テトラ
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テトラ
- 南米原産のカラシン目カラシン科に属する小型魚類の総称。本項で詳述。
- tetraは「4」を意味するギリシャ語接頭辞。tetrachloromethane (CCl4)など。
- 株式会社テトラ - 新日鉄系列の、臨海工事等を中心に行う会社。
- テトラポッド - 上記企業の製品である四足の消波ブロックの商標名。
- 『TETORA』 - 深沢美潮のライトノベル小説。
- ドイツにある観賞魚用品メーカー。
- 架空のキャラクター
- 映画『ジュブナイル』に登場する小型ロボット。
- ゲーム『ゼルダの伝説 風のタクト』に登場するキャラクター。
テトラとは、一般的には南米原産のカラシン目カラシン科に属する小型魚類の総称である。体長は数センチに満たないが、数十匹から数百匹といった単位を群泳させると大型魚にも負けない見ごたえがあり、水草水槽のグリーンにも映える。ただし、他のカラシン科の魚種にも、その名前の中にテトラの呼称を有する種類がある。熱帯魚の中でも種類が多く、また新しい種類が度々紹介されるため、それらの珍しいテトラを専門に蒐集するアクアリストも多い。
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[編集] Paracheirodon属
- ネオンテトラ Paracheirodon innesi
- ニューゴールデンネオンテトラ Paracheirodon innesi ver.
- ネオンテトラの改良品種の一つで、透明感のあるやや薄いピンクの体色で、淡いブルーのラインのみが入る。
- ニューレッドゴールデンネオンテトラ Paracheirodon innesi ver.
- ネオンテトラの改良品種の一つで、ニューゴールデンと似ているが、原種のネオンテトラの赤みを失っていないため、より美しい。
- カーディナルテトラ Paracheirodon axelrodi
- 成魚で5cm程度。ネオン・テトラとよく似るが、下腹の赤色のラインは、頭部から尾までほぼ一直線に伸びる。
- 繁殖が困難で、南米のネグロ川で採集したものが流通するためか、価格はネオン・テトラよりも高めである。
- グリーンネオンテトラ Paracheirodon simulatus
- ネオンテトラから赤味を取り去ったような色彩のテトラで、Paracheirodon属の他の2種よりは流通量は少ない。
- グリーンという名前が付いているものの、ライン色は『緑色』というよりはネオンテトラのブルーがやや退色した程度の発色であるため、ロングラインネオンという別名で呼ばれることもある。
[編集] Hemigrammus 属
多くのポピュラーなテトラを含む属。
- グローライトテトラ Hemigrammus erythrozonus
- やや黒みがかった半透明の体の中央にオレンジ色のラインが入るテトラ。
- 大きさは5センチ程度と比較的小型で、ヒレの先端が白くなる。
- ラミーノーズ・テトラ Hemigrammus blehri
- 赤く染まる頭部と、尾びれに入る黒白の模様が特徴。
- ゴールデン・テトラ Hemigrammus armstrongi
- 特殊なバクテリアの寄生によって、体に光沢を帯びたテトラ。
- 本種は銀色の体に青白いラインが入るが、
- 他に金色の光沢を持つHemigrammus rodwayも同じ名前で流通する。
[編集] Hyphessobrycon属
比較的体高が高く、背びれと尻びれが伸びる傾向がある。
- ロージィー・テトラ Hyphessobrycon bentosi
- 淡い桜色を帯びた体に、黒白の模様を持つ背びれが特徴。
- 成長すると上下のヒレが伸長し、見ごたえのある姿になる。
- ブラックネオン・テトラ Hyphessobrycon herbertaxelrodi
- 黒い体に白いラインが一本入り、目の上部がオレンジ色になるだけの
- シックな配色の魚。昔からポピュラーに売られている。
- レッドファントム・テトラHyphessobrycon sweglesi
- 赤い体色の美しいテトラで、「ルブラ」と呼ばれる赤味の濃いものに人気がある。
- 別種に体色の異なるブラックファントムテトラ、イエローファントムテトラなどが存在する。
- ペレズ・テトラHyphessobrycon erythrostigma
- 6cmほどの大きさになり、テトラの中ではかなり大型の種類になる。
- 体高があり、雄は背びれが伸びるので、かなりのボリュームになる。
[編集] その他のテトラ
- エンペラーテトラ Nematobrycon palmeri
- 黒い太いラインの入る体と、黄色がかったヒレを持つテトラ。
- 状態が上がると、体が上品な紫色を帯びる。
- また、雄の尾びれは中央部分が延びるフォークテールとなる。
- テリトリー意識が強く、高温や水質悪化に弱い。
- ベックフォルディペンシル Nannostommus beckfordi
- ペンシルフィッシュと呼ばれる種類で最も一般的な種。
- ラインが一本入るだけの一見地味な魚だが、
- 繁殖期の雄は全体的に黒ずみ、ラインの周囲が赤く染まる美しい婚姻色を見せる。
- ブルーリボンテトラ Characidae sp.
- 2002年に登場した、美しい青色をしたテトラ。やや気が強い傾向がある。
- ダイヤモンドテトラ Moenkhausia pitteri
- 体側の鱗の一部が光を反射して輝くことからこの名で呼ばれる。
- ヒレが上下に伸長し優雅な姿となる。
- ホタルテトラ Axelrodia sp.
- 全長3cmほどの小型のテトラで、尾びれの付け根に光る模様があるためにこの名で呼ばれる。
- 最近では単独で入荷があり、また全身が赤く染まるディープレッドホタルテトラ、
- 光沢部分が赤くなるアカホタルテトラなど、多くのバリエーションが存在し人気がある。
- プリステラ Priatella maxillaris
- 目立つ色は持っていないが、かわいらしい人気魚。古くから観賞魚として飼育されているポピュラー種。
- ブルーテトラ Boehlkea fredcochui
- 清涼感のある青い体色のテトラで、養殖された個体が大量に輸入される。
- 美しい反面非常に活発で気が荒く、混泳相手には気を使う必要がある。
- グラスブラッドフィン Prionobrama filigere
- 透明な体で、尾びれだけが赤い個性的な魚。5cmとやや大きくなるが、温和で混泳も問題ない。
- インパイクティス・ケリー Inpaicthys kerri
- アマゾン川原産の紫がかかったテトラで、光の加減によって、体側が青に輝く。
- おもに東南アジアで養殖されたものが輸入される。若干気の荒い面がある。
- グリーンファイヤーテトラ Aphyocherax rathbuni
[編集] アフリカ産のテトラ
- コンゴー・テトラ Phenacogrammus interruptus
- 虹色に光る美しい体色で昔から親しまれているアフリカ産のテトラ。8cmと若干大きくなる。
- ジェリービーン・テトラ Ladigesia roloffi
- 光沢のある淡い緑色の体と、オレンジ色のヒレの対比が美しい小型のテトラ。全長3cm。
- ネオレビアス・アンソルギー Neolebias ansorgii
- 体側にメタリックな緑色の帯が入る小型テトラ。
- Neolebias属には種類が多く、本種やpowelli種のように美しい種は人気がある。
- ショートノーズ・クラウン・テトラ Distichodus sexfasciatus
- ロングノーズ・クラウン・テトラ Distichodus lisosso