ヒカル・スールー
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ヒカル・スールーまたはヒカル・スル (Hikaru Sulu) は、アメリカのSF作品『スタートレック』シリーズ、主にテレビドラマ『宇宙大作戦』(TOS) の登場人物。宇宙パトロール船U.S.S.エンタープライズ号主任パイロット。日本語吹き替えでは加藤(カトー、カトウとも表記)で、作中ではミスター・カトーと呼ばれた。俳優はジョージ・タケイ。日本語吹き替えの声優は富山敬、田中亮一ほか。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
2237年、地球のサンフランシスコ生まれの人間男性。アジア系で、日本人とフィリピン人のハーフ(なお、役者のタケイは日系3世)。宇宙艦隊士官。TOS当時の階級は大尉。
主な任務はパイロット(操舵士)だが、船の武器の操作も担当している。但し第5話(日本放映順・以下同じ)「光るめだま」での初登場時は物理学者(科学部門・青の制服)として着任した。
多趣味で知られる。TOS第5話「魔の宇宙病」で、熱病にかかって上半身裸でフェンシングの腕を披露するシーンは有名。ほかに、植物学、日本の古武術などに詳しい。
劇場版では第1作~第6作に登場。エンタープライズAのパイロットを務めたほか、第6作『スタートレックVI 未知の世界』では、U.S.S.エクセルシオール艦長に。階級は大佐。第7作『スタートレック ジェネレーションズ』には、娘のデモラ・スールーが登場。なお、第4作『スタートレックIV 故郷への長い道』では20世紀末のサンフランシスコにタイムスリップしたスールーが自分の先祖に会う場面が予定されていたがカットされた(小説版には残されている)。
TOS 30周年企画として、『スタートレック:ヴォイジャー』(VOY) 第44話「伝説のミスター・カトー」に、トゥヴォックの回想シーンで登場。『未知の世界』と同じ事件をエクセルシオールから描いている。
ファーストネームのヒカルは、小説版の作者ヴォンダ・マッキンタイアが考えて使ったものが後に正式に認められた。『源氏物語』の光源氏からとったという。映像作品では『未知の世界』が初出。Hikaruを「ハイカル」と読む向きもあるが前述の命名の経緯からすれば正確ではない。ラストネームのスールーはジーン・ロッデンベリーがフィリピンのスールー海の穏やかさに因んで名づけた。
「カトー」という日本語吹き替えでの役名は、東北新社が考えたもの。 声優は、TOSシリーズ1は富山敬(ただし完全版ビデオの日本未放送・新録部分は納谷六朗)、シリーズ2~3は田中亮一、VOYは納谷六朗。劇場版は富山敬、田中亮一、金尾哲夫、牛山茂、田原アルノ。『まんが宇宙大作戦』(TAS) は村山明。