ヌル (コンピュータ)
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ヌル、ナル(null)は空欄の値。ゼロではなく、なにもない(空値)こと。
英語で主に記述されるプログラミング言語の世界に、ゼロと区別するためにドイツ語からゼロを表す null(読みはヌル)という単語を持ってきたものである。これを英語圏で英語風に「ナル」と発音する場合もある。
コンピュータでは、プログラミングで、変数に対して値が全くない状態や、どの指標も指していないことを表す。
[編集] ヌル文字
ヌル文字は、データが格納されていないことや、C言語などで文字列の終端であることを表す特殊な文字。ほとんど全ての文字コードで0が充てられている。なおC言語などでは、ヌル文字のコードは0であると定義されている。C言語などの記法にならって\0と表記されることが多い。
[編集] ヌルポインタ
ヌルポインタは、何もオブジェクトを指していないポインタのことである。CやC++では、0
や定数NULL
などで表す。そのほかにも参照型の概念を持つ言語には、言葉こそ違えど同様なものが存在する。たとえばJavaやC#ではnull
、C++/CLIではnullptr
、Visual Basic、Visual Basic .NETではNothing
、Objective-CやREALbasicではnil
がヌルポインタに相当するキーワードである。
[編集] nullデバイス
nullデバイスは、存在しない架空のデバイスを表す。不要なデータストリームを廃棄する時に、nullデバイスに出力する事で、それを表現する。UNIXやLinuxでは/dev/null、DOSやWindowsではNULである。