ビワ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビワ | ||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() |
||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||
Eriobotrya japonica | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
(Japanese) Loquat |
ビワ(枇杷、学名: Eriobotrya japonica、英 (Japanese) Loquat)は、バラ科の常緑高木およびその果実。中国南西部原産。英語の「loquat」は広東語「蘆橘」(ロウクワッ)に由来する。日本には古代に持ち込まれたと考えられている。またインドなどにも広がり、ビワを用いた様々な療法が生まれた。中国系移民がハワイに持ち込んだ他、日本からイスラエルやブラジルに広めた。トルコ、レバノン、ギリシャ、イタリア南部、スペイン、フランス南部、アフリカ北部などでも栽培される。
目次 |
[編集] 植物学的特徴
葉は互生し、葉柄は短い。葉の形は20cm前後の長楕円形で厚くて堅く、表面が葉脈ごとに波打つ。縁には波状の鋸歯がある。花期は初冬で、白い地味な花をつける。花弁は5枚。葯には毛が密に生えている。自家受粉が可能で、初夏に卵形をした黄橙色の実をつける。果実は花たくが肥厚した偽果で、全体が薄い産毛に覆われている。
[編集] 栽培
- 栽培
種を蒔くと簡単に発芽するので、観葉植物として楽しむことが出来る。生長が速いので剪定で小型に育てると良い。実生苗の結実には7~9年の歳月を要する。自家結実性のため、他品種を混植する必要はない。殖やし方は実生、接木。剪定は9月、開花は11月~2月。
- 品種
江戸時代末期に日本に導入され、明治時代から、茂木(もぎ)や田中などの果樹としての品種がいくつかある。現在ではその他に大房、瑞穂、クイーン長崎(福原)、白茂木、麗月、陽玉、涼風など多くの品種がある。中国びわとして冠玉や大五星などがある。2006年種なしびわである希房が品種登録された。
- 産地
日本では全国でビワの実が6730トン(2004年産、農林水産省統計)収穫され、長崎県、千葉県、鹿児島県など太平洋側の温暖な気候の土地で栽培されている。とくに長崎県は、全国の3分の1近くを産する日本一の産地となっている。ただ、近年は食の多様化や種子を取り出すなど食べにくさに加え、農家の高齢化等もあり、収穫量は減り気味である。近年ではビニールハウスによる促成栽培も行われている。
[編集] 利用
- 食用
果肉は甘く、生食されるほかに缶詰などに加工されるが、種子が大きく廃棄率が30%以上である。生食する場合の可食率は65~70%でバナナとほぼ同等である。
- 薬用
「大薬王樹」と呼ばれ、民間療薬として親しまれてもいる。
葉はアミグダリンやクエン酸などを多く含み、乾燥させてビワ茶とされる他、直接患部に貼るなど生薬(枇杷葉(びわよう))として用いられる。葉の上にお灸を乗せる(温圧療法)とアミグダリンの鎮痛作用により神経痛に効果があるとされる。
ただし、アミグダリンは胃腸で分解されると猛毒である青酸を発生するものであり、その取り扱いを間違えると健康を害し、最悪の場合は命を落とす危険性がある。したがって、葉などアミグダリンが多く含まれる部位の経口摂取は、細心の注意を払う必要性がある。[1]
[編集] ビワにまつわる言葉等
- 桃栗3年柿8年枇杷13年
[編集] ギャラリー
分類表はウィキプロジェクト 生物のテンプレートを用いた。