マサイ族
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マサイ族(-ぞく)は、ケニアとタンザニア北部に住んでいる原住民である。 伝統的な生活を守っている民族でもある。人口は推定20~30万人程度とされている。宗教はエン=カイという神を信奉する一神教。これはキクユ族の神であるンガイと同じものであると思われる。
非常に勇敢でプライドが高く、「草原の貴族」と呼ばれる。
[編集] 生活・文化・習慣
本来は定住せず狩猟および牛・羊・ヤギ等の家畜の遊牧で生計を立てる遊牧民である。しかし今では都市に住み、サバンナ観光のガイドや密猟監視員(彼らは有能なハンターであり、監視員は彼らの天職である)などの定職を持って暮らしているマサイ族も多い。以下は遊牧を続ける伝統的マサイ族に関する記述。
マサイ族伝統の住居は牛糞と泥をこねて作った掘っ立て小屋である。この掘っ立て小屋をサークル状に配置し、外側をさらに木の柵で囲うのが村の伝統的なスタイルである。この村全体を彼らはボマと呼ぶ。夜になると、彼らは放牧していた家畜をこのサークルの内側に入れてしまう。猛獣などの外敵から家畜を守るための知恵である。
牛はマサイ族にとって最も重要な動物。貨幣の代わりでもある。賠償・結納・相続なども牛の受け渡しによって行われる。
基本的に一夫多妻制。財産を多く持っている(つまり牛を多く持つ)男は二人以上の妻をめとってよい。また、マサイ族の家族制度では男は普通働かない。牛を襲うライオンなどの猛獣を退治するための狩りや牛の放牧をするだけで、普通の仕事はみんな女や子供が行う。外部の人間が仕事を与えても「自分たちの文化ではない」として受け入れないことが多い。
主食は牛乳とウガリ(トウモロコシの粉を水で練ったもの)。牛乳をギブユという瓢箪に入れて作った原始的なヨーグルトや、牛の血を抜いてそれを牛乳と混ぜ合わせたカラバッシュという飲み物もある。客人が来たときのお祝い事などでは動物を殺して肉食をおこなうこともあるが、家畜を潰してしまうことになるためごくまれなことである。
政治的にはそれぞれの村ごとに長老がいて物事を決定する原始的な長老制。
マサイ族の伝統的な色は赤。衣服や化粧にはほとんど赤が使われる。本来靴は履かず裸足だったが、最近では自分たちで作ったサンダルを履くようになった。このサンダルの底には車の古タイヤを流用していることが多い。
マサイの男性が大人になる儀式に割礼がある。男性、女性とも、性器に切り痕を入れる。特に女性に関しては、性行為の快感をなくす作用があるので、人権活動家の非難の対象にもなっている。
[編集] 肉体的特長
その視力は驚異的。通常の方法では計測不能だが3.0~8.0程度と推測されている。サバンナで家畜を猛獣などの危険から守るために常時眺視を強いられる生活を送っていることが要因。その証拠に都市に住んでいるマサイ族は平均1.0程度の視力しか持っていない。
[編集] その他
日本からはテレビ局がロケーションを頻繁に行ったり、マサイ族の人を日本に呼んで社会の違いを見せるといった企画も多数行われている。
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