フィリップ・マーロウ
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フィリップ・マーロウ(Philip Marlowe)は、レイモンド・チャンドラーが生み出したハードボイルド小説の探偵。
地方検事局の捜査官をしていたが、命令違反で免職となりロサンゼルスで私立探偵を開業する。『長いお別れ』によれば、ローレル・キャニオン地区のユッカ街(架空の街)に住んでいる。
「服従しないのは僕の十八番の芸当」と言って憚らないが、金力と政治という複雑な背景があってオプ(operative―私立探偵)が成立している面も認識しており、慎重に事件を調べる癖がある。反面、弱い者に対して非情に切り捨てる事ができない為に悪党に弱みを握られることもある。余程でないと拳銃を使うことはないがスミス&ウェッソンM36“チーフスペシャル”を携帯。
名前に「"e"がつくの?」としばしば問いかけられる。
[編集] 登場作品
- 長編
- 大いなる眠り(1939年)
- さらば愛しき女よ(1940年)
- 高い窓(1942年)
- 湖中の女(1943年)
- かわいい女(1949年)
- 長いお別れ(1954年)
- プレイバック(1958年)
- プードル・スプリングス物語(未完 のちロバート・B・パーカーにより完結される)
- 中短編
-
- 他に、マーロウ以外の探偵が登場した作品を、のちにマーロウものに書き改めた短編がいくつかある。
[編集] TV・映画でフィリップ・マーロウを演じた映画俳優
- ジェームズ・ガーナー
- ジェームズ・カーン
- エリオット・グールド
- ハンフリー・ボガート
- ロバート・ミッチャム
- ジョージ・モンゴメリー
- ロバート・モンゴメリー
[編集] 名セリフ
- 「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」
- If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
- 清水俊二訳は、「しっかりしていなければ生きていけない、優しくなければ生きている意味がない」(『プレイバック』第25章)。
- 矢作俊彦『複雑な彼女と単純な場所』(新潮文庫)によると、「ハードでなければ生きていけない、ジェントルでなければ生きていく気にもなれない」が正しいということである。
- 「ギムレットにはまだ早すぎるね」(『長いお別れ』第52章)
- I suppose it's a bit too early for a gimlet.
- テリー・レノックスがフィリップ・マーロウに言ったセリフである
- 「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」
- To say Good bye, I die a little.
- 清水俊二訳では、「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」(『長いお別れ』第50章)
- 村上春樹訳では、「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」(『ロング・グッドバイ』)