ヌーメノール
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ヌーメノール(Númenor)はJ・R・R・トールキンの中つ国世界の架空の場所。 アトランティス伝説の変形と位置づけられ、作中ではクウェンヤNúmenóre「西の土地」が語源とされ、トールキンは「西方国」(Westernesse)と翻訳した。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
ヌーメノールは中つ国とアマンの間のベレガイアの島にあるドゥーネダインの王国である。土地は贈り物として海から上昇して人間に与えられた。島はエレンナ(Elenna「星の国」)と呼ばれた。これはドゥーネダインがエアレンディルの星によりそこヘ導かれたためであり、島が五つの突起のある星形をしていたためである。島の中心にメネルタルマという名の山があり、ドゥーネダインはエル・イルーヴァタールへの寺院として使用した。
ヌーメノールにはたった二つの川しかなかった。メネルタルマに発し、ニンダモスの都市の近くの小さな三角州に終わるシリル、およびエルダロンデの近くで海に注ぐヌンドゥイネである。
エアレンディルの息子エルロスはヌーメノールの初代の王で、タル=ミンヤトゥアの名を得た。かれの統治(第二紀32年~442年)およびかれの子孫の統治のもとで、人間が主要な種族になった。かれらの艦隊は第二紀600年にヌーメノールから中つ国まで初めて航海した。
ヌーメノール人は、ヴァラールによって、ヌーメノールが見えなくなるほど西方に航海することを禁止された。それは、人間が行くことのできない不死の地を見ることを恐れたからだった。時とともに、ヌーメノール人は、ヴァラールの禁に憤慨し、権威に反発し、かれらに与えられなかったと信じた永遠の生命を求めるようになった。かれらは東方へ行き、中つ国の大部分を、最初は友好的に、だがその後は専制者として植民地化することによりこれを償おうとした。僅かな「節士派、あるいは忠実なる者たち」はヴァラールに忠実で、エルフに友好的でありつづけた。
第二紀3255年、第25代の王アル=ファラゾーンは中つ国に航海した。ヌーメノールの権勢を見て、サウロンは王の捕虜になることに合意し、かれはヌーメノールに連れてこられた。サウロンはすぐに王への助言者になり、かれが禁を無視することを提案した。第二紀3319年、アル=ファラゾーンはアマンの地に足を下ろし、その結果、世界は変更され、ヌーメノールは波の下に沈んだ。
エレンディル(かれはアル=ファラゾーンの支配下の節士派の指導者の息子である)、かれの息子および追随者は、ヌーメノールに起こるべき災害を予知し、島が沈む前に出帆した。かれらは中つ国に到着し、アルノールとゴンドールの両王国を建設した。
没落の後でヌーメノールは、クウェンヤで没落せる国を意味する、アタランテ(Atalantë)と呼ばれた。(アトランティスとの類似点は明白であるが、トールキンは「落ちる」の意味のクウェンヤの語幹をヌーメノールを参照する名前に組み入れることができたのは幸福な事故であると評した。ヌーメノールの上昇および没落の話はアカルラベースの中で伝えられている。
[編集] 備考
- アニメシリーズ『宇宙伝説ユリシーズ31』には、ヌミノール(Numinor)と呼ばれるキャラクターが出てくるが、その名前はヌーメノールの派生語かもしれない。
- C・S・ルイスの小説、『サルカンドラ―かの忌わしき砦』に「Numinor[原文のまま] and the True West」が出てくる。これを、ルイスはJ・R・R・トールキンの未発行の創造物であるとしている。これはルイスおよびトールキンの小説間のクロスオーバーの多くの例のうちの一つであり、ふたりともインクリングズというオックスフォード大学のファンタジー作家のサークルのメンバーだった。
[編集] 関連項目
ヌーメノールの統治者の一覧