ポスタル (ゲーム)
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本項は無差別殺人を扱ったゲームに関する記述があるため、これに不快感を覚える人の閲覧は勧められません。
ポスタル(英題:Postal)はアメリカのコンピュータゲーム制作会社「Running With Scisssors」が制作した残酷ゲームに類されるパソコンゲーム。日本における販売はツクダシナジーやコンピュータ・ウェーブ(発売はマイクロマウス株式会社)などが行っていたが、倒産した為現在は株式会社ドライブが行っている。
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[編集] 概要
このゲームの内容に関しては、無差別に他人を殺害して回るなど残虐性が高く、アメリカやニュージーランドでは発売禁止にまでなった事で、かえって知名度が上がってしまったゲームである。シリーズ化がされており、現在は「ポスタル」「ポスタル2」が発売されており、それらと関連するパワーアップキットなども発売されている。なお、最新作「ポスタル3」が開発中である。
[編集] “Going postal”に関して
ゲーム名の「ポスタル(郵便局)」だが、米語スラングになっており、原語では「Go postal」または「Going postal」といい、発狂して殺人事件を起こす・またはブチ切れるという意味で使われている。これは1986年8月20日に発生した米国のオクラホマ州・エドモンドの郵便局内での職員による銃乱射事件に由来する。
同事件では犯人Patrick Sherrillは労使上のもつれもあって所持していた拳銃を発射、郵便局マネージャーと制止に入った同僚の他、駆けつけた警察官や無関係な市民計14名を殺傷、自身も自殺した。((英)Going postal)
なお同ゲームに関しては米郵政公社は何等関係が無い。2000年に米郵政公社側はこの不名誉なスラング及びゲーム名によるイメージダウンを避けるため、「郵政公社の仕事と無差別殺人に因果関係は認められない」とするレポートを提出、同ゲーム発売に関してはゲームに同タイトルを付けないよう求め、発売元と係争しているという。
米国では銃社会問題が深刻だが、特に強盗に襲われる危険の伴う郵便配達人は銃などで自衛する場合もあり、これがひとたび凶器として利用されれば、重大な事件に発展する。余禄では在るが、日本でも明治時代に始まった郵便業務にて、配達人の短銃所持が議論となった。社会に銃があるから自衛の銃が必要になるが、その一方で自衛の銃も銃であるというジレンマは、近年ではテロ問題の陰に隠れがちでは在るが、2005年現在でも米国内の大きな論争の的である。(→銃社会)
[編集] ポスタル
1997年にMacintosh、Windows両対応(ハイブリット版)として発売。ただ街中で人々を殺していくアクション・シューティングゲームである。クォータービューで箱庭的な町が再現されており、その中で主人公を操作し、武器を使って所定数の犠牲者を出す事でクリアとなる。
主人公は銃を持ち、街に生活する市民を、無差別に・また無慈悲に殺害して行くという内容で、武器には連射の利く短機関銃や爆発するロケット砲・広範囲にダメージを与え、相手を火達磨にして被害を拡大させる火炎瓶などが用意されている。また、「自殺」コマンドが用意されており、これを入力すると主人公は銃を口にくわえて発砲・自殺する。
ステージには警官隊に包囲された民家の他、夜の住宅街・パレードが行われている市街地・賑やかな商店街など、到底人が銃を乱射して欲しくは無いような場所である。警官や無頼漢は銃で武装しているため攻撃してくるが、その一方で市民の大半は非武装である。各ステージをクリアするためにはこの非武装市民を含めて殺戮を行う。
なお登場キャラクターらであるが、銃撃を受けると負傷し、ケガを庇いながら逃げる・命乞いをする・他に助けを求める・何とか逃げようと這ってでも移動しようとするなどの行動を取る。しかしゲームには「止めを刺す」というコマンドが存在し、それらを射殺する事が出来るようになっている。登場キャラクターらは声優によって充てられた悲痛なセリフをしゃべるため、人によっては「聞くだけで」不快感を催す可能性がある。
[編集] パワーアップキット
のちに、下記のパワーアップキットが発売された。なお、パワーアップキットはMacintosh版には対応していない。
- Postal Special Delivery
- 悲鳴や叫び声などの音声、「貧民窟」「被災地」「リゾート地」「スーパーマーケット」の4ステージが追加される。
- Postal Power Up Kit
- マイクロマウスより日本でのみ発売される。音声が日本語化され、「秋葉原」「道頓堀」の2ステージが追加される。
他に本体とこれらパワーアップキットを1本に収録した「ポスタル プレミアムパック」がマイクロマウスより日本でのみ発売された。
[編集] 関連事象
同ゲームに感化されたと見られる事件も発生している。コロンバイン高校銃乱射事件では、犯人少年(事件直後に自殺)らが同ゲームに耽溺していたとする話がある一方、ゲーム内容に酷似した行動を取っている点が取り沙汰されている。
同事件以降、このゲームの発売が禁止された。
[編集] 日本での発売
アメリカで発売されてからまもなく、日本でもマイクロマウスより輸入版が日本語解説書付で発売された。発売当初、購入に関する年齢制限を設けていなかったが、暴力的なテレビゲームが国内においても問題視されるようになりはじめたことから、18才未満購入禁止に変更された。なお、販売・発売元はソフ倫やCEROには加盟していないため、年齢制限はあくまでも自主規制として販売をしている。後に発売元であるマイクロマウスが消滅。その後日本国内での販売がドライブに移り、2005年7月から8月頃より再販された。
