タイムクライシスシリーズ
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タイムクライシスシリーズ(たいむくらいしすしりーず)とは、1996年にナムコが製作した、『タイムクライシス』を初作とするアーケードガンシューティングゲームの作品のシリーズ。初作の『タイムクライシス』は、後に、家庭用としてプレイステーション、及び、プレイステーション2に移植されている。
本体のペダルを踏んだり離したりすることで、「物陰、障害物に隠れて、敵の攻撃を避ける。」という従来のガンシューティングゲームにはない、斬新な要素が取り入れられていた。
その後1998年に『タイムクライシス2』が登場(プレイステーション2に移植されている)。翌年には同ゲームの要素を取り入れた『クライシスゾーン』が登場(後に、2004年、海外で家庭版がプレイステーション2で登場している。但し、日本では未発売)する。
2001年にはプレイステーションオリジナルの続編『タイムクライシス プロジェクトタイタン』が発売。2003年には『タイムクライシス3』が登場(プレイステーション2に移植されている)。
2005年11月には漫画:『コブラ』を原作とする、タイムクライシスシリーズのシステムを採用したゲームの『コブラ・ザ・アーケード』がリリース。そして、現時点での最新作は、2006年6月にリリースされた『タイムクライシス4』である。
現在、以上の外伝作品を含むシリーズが、7作登場しており、セガの『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』シリーズ等と並ぶ、ガンシューティングゲームの代表作品とも謳われている。
通称は、『タイクラシリーズ』、『タイムシリーズ』、乃至、タイトルの頭文字を取った『TCシリーズ』である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
本シリーズの特徴は、本体(プレイヤーの足元)に接置されたペダルを操作して、防御と攻撃を切り替えるところにある。従来のガンシューティングゲームでは、プレイヤーキャラクターは常に敵に対して身をさらけ出しており、画面上に出現する敵から銃撃を受ける前に撃つ事以外にライフを失わない方法がなかった。しかし、本シリーズでは、通常はプレイヤーキャラクターは遮蔽物に隠れている状態であり、ペダルを踏んだ時のみ遮蔽物から飛び出して敵への攻撃が可能、というシステムをとった。これにより戦略性と臨場感溢れるプレイが可能になった。遮蔽物に隠れている間は、一切の攻撃を防ぐことができる。また、従来の同種のゲームでは、弾倉内の弾丸が尽きた際のリロード操作をガンコントローラーを画面外に向けて撃つという操作が多かったが、本シリーズではペダルを離す(隠れる)事でリロードを行う。
隠れている間は一切のダメージを受けないため、初代では持ち時間が設定されてそれが無くなるとゲームオーバー、2以降では各シーンに40秒の制限時間が与えられて時間が切れるとライフを失うようになった。4では制限時間が40秒以外にも設定されるようになり、より柔軟なシーン設定が可能になった。2以降ではダメージを受けると制限時間がリセットされる。
「2」までは基本的にはプレイヤーキャラクターの武器はハンドガンであり、特定の敵と戦うときに特殊な武器(マシンガン等)が使用可能であったが、「3」からになれば、最初からハンドガン、マシンガン、ショットガン、グレネードランチャーが用意されており、隠れている間にコントローラーのトリガーを引くことで武器の切り替えができるようになっている。ただし、ハンドガン以外の武器には弾数制限が付いており、弾丸がなくなると使用できない(特定の敵を撃つことで補給可能)。
[編集] シリーズ共通の主人公/敵
タイムクライシスには、シリーズを通して、主人公の組織は『VSSE』、必ず登場するボスキャラクターは『ワイルド・ドッグ』となっている。
但し、クライシスゾーンのみ、例外である。
[編集] VSSE
クライシスゾーンを除く、全てのタイムクライシスシリーズの主人公の属する組織で、全世界の問題に対し、スパイ(諜報員)/エージェント(工作員)を送り込み、これを解決に導く国際特殊諜報機関である。
『Vital Situation,Swift Elimination(致命的状況を迅速排除する機関)』の頭文字をとったもの(英語版Wikipediaの『VSSE』の項目を参照)。
そこに属するエージェント達は、平時にはそれぞれの職業に就いており、有事になれば、VSSEに呼び出され、任務に就く。
詳しくは、『初代』、『2』、『3』、『4』のページを参照。
en:V.S.S.E.
