ヒジキ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒジキ(鹿尾菜、羊栖菜、英語 hizikia、学名 Hizikia fusiformis)は、褐藻類ホンダワラ科ヒジキ属の海藻、海苔の一種。波の荒い海岸近くの岩場の低潮線付近に繁茂し、春から初夏に胞子嚢を付けて成熟する。
粘りの成分があるため、古くは食用以外にも、紙と紙を貼り合わせる糊としても使われた。
[編集] 食材
ヒジキは、天日干しなどにより 干ひじき(ほしひじき)として販売されることが多い。生きている間は茶色~褐色だが、加工するにつれ真黒になる。干ひじきは、水で戻してから醤油、砂糖などで煮て食べる。「ひじきの煮つけ」(ひじきの磯煮)が有名。春物と冬物の違いは胞子嚢の有無で見分けられる。冬物は春物に比べ柔らかく、採取している地区も少ないため高価である。
春物は細長い茎の部分と葉や芽のように出ている胞子嚢の部分を分離して製品化されることが多い。茎の部分だけにしたものを長ひじき、茎ひじきなどという。茎以外の部分、あるいは、芽の部分だけにしたものを 芽ひじき、姫ひじき、米ひじきなどという。また、胞子嚢のあるものを米ヒジキ、冬物を岩場から生えた新芽を摘むため、芽ヒジキということもある。
[編集] 安全性
2004年7月28日英国食品規格庁 (FSA) は、日本産ヒジキについて発がん性のある無機ヒ素を多く含有しているため食べないようにとする勧告を出した。それに対し日本の厚生労働省は、調査結果のヒ素含有量からすると、成人では継続的に毎週30g以上を摂取しない限り世界保健機関 (WHO) の暫定的耐容週間摂取量を上回ることはなく、現在の日本人の平均的摂取量に照らすと、通常の食べ方では健康リスクが高まることはないものと考えられる、との見解を示した。