その過激なゲーム内容がゲーム単行本「超クソゲー」にて紹介されたことや、当時の急速なインターネットの普及もあいまって、徐々に一部のゲームマニアの間で話題となる。その後日本での売れ行きがよかったのか、日本でのみ販売のパワーアップキットも発売された。
[編集] ポスタル2
2003年発売。前作とは違い、Unrealの3Dエンジンを採用したことにより、主観視点であるFPSタイプのゲームとなっている。
月曜日~金曜日の毎日、妻から頼まれたおつかいをこなしていくゲーム。おつかい自体は、妻から頼まれた物を買ってきたりなど単純。但し、おつかいの間は何をしても構わないが、日常的な「ムカツク事件」が起こるようになっており、それらの事件のどさくさにまぎれて事態を悪化させるも、ひたすら我慢してお使いをこなすも自由という。
この内容により、平穏無事に生きるのも、ひたすら悪逆非道を通り越し、ただの異常者に成り果てるのもユーザーの自由選択に委ねるという、些か奇妙なジレンマを表現しているという。
主人公はデュードという、近所のスーパーマーケットにお使いに行くにも常に銃を持ち歩くような「イカれた人物」となっている。共演として、ゲーリー・コールマンが出ている。他にも著名なテロリストも出演している。
ゲーム中に「小便をする」という(意味不明だが、様々な効果があり、チートコード入力で、可燃性の小便が出せるという)コマンドが存在する。
ゲーム内の世界には、思想・信条・宗教・職業等で結託した幾つかの団体や組織が存在しており、主人公の行動によってはそれらの団体や組織と敵対関係になることがある。一度敵対関係になると、道を歩いている時に出会っただけでも、その団体・組織の構成員から攻撃を受けるようになる。また、友好関係にある組織は、主人公が他の敵対組織から攻撃を受けた場合、主人公を掩護してくれる場合がある。
[編集] アクション
ポスタル2の主人公は、まさにやりたい放題の様々な非人道的な行動が可能となっている。
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- ハンドガン・自動小銃・ショットガン・スナイパーライフル等の銃器や重火器類が用意されており、それぞれの銃器の特性を生かした多様な攻撃ができる。
- ナパームやガソリン、火炎瓶などを入手すれば、ターゲットを焼くことができる。ガソリンは広範囲に撒くことができ、マッチで火をつけることによって辺り一帯を一気に燃え上がらせる事ができる。車・人・犬・象・死体等を燃やすこともできる。
- スコップや警棒で殴りつけたり、足でキックするといった直接攻撃も可能である。尚、死体をキックで蹴り飛ばす事や、スコップで突く事もできる。
- ハサミを手裏剣の様に投げつけたり、強力なスタンガンで感電させることができる。ハサミの場合は攻撃する時に音を立てない為、まわりに気付かれない利点がある。またスタンガンは、電気を流し続ける時間によりターゲットのリアクションに変化があり、大抵の場合最後には失禁する。
- オシッコをすることができる。色々なものにオシッコをかける事ができ、それが生物であった場合は、様々なリアクションが見られる。
ゲームの舞台となる街の住人達も非常にリアルなアクションを見せる。
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- 主人公から攻撃を受けると、悲鳴を上げながら逃げ出したり、膝をついて命乞いをしたりする。
- 銃器類で武装した住人もおり、主人公の攻撃に対し反撃してくる者もいる。
- 路上に倒れた人間の死体(主人公が殺害した)を見て嘲り笑ったり、その死体を蹴飛ばす異常性格者の住人もいる。
[編集] ポスタル2 パワーアップキット1
2004年に「ポスタル2」のパワーアップキットとして発売。音声が日本語化される他、マルチ(多人数)プレイが可能となる。
[編集] ポスタル2 ウィークエンド
2004年に「ポスタル2」のパワーアップキットとして発売。土曜・日曜の週末に頼まれたおつかいをこなしていくゲーム。主人公はデュード。今回から狂○病ゾンビという新キャラクターが登場する。新武器のマシエト(ナタ)、スレッジハンマー、サイズ(大鎌)が登場する。
[編集] ポスタル2 ロシアより愛をこめて
2006年10月にパワーアップキットではなく、単品として発売される。舞台はロシアで、主人公のデュードは奪われた自分のナニを取り戻し、自分をこんな目に合わせた奴にも仕返しをするために、月曜日~木曜日のおつかい(ミッション)をこなしていくゲーム。
新武器として、パチンコ、悪臭ソックス、フライパンが登場する。
[編集] ポスタル3
(開発名Postal 3: Catharsis) 開発が発表され、PCとXbox 360版がリリース予定である。2008年上四半期発売予定。家庭用ゲーム機であるXbox 360でプレイ可能になることから、これまで以上に発売を規制すると予想される。開発者のインタビューによればグラフィックエンジンはハーフライフ2と同じSource engineが使用される。
[編集] Postal (映画)
2007年公開予定 監督、脚本、演出はザ・ハウス・オブ・ザ・デッド、アローン・イン・ザ・ダークなどコンピュータゲームの映画化を手がけたウーヴェ・ボル。 主演:ザック・ハワード(Dude役)、ヴァーン・J・トロイヤー。ゲームの主題に同じく非常に暴力的な演出になるためアメリカではR指定になる。