[編集] スペック
全長(m) | 42 |
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全高(m) | 20 |
全幅(m) | 54 |
巡航速度 | 35ノット(約65km/h) |
最高速 | 72ノット(約133km/h) |
航続距離(km) | 3820 (無風巡航時) |