ハエ男の恐怖
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『ハエ男の恐怖』(はえおとこのきょうふ、原題:The Fly)は、1958年にアメリカ合衆国の20世紀FOXが公開したSF映画。ジョルジュ・ランジュランの小説『蝿』を映画化した1950年代の傑作。
本作のヒットにより2本の続編(『蝿男の逆襲』1作目がテクニカラー作品であったのに対し、こちらはモノクロ作品。当時のタイトルは『恐怖のハエ人間』)が生まれたが、日本では何故か劇場未公開でテレビ放映のみだった。ゴールデンタイムの再放送では渡辺徹が吹き替えを担当し、不評だった。現在では2作品(『蝿男の恐怖』、『蝿男の逆襲』)ともに「蠅」と漢字表記であるが、当時のタイトルではカタカナ表記で「ハエ」である。
ハエ男のマスク製作は、フォックスのメイクアップ部チーフのベン・ナイとクレジットされているが、実作業は『放射能X』(1954年)や『恐怖のワニ人間』(1959年)のディック・スミスが担当している。
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[編集] ストーリー
物理化学者のロバート(アル・ヘディソン)が上半身を潰された死体で発見される。 容疑者は現場から逃げてゆくのを目撃されたロバートの妻だった。 妻は警部に信じられない話を語り出す。
物理化学者のロバートは物体を瞬時に別の場所に移動させる物質電送機を発明した。彼はカップや猫を用い電送実験を成功させる。そして自身で電送の人体実験を行い成功したかに見えた。しかし、機械の中にハエが紛れ込んでいたため、頭がハエの人間と頭が人間のハエが生まれてしまう。 頭がハエの人間になってしまった物理化学者のロバートとその妻は、頭が人間のハエを捕まえて、再度頭がハエの人間と頭が人間のハエを物質電送機にかけ、人間とハエに戻そうと計画する。だが頭が人間のハエはなかなか見つからない。そのうちに、頭がハエとなったロバートは、自分の人間の意識がハエの意識になってくることに危機感を感じはじめた。彼はその研究をすべて破棄した。自身もまた痕跡の残らないよう、妻に懇願し上半身を圧搾機で潰させ死を選んだというのだ。
ロバートの妻の意外な話を警部は信じられないでいたが、庭でショッキングな証拠を目にするのだった。
[編集] スタッフ
- 製作・監督:カート・ニューマン
- 脚本:ジェームズ・クラヴェル
- 原作:ジョルジュ・ランジュラン(『蝿』)
- 撮影:カール・ストラス
- 音楽:ポール・ソウテル
- 特撮:L・B・アボット
- メイクアップ:ベン・ナイ
[編集] キャスト
- ヴィンセント・プライス
- パトリシア・オーエンス
- アル・ヘディソン
ほか
[編集] 関連項目
- 映画『透明人間と蝿男』(日本の特撮映画)
- 映画『ザ・フライ』(米国映画 本作のリメイク)(1986)
- 映画『ザ・フライ2 二世誕生』(米国映画)(1989)
カテゴリ: アメリカ合衆国の映画作品 | 1958年の映画 | SF映画