タラワ
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タラワ環礁(Tarawa Atoll)はキリバス共和国の首都であり、中部太平洋にある環礁の名称。
[編集] 概要
バイリキ島、ボンリキ島、ベチオ島、アンボ島、ビケニベウ島など計24の島々から成り、うち8島は無人島である。以前はイギリス領ギルバート諸島の首府であった。 住民の大半はミクロネシア人である。1990年時点での人口は約2万8千人で、ボンリキ島が最大の面積・人口を誇り、タラワ環礁唯一の国際空港がある。
バイリキ島はタラワ環礁内では比較的小さな島だが、キリバス共和国およびタラワ環礁の政治の中心地であり、実質的な首都機能を果たす。ただしキリバス共和国議会はアンボ島にあるほか、いくつかの行政官庁はベチオ島やビケニベウ島に分かれて設置されており、いわゆる一極集中型の首都ではない。
ベチオ島はタラワ環礁の経済の中心地で、主要な港湾を抱えることから、コプラや真珠を輸出している。この島はかつて、日米間で戦闘が行われた激戦の島でもある。
[編集] 行政
タラワ環礁は大きく南タラワ、ベチオ、北タラワという3つの行政区に分けられる。南タラワはバイリキ島からボンリキ島にかけての地域であり、テイナイナノ都市評議会(TUC)という機構が管轄する、キリバス共和国の実質的な首都かつタラワ環礁の政治的中心である。ベチオは経済の中心ベチオ島を区域とし、ベチオ町評議会(BTC)が管轄する。そして残りの地域が北タラワに分類される。
[編集] 歴史
太平洋戦争中の激戦地として知られ、1943年11月20日より開始されたタラワの戦いでは、この島を要塞化した日本軍とアメリカ軍との間で壮絶な戦いが繰り広げられた。 現在も、日本軍関連の施設がベチオ島のいたる所に残っており、戦没者の慰霊碑もある。