また、先述の通り、クライシスゾーンには、唯一、登場していない。クライシスゾーンの主人公:クロード・マクガレンは、イギリスのスコットランドヤード(ロンドン警察)が誇る、対テロ特殊部隊:『STF(Special Tactical Force)』に属している、エリート隊員(第1小隊隊長兵)である。
[編集] ワイルド・ドッグ
クライシスゾーンを除く、タイムクライシスシリーズの全作品に登場しているボスキャラクターで、『野良犬』という意味の暗号名を持つ(その為、一部の攻略サイト、ファン等の間では、『犬』、乃至、『お犬様』と呼称していることもある)素性が一切不明の伝説の凶悪犯(中国系マフィア出身との噂もある)。
オールバックの黒髪に、丸サングラス、茶色い(黄土色系)ロングトレンチコート、青いカッターシャツに、赤いネクタイを着用している(但し、例外として、『プロジェクトタイタン』では赤いカッターシャツに、黒いネクタイ、『4』では、黄色いカッターシャツに、薔薇の模様が入った白いネクタイであった)。
また、『3』ではうっすらと白髪が、『4』では皺が見え始め、新作が出る度に老化していることが窺い知れる。
使用している武器は、モーゼルC96らしき拳銃だが、『プロジェクトタイタン』、及び、『2』以降、左腕の義手に仕込んだガトリングを主とする、様々な武器も併用している。
初代タイムクライシスでは、『ワイルド・ドッグ』という傭兵部隊(実際は巨大犯罪組織)を率いていたが、初代主人公:リチャード・ミラーに壊滅させられ、本人も自爆している(正確には、事故。 リチャードに蹴り掛からんとした際、逆に撃たれて、古城に仕掛けた爆薬の起爆装置を落としてしまい、古城の派手な爆発に巻き込まれた)。
『2』以降では、新作が出る度に、何故か、改造手術を施し、必ず復活している(但し、初代では最終ボスであったが、『2』以降はそうでない)。
また、率いていた組織が壊滅した為、『2』以降、企業、軍部等に雇われ、活動していたが、他方、『1(初代タイムクライシス)』のときもそうだが、「ワイルド・ドッグを雇った者は、必ず、不幸な目に遭う。」、というジンクス(不吉な噂)があり、何れの事例も、ワイルド・ドッグを雇った組織の計画は、ことごとく失敗、あるいは、ことごとく組織が壊滅している。
『2』以降、彼が倒されたときには、必ず自爆しており、それは、「赤い服の敵兵は、いきなり攻撃を当ててくる。」、ということと並んで、シリーズの恒例となっている。
また、『3』のみ、彼の弟子である『ワイルド・ファング』が登場する。
また、タイムクライシスシリーズを通して、ファンからの人気も結構高く、そのことから、ある意味でのダーティーヒーロー(「行為、目的も悪だが、その生き様等が一部の共感を得る。」、というアンチヒーローの一種。)といえるだろう。
各作品でのワイルド・ドッグについては、『初代』、『2』、『3』、『4』のページを参照。
en:Wild Dog (Time Crisis)
[編集] シリーズの時間軸
『作品名/勃発した事件』の順で紹介する。
- タイムクライシス/セルシア共和国大統領令嬢誘拐事件、『カンタリス』兵器工場摘発
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- タイムクライシス プロジェクトタイタン/セラノ大統領暗殺事件、『プロジェクトタイタン』
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- タイムクライシス2/『スターライン・ネットワーク計画(NDI社による核軍事衛星打ち上げ)』
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- クライシスゾーン/URDAによる『ガーランド・スクウェア』占拠事件
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- タイムクライシス3/ルカノ紛争
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- タイムクライシス4/極秘兵器不正取引事件、米軍極秘生物兵器部隊:『ハーメルン大隊』によるクーデター
[編集] 関連項目
- コブラ・ザ・アーケード…このシリーズの「ペダルを踏んで攻撃、ペダルを離して隠れる。」、というシステムを使っている。
[編集] 外部リンク
いずれもナムコ公式サイト
[編集] アーケード版
[編集] コンシューマー版
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本編 | タイムクライシス - タイムクライシス2 - タイムクライシス3 - タイムクライシス4 |
番外編 | クライシスゾーン - プロジェクトタイタン |
関連作品 | コブラ・ザ・アーケード |