ジョージ・タケイ

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ジョージ・タケイ

ジョージ・ホサト・タケイ（George Hosato Takei、1937年 4月20日-）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州生まれの俳優である。日系三世。三世であるが、両親が共に日本で初等教育を受けていたため、日常会話程度の日本語は理解する。当たり役は『宇宙大作戦』から始まる『スタートレック』シリーズのヒカル・スールー。

[編集] 来歴・人物

ジョージ・タケイは1937年 4月20日、山梨県生まれでアメリカ移民の父とカリフォルニア州生まれで日系二世の母との間に3人兄弟の長男として生まれた。父は親英派であったためにジョージ6世 (イギリス王)の名前から「ジョージ」と名づけた。

平和な日々を送る一家に転機が訪れたのは1941年の日米開戦からである。タケイ一家は1942年大統領行政令9066号によりアーカンソー州ローアー強制収容所へ強制収容されることになる。過酷な日々を送っていた一家は、今度はジョージの父が当時踏み絵的に行っていたアメリカ政府に対する忠誠心の調査「忠誠登録」(Loyalty Questionnaire)で忠誠を拒否したために、カリフォルニア州ツールレイク強制収容所へ送られた。ツールレイクは反米主義者とみなされた者が多く送られた場所で、一種の隔離収容所であった。1945年8月の終戦後もツールレイクだけは翌年まで閉鎖されなかった。タケイ一家は、3年あまりにわたる苦難の生活から解放された後、ジョージの生まれ故郷ロサンゼルスへと帰郷する。家族は戻ったロサンゼルスでクリーニング店を始めその後軌道にのる。

ジョージは1956年、建築学専攻でカリフォルニア大学バークレー校に入学するが、在学中俳優の夢を持っていた為に1958年に同大学ロサンゼルス校に編入、演劇学学士と大学院で演劇学修士を取得する。

1960年にリチャード・バートン主演の『北海の果て』の出演がきっかけで、俳優としての知名度を高めていくこととなる。その後、自身の看板作品となる『スタートレック』シリーズでヒカル・スールーを演じることになり一層知名度を高める。

1995年、当時大統領を務めていたビル・クリントンから指名を受け、日米文化教育交流会議（CULCON）の承認を受けたプログラムを運営する、日米友好基金（JUSFC）の理事を務める。

2004年11月には天皇陛下から今までの功績を称え旭日小綬章を叙勲せられる。

2005年 10月26日に発売されたロサンゼルスのゲイ・レズビアンのコミュニティ誌『フロンティアズ』にて自身が同性愛者だとカミングアウトして各方面から驚きの声が上がった。パートナーであるブラッド・アルトマン氏とは20年来の付き合いであるという。自らゲイであると告白したその理由として

同性愛について社会的な議論を巻き起こしたいと考え、決意したこと。
ゲイの結婚が政治問題になるなど同性愛者に対する社会的、政治的な変化
その上で「若いときはゲイであることを恥ずかしいと思っていたが、世界は変わった」と述べた。
また、日系人収容所に収容されたがゆえの体験から、自分の人種と性的嗜好について、恥の意識を持ちながら育ったと述べたが、同性愛者への偏見は人種差別と同じだとし、「アメリカの価値観に反している」と語っている。

今でもなお、ゲイに関して世間から偏見が消え去っていない中で自ら告白し社会に一石を投じたことは、賞賛に値する事であると思われる。しかしながら告白したことで多くの支援の手紙が届く一方、一部のファンは事実を受け入れることができなかったようでジョージは以下の言葉を残している。

「2%程のファンから私のせいで『スター・トレック』とスールーというキャラクターが台無しなったと言われた。何人かの極端な信仰者は聖書からの言葉を引用していた。よくも私のような俳優が『スター・トレック』の持つ聖書的な真実を汚すことができたものだ、ということらしいよ。」

ジョージは俳優業の傍ら日系市民協会 (JACL) に積極的に参加するなど、日系アメリカ人の社会的地位向上にも大きく寄与している。ロサンゼルスにある全米日系人博物館では1984年から現在に至るまでメンバーとして参加。2002年及び2003年には理事会の会長を務めている。日系人の関わる行事には必ず出席しており、その誠実で真摯、気さくな人柄は日本人のみならず世界の多くの人に親しまれている。