ブロック紙
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ブロック紙(ブロックし)とは、販売地域が複数の都府県に跨がる地方紙を指す。
一般的な地方紙よりも大きいが、全国紙のように日本中を網羅していない新聞をいう。広範囲の地方圏で、圧倒的な部数と影響力を持つ新聞である場合が多い。
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[編集] 日本のブロック紙
全国紙以外の新聞において、1.発行部数の多さ、2.広域的な影響力、の2つの指標から「ブロック紙」と言われる新聞がいくつかある。
1.発行部数の多さと2.広域的な影響力の両方を満たす「ブロック紙」に、ブロック紙三社連合を構成する北海道新聞、中日新聞、西日本新聞の三紙がある。ただし、東京新聞を総本社の中日新聞から分離して四紙とする場合もある。これらは発行部数が多く、一般の購読者も広く分布している。それぞれの取材ならびに配布地域は以下の通り。
- 北海道新聞:北海道
- 中日新聞:東海地方および長野県、滋賀県の一部、和歌山県の一部、福井県の一部(静岡県は西部・中部地区のみ)
- 東京新聞(中日新聞社が発行):関東地方と静岡県東部・中部地区(中部地区は宅配のみ)
- 西日本新聞:九州地方および山口県
北海道が1つの地方自治体であるため、北海道新聞は県紙と同じと見ることも出来るが、北海道は他の都府県と異なり、例外的に1つの地方(九州の約2倍の面積)で1つの自治体となっており、北海道新聞の発行部数も多いため「ブロック紙」と見なされる。
他に、1.発行部数はさほど多くはないが、2.広域的な影響力がある河北新報と中国新聞の二紙をブロック紙に加える場合がある。これら二紙の実態は、河北新報が仙台都市圏、中国新聞が広島都市圏のローカル紙、若しくは各々の県の県紙という性格が強く、上記の3紙のような一般購読者が広域に多数存在するブロック紙とは異なる。しかし、それぞれ東北地方、中国地方というブロックを取材ならびに販売の対象地域としているため、それらのブロック内の政治・経済を広く俯瞰することが必要な地方自治体や地方企業にとっては重要な情報源となっている。すなわち、県外では、家庭での購読というより、職場での購読を主としており、発行部数よりも地方ブロックでの影響力から見たブロック紙である。
なお、2.広域的な影響力があまりない県紙のいくつかを、1.発行部数が上記のブロック紙並みに多いという理由でブロック紙扱いすることがある。例として、静岡新聞・神戸新聞・京都新聞・山陽新聞などが挙げられる。これらの県には、日本の経済を支える国内有力企業の本社や一般企業が集中しているため、情報ソースとなるこれらの新聞の影響力が他のブロック紙と同等と見なすことも出来る。そのため、広域的な影響力がなくともブロック紙と同列視されることが度々ある。
[編集] ブロック紙一覧
[編集] ブロック紙三社連合
- 西日本新聞(九州と山口県:福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、山口県、熊本県、宮崎県、鹿児島県)
[編集] ブロック紙三社連合に加盟していないブロック紙
[編集] ブロック紙に準ずる規模の県(府)域紙
- 静岡新聞(静岡市)一般的にはブロック紙に含まれない。配布対象は静岡県と愛知県豊橋市周辺のみだが、発行部数は東京新聞を上回っている。
- 新潟日報(新潟市)はブロック三紙連合に近い関係であるが、ブロック紙には含まれない(なお、東京新聞、北陸中日新聞、河北新報とも新潟県は取材および配布の対象外となっている)。
- 京都新聞(京都市)は配布対象が京都府と滋賀県の2府県であるが(大阪府の一部でも購入可能)、ブロック紙には含まれない(滋賀県は中日新聞とエリアが重複する)。神戸新聞とは三都合同新聞の後身同士でもあり、阪神大震災時には京都新聞社が神戸新聞の紙面製作を代理するなど両紙は友好的な関係である。
- 神戸新聞(神戸市)は、河北新報や中国新聞と共にブロック紙三紙連合に近い関係であるため、ブロック紙に含める事がある。ただし、同紙の取材ならびに配布対象はほぼ兵庫県に限定されており、実質的には県紙である(大阪市内では購入可能)。神戸新聞社は戦前には大阪と京都でそれぞれ新聞を発行しており(三都合同新聞)、デイリースポーツの親会社でもあることから、ブロック紙と見なされることが多い。
- 山陽新聞(岡山市)は配布対象が岡山県と香川県、及び広島県備後地方と広島市の一部であるが、ブロック紙には含まれない。
[編集] 関連記事
[編集] 外部リンク
発行部数