チェット・ベイカー
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
チェット・ベイカー (Chesney Henry Baker Jr. 1929年12月23日 - 1988年5月13日) は、ジャズのトランペット奏者。 オクラホマ州イェール生まれ。
ウエストコースト・ジャズの代表的トランぺッター。 トランペットの実力はチャーリー・パーカーにも認められ、1952年~1953年にかけて彼のバンドでも活躍した。 その時の演奏は「The Bird You Never Heard (Stash)」で聴くことが出来る。 またその中性的なボーカルも人気があり、1954年にレコーディングされた「Chet Baker Sings」の「My Funny Valentine」はチェットの代表曲の1つであると同時に「My Funny Valentine」の代表的カヴァーの1つでもある。 このチェットの歌い方にジョアン・ジルベルトがインスパイアされ、ボサノヴァ誕生の一因となったと言われている。
1950年代半ばは時代の寵児とも目されて、かのマイルス・デイヴィスをも凌ぐ人気を誇っていたが、1950年代後半から1960年代にかけてドラッグ絡みのトラブルに巻き込まれ、米国のみならず海外公演先のイタリアでも逮捕される。 さらに1970年にはドラッグが原因の喧嘩に巻込まれて歯を折られてしまい、演奏活動の休業を余儀なくされた。 この間には生活保護を受け、ガソリンスタンドで働いていたという噂も聞かれる。 しかし、 1973年にはディジー・ガレスピーの尽力により復活を果たし、1975年辺りから活動拠点を主にヨーロッパに移した。
チェットの初来日は1986年3月で、翌87年にも再来日した。 また、 1987年~1988年にかけて、ファッション・フォトグラファーのブルース・ウェーバーがチェットの自伝的ドキュメント映画「Let's Get Lost」を撮影していた。
1988年5月13日、チェットはオランダアムステルダムのホテルの窓から転落して死亡した。 転落の原因は定かではない。 ドキュメント映画「Let's Get Lost」は彼の死後まもなく封切られ,アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされた。
[編集] ディスコグラフィー (代表的リーダー作)
- Witch Doctor
- Chet Baker & Strings
- Chet Baker Sings
- Chet Baker Plays and Sings
- Chet Baker & Crew
- Embraceable You
- Chet Baker Sings It Could Happen to You
- Chet Baker in New York
- Chet - The Lyrical Trumpet of Chet Baker
- She Was Too Good to Me(邦題:枯葉)
- Broken Wing
- Diane
- Cool Cat
- Chet Baker Sings and Plays from the Film "Let's Get Lost"
- Memories / Chet Baker in Tokyo
- The Last Great Concert
[編集] ディスコグラフィー (代表的参加アルバム)
- Inglewood Jam-Bird & Chet Live
- Concierto(邦題:アランフェス協奏曲) (Jim Hall)
カテゴリ: アメリカ合衆国のトランペット奏者 | オクラホマ州の人物 | ジャズ・ミュージシャン | 1929年生 | 1988年没