タイプライター
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タイプライターは文書を作成するための機械である。
欧文用のタイプライターと日本語用の和文タイプライター(和文タイプ)では、構造が大きく異なる。
手動式、電動式、電子式とタイプライターも進歩したが、文章作成のための機械としてはワープロ専用機、コンピュータ上でのワープロソフトへと移行した。
タイプライターで手書き文書の清書や口述筆記をする担当をタイピストといい、昔は女性の代表的な職業の一つであった。また、英語圏では視覚障害者が文章を書く上で強力な助けにもなった(ブラインドタッチ)。
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[編集] 英文タイプライタ
- タイプするときは、原則として紙を二重に重ねてタイプする。この間にカーボン用紙を挟めば、カーボンコピーができる。
- 英文タイプのキーの文字配列は前後4列、左右12字程度。一番手前にスペースバーが横長に取り付けられていた。今日のコンピュータのキーボードとほぼ同じである(ファンクションキーは無い)。誤字を消すには、ホワイトを塗るか、訂正用紙をはさんで、同じ活字を上からもう一度打ち込むなどする必要があった。
- デスクに常置して使う大振りのものと、小ぶりでケースに入れて持ち運びできるポータブルタイプがあった。
[編集] 手動式タイプライタ
19世紀末~20世紀前半を舞台とした映像作品で定番となる小道具であるが、活字アームが完全に戻ってから次のキーを打たないとアームがらみを起こして故障する(試し打ちが可能な状態で展示されているタイプライタは素人が打つことによって例外無くこの症状を起こしている)。また、キー自体も大変重い。
現在のコンピュータのキーが行ごとに少しずつずれているのは手動式タイプライタの名残である。
[編集] 電子式タイプライタ
アームがらみを避けるために一定のタイムラグを持って活字を打つようにした機構が工夫された。やがて活字の打刻機構も工夫されることになり、そのための電子制御機構はやがて、タイプライタをしてパンチカードや紙テープを駆逐せしめ、コンピュータの重要な入力機器となる(キーボード (コンピュータ))。
[編集] 製造メーカー
- オリベッティ (OLIVETTI)(イタリア)
- シルバー精工株式会社 (SILVER REED)(東京都)
- スミス-コロナ (SMITH-CORONA)(アメリカ)
- トリンプ (TRIUMPH)(ドイツ)
- 中島オールプリシジョン株式会社 (NAKAJIMA ALL)(長野県)
- ブラザー工業株式会社 (brother)(愛知県)
- レミントンランド (Remington Rand)(アメリカ)
- IBM(アメリカ)
[編集] 関連項目
- キーボード (コンピュータ)
- QWERTY配列
- インクリボン
- テレタイプ端末
- 写真植字機
- ワード・プロセッサー
- 和文タイプライター
- ルロイ・アンダーソン(タイプライターを使った曲を作曲